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空白を埋める

 久しぶりに友人と会った。夫の長期出張で、今月いっぱいは完全なるワンオペ育児のため時々実家に帰っている。友人を誘い、予定を組んで会うというのは私にとってかなりハードルが高いことだったが、仲のいい同級生とのLINEグループで思い切って声をかけると2人が「遊ぶよ!」と返事をしてくれたのだ。
 1人は独身でもう1人は末っ子と同い年の子どもがいる。子ども連れで友人と会う場合、子連れ向けのカフェなどでランチとお喋りを楽しむのか、子どもが遊べる場所に連れて行き、遊ばせている横で時々相手をしながら話すのかの2択になる。私は後者を好むタイプで、友人にそれを望むのは些か申し訳ない気持ちになっていたのだが、案外みんな寛容で非常に有難い気持ちになった。

 学生時代は毎日顔を合わせていたけれど、卒業から20年近く経ち、それぞれが自分の人生を歩んでいる。結婚、出産、転勤で友人と会うことはおろか連絡すら取らなくなっていた私は、会話の端々に彼女達の知らない一面が現れて混乱した。それぞれが、あの頃には知らなかったことを知ったり、経験したりして、今ができている。私と彼女達の人生で交わることができなかった空白の時間の重みを感じた。この空白を埋めていくことを目下の目標としていこうと思う。私の孤独を救ってくれた彼女達と、これからも友人でいられるように。

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