マガジンのカバー画像

気になるもの

87
noteで気になるもの。メモ用です。
運営しているクリエイター

#出版社

理想と現実と本屋讃歌

「本屋なんていう儲からない商売、大変でしょう、続けるのは」 小鳥書房の本屋を開店してからしばらくの間、私はこの言葉に滝行のごとく打たれ続けることになる。滝行と違って心身が浄められるどころか、不安が掻き立てられるだけなのだけど。“本屋=儲からない”の方程式を追究して答えあわせしようとするより、1日でも長くこの店が続くように1冊でも本を買ってくれたらいいのに…。そう思いながら、「たしかにそうですね。でも50年続けたいので、よろしくお願いします」と繰り返し返答し続けた。 “売上

書店がオンラインで発注できるWebサイト・取次システム等一覧

自分用のメモのつもりで収集していたのですが、ひょっとすると一部の方にはお役立ち情報かもしれないので公開いたします。漏れはあるので教えていただけると助かります。情報を入手次第、随時追加していきます。 ※学校・図書館向け書籍の発注サイトの情報を教えていただいたのでまとめて追加しました。 (2020年7月28日時点) 取次のオンライン発注システム TONETS V(トーハン) NOCS7(日販) フロント(楽天ブックスネットワーク) WebCOS(中央社) ビジュアル書店Web(

(前編)ニジノ絵本屋の雇用について

先日、危機感を覚えたことがあります。一緒に働くメンバーから「サボってるわけじゃないのに、やること(やりたいこと)が終わらない。時間も金銭面も余裕がない。」というようなセリフを聞きました。 わたしが去年、一昨年、よく口にしていたセリフと全く同じことを言っていたのです。 「ああ、結局、この仕事の運び方だと、わたしに替わって、周りの人たちも同じことになってしまう」と、思いました。 そうなんです、ニジノ絵本屋は、やることが物理的にとても多いのです。組み立てること、告知すること、整える

本を届けるときに考えたいWebまわり、8つのこと_著者と出版社の施策編

※有料ですが全文読めます。読後、参考になるようでしたらサポートしていただけると大変喜びます。 前回(下記記事)の続きです。 サイトやSNSを活用する際には、ゴールを設定すると、その後の思考や施策が具体的になるので、精度が増します、という話でした。 今回は具体的に、本を届けることについて具体案を提案していければと思います。 著者・出版社が本を届けるためにWebまわりですること著者自身が、Webまわりでできることをあげていきます。 その前に、とても参考になる記事があった

絵本はなぜロングセラーが強いのか?

出版取次のトーハンは児童書の販売促進ツールとして「ミリオンぶっく」という小冊子をつくり、帳合書店の店頭で配布している。 ・こころを育てる絵本たち ミリオンぶっく これは累計発行部数100万部以上の絵本をまとめたもので、やり方はベタだが、それだけにわかりやすくて効果は固い。 絵本というジャンルはパキっとしたロングセラー偏重で、「ロングセラー在庫を切らさない」ということは、児童書売場作りの基本中の基本となっている。売れるかどうかわからん新刊よりも、売りが見込めるロングセラー

魚屋のように本を売る/出版社とフリーランスが生き残るための1000の試論

この試論は、新規出版社が大手との格差をどう埋めていくかが大きなテーマだが、数少ない、大手と互角以上に戦えるカテゴリーが「手売り」である。 1000円の本が書店で1冊売れると、KADOKAWAなら710円入るが、ウチのような新規出版社は550円から650円しか入らない。 しかし、手売りであれば、そこに差は発生しない。KADOKAWAの人が売っても僕が売っても、入ってくるのは1000円である。 * そもそも大手の人は、手売りをしたがらない。大手に共通するというか、KADO

支払いサイト

資金繰りをうまく回していくために重要なことに「支払いサイト」がある。 取次と良い取引条件を結んでいる大手や老舗の出版社だと、新刊本を取次に納品してから、その出版社に売上が入金されるまでのサイトがわりと短い。良いところだと即請求で翌月支払いという出版社もあると聞くが、小零細の出版社だと、6ヶ月後締めで7ヶ月後の支払いがほとんどだから、新刊本の売上を回収する前に、印刷代、製本代、印税、デザイン代、物流など販管費を支払う期日が来てしまう。なので、ざっくりいうと、売上が入るまでは大