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ソウルメイト

それはもう単純なものだった。

私は2人姉妹の長女。最初の子どもだから、それはそれは考え抜き出生届の期限ぎりぎりまで悩んだらしい。
だって、男の子誕生の予定だったから。女の子の名前の候補がなかったようだ。

そして父親の名前から一字取り「み」をつけたわけである。母親から「子」を取った名前をなぜつけなかったのかと思ったこともあったけど、ある時期に、そうするとお隣のおばちゃんと全く同じになることがわかり、なんとなく雰囲気で理解した。

私が4歳のとき妹が生まれた。父親の「よし、決めた!」と新聞に書いたものは、またも父親の名前から一字取り「み」をつけたものだった。
父の名が○△とするならば、私が「○み」妹が「△み」と父親の名前を分割したものとなった。
何かあると動いてみる私と、まず考えて計画を立てる妹。私が足で妹は頭と言った人がいたっけ。それも分割だよなと今になって思う。

ソウルメイトとタイトルをつけたわけだけど、何かにつけ半分というか、対照的というか、ちなみに色黒と色白だったりもしたわけだが、何より自分が一番驚いたのは、私が結婚した相手は「△み」という名前の持ち主だったこと。実のところ結婚するとは思ってもなかったし、妹と同じ名前の旦那というのは、やっぱり引っかかった。引っかかったのだけど周りはあっさり「へぇ」ぐらいもので、「え?そんなもの?」と肩透かしを食らった私は結婚をやってのけてしまったのである。そうなるともうどうでもよかった。

そして妹が結婚した相手は「○一」と書いて「○かず」、私が男だったらついてそうな名前で、このときはもう当たり前ぐらいの感覚だった。分割の私たちは、形を変えて相変わらず二個一なんで笑えた。

足部分である動きまわる私は結局ずっと地元に、じっと勉強でもしてればよかった頭部分の妹は、今になって旦那さんと共に忙しくあちこちに転勤族として元気にやっている。来年はまた海外だそうだ。

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