見出し画像

ドラマに観る整理収納「舞いあがれ!」編~115,116放送回は神回!         シニアに沁みる整理収納目線~

映画やドラマが大好きです。
その画面や内容から「整理収納」目線で勝手に語る          【ドラマに観る整理収納】【映画に観る整理収納】シリーズ。

今回取り上げるのはそろそろ終盤、「舞いあがれ!」115回、116回です。

『気持ちの整理』

五島から離れたくなかったばんばですが、
娘のめぐみの言葉かけによって大阪行きを決意します。         「大阪の工場の仕事をすぐには離れられないが、引継ぎをして、その後どうしてもばんばが島に戻りたかったら一緒に五島に戻ろう」と言うのです。
ばんばは戻れるとは思っていなかったかもしれませんが、めぐみの覚悟を感じたようでした。だから自分も覚悟を決めて、新たな1歩を踏み出せたようです。

ここで大事なことはめぐみがばんばと一緒に住みたい、親孝行したいと心から思っていること。決して、母のため、義務感だけではないということ。
そして一歩踏み出した先に「希望」があること。

病気で不自由になってしまった、仕事があるから五島には置いておけない
だから一緒に住むしかない。
という「消去法」で致し方ない1歩ではなく、
セリフにもありますが、今の状況の中で「できること」を探し、前向きな1歩を踏みだすことに勇気をもらえます。

整理収納も「整理したその先にどんなことをしたいか」という希望や目的を決めるところから始めます。
「片付けができない」→「部屋が汚れる」→「やる気が起きない」
「家にいたくない」
それを、「片付けられるモノの量に減らす」→「片づけやすい仕組みにする」→「できることを話し合って分担する」→「家が片付き、家事が楽になる」→「家にいたくなる」→「やりたいことができる」という流れを作っていくのです。

大阪にやって来たばんばは慣れない環境と「何もすることがない」「役に立っていない」という思いで、気持ちが上向かない様子。

そんな中、貴司にすすめられた本、沢村貞子の「わたしの台所」(ナイスセレクト!)を手にし、熱心に読書をするようになります。
舞は退職後「やることのない」日々を送っていた笠巻さんに新たな役割をお願いしたり、そのランチにばんばを誘い、地域に溶け込みやすいように気遣いを見せます。
だんだんと地域に溶け込み、繋がりができたことで、リンゴジャムを作ったり、散歩をするようになったりとばんばの大阪での暮らしにも明るい変化が起きてきました。

家族や周りの人に関心を持つこと、声をかけること、見守ること、
この塩梅が本当に難しいのが人間関係です。
そして「舞いあがれ!」の登場人物たちはこの塩梅が実に絶妙なのです。

片付けが苦手だったり、後ろ向きに思っている人に対しても、
「どうしてそう思うのか」「どの程度ならできるのか」など結果を急がず寄り添った接し方や提案が有効だったりします。
家族であっても感じ方、考え方はそれぞれで、相手を「知る」ということは会話や関心を持つことから始まるので、自然とコミュニケーションも生まれ、居心地よい関係になっていくことも多いです。

『モノの整理』

物語の中で気になった「モノ」についても見てみましょう。
1つ目はばんばの大事にしていた父ちゃん(ご主人)のラジオです。もう音が出なくても、壊れても、手元に置いておきたかった特別なラジオ。家族はそのばんばの思いをとても大切に扱っています。壊れているからと言って引っ越しの時に手放すようなことはしません。
音が出なくても大事にしていたと思いますが、直って本当に良かった。
片付けの現場でも家族のモノを勝手に処分することは決してしてはいけません。
モノを手放す時は、その持ち主が手放すと決めるまでほかの人は手を付けないのが良いでしょう。モノと持ち主の間には他人にはわからない特別な関係がある場合があり、それは本人にしかわからないからです。

近しい人が、どんなものを大切にしているのか、普段から「関心を持つ」ことはここでも大切と言えます。

2つ目は多くのご家庭で親を引き取るときに問題になる、部屋の問題です。岩倉家は決して大きな家ではないですが、モノがそれほど多くないですし、きちんと片付いているので受け入れるときのスペース作りもおそらくそれほど大変ではなかった様子。ですが大抵は人一人分のスペースを作ることは容易ではありません。
皆が仕事を持っている家庭なのにこの空間をキープできるのは家事分担に於いて協力体制ができているからと推察します。家事分担はコミュニケーションが欠かせません。つまり、整理された空間はコミュニケーションの賜物と言えるでしょう。

岩倉家は「気持ちやモノの整理収納」に必要なことがそろっているモデルケースのようなドラマと言えます。

そして特に、115,116回はアラフィフの私世代つまり老親との問題に向き合う世代に大いなるヒントを投げかける「神回」と言えるのです。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?