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「創作ワークショップ」開催レポート。みんなで10分でスピーディーに書く。

先週のカフェでは、ボードゲームを使ってショートショートを書きまくる、というワークショップをしました。

ファシリテーターは京都市左京区の文芸グループ、文芸みぃはぁの市川くん。私含めて参加者は4名。まず一人ずつ単語が5つ書かれたカードを引いていきます。5つの中から好きな単語を1つ選び、その単語を伝える説明する文章を書きます。その単語をそのまま書くのはNGです。

持ち時間は10分(書き終えれなければ最大5分延長)。500字以内。その他の点は自由で、小説でもエッセイでも謎掛け形式でも好きなように書いていいです。スマホ、手書き、パソコンとツールも自由。私は購入してから日の目を見ないポメラに書いてました。

スピーディーに書くというのが肝なので、書き出しが浮かばなかったら、ひらがな一文字が書かれたサイコロを振って書き出しを決めることができます。例えば、私は「月」を説明しようとしたときにサイコロを振って出てきたのが「け」だったので、一行目には〈ケン・リュウの小説に出てくる猿が言葉を発した。〉と書きました。SF作家のケン・リュウの『月へ』という作品に猿が出ていたので、そこを絡めて「月」を連想させる話を書いてました。

書き終えたら一人ずつ朗読して、他の人たちが単語の正解を当てていきます。これがなかなか当たらないからおもしろい。みんなひねった説明をしているので、最初に回答してもだいたい外れます。ヒントをもらって、少しずつ正解に近づいていくときが一番盛り上がります。

おもしろかったのは、四者四様の文章ができたこと。ストーリーができることもあれば、比喩を並べて連想させる手法もあればで、モノを擬人化した描写もあったりで、それぞれの個性が見えてきます。

また10分で書くのは大変でしたが、10分で一定量の文章を書いてみると気持ち良さがありました。今回のワークショップを通じて、思い浮かんだと同時に手を動かして書いていく感覚を覚えるのも大事だと思いました。

無計画に近い状態で書き出しても、書いていくうちに何とかなることがあります。サイコロに頼って書く。なんとなく書く。書きながら考える。そうしないと10分はあっという間ですが、誰もが文章をスピーディーに書くことができるとも思いました。

10分の壁に四苦八苦しながらも遊ぶように文章を書けた楽しい時間でした。ワークショップを企画してファシリテーターを務めてくれた市川くんとご参加いただいた方には感謝です。ありがとうございました。

最後に、下記は私がおよそ10分で書いた文章です。何の単語を説明しているでしょうか。

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新しい町に着いた。
ここで降りることもできたが、私はまたついて行くことにした。

この旅をもう1年はしている。

国にとどまるより、外に出るしかなかった。

政治の腐敗は国全体を覆い、これ以上、虐げられて生きていくわけにはいかなかった。

私の他にも同志はいた。

新しい町に着くたびに、みなでユートピアを夢見ていた。

しかし、現実にはユートピアはなく、争いばかりだった。

大陸から大陸へ、旅が長くなるにつれ、私たちは夢よりも、もっと悲惨な現実に直面した。

同志だと思っていた人間が、力を持つと、結局は腐敗した国の政治家と同じように、汚くなっていく様をまのあたりにした。

新しい町につくたびに、同志はひとり、またひとりと去って行った。

かつての同志は去って行ったが、新しい仲間は増えている。

あの腐敗した大陸から離れるほど、世界各地から新たな人間が集まってきた。
民主的な世界をつくり、自分たちのルールで生きたいと願っている。

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正解は、












「海賊」

時代設定や航海の要素などもう少しヒントを書きたかったですが、これが限界でした。

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