もういないひとのにおいはずっと思い出せない いまいるひとのなつかしさはずっとずっと遠く 遥…
年の瀬から旅をしている。ここはどこでもない、どこかの島。だれも知らないまま、少しだけの…
あやふやで なにも 知らないのに なにも こわくない まっさらな ひとみ あやふやで やわら…
ぼくのネムリブカ 目を覚まし おおきいほうへ 魔法みたいな 硝子のかけらが ゆっくりと …
きみが 死んじゃってからも ぼくは今日も 変わらず 毎日を いたずらに過ごしている 季節…
白いひかり ベッドの沈みかた あの日とおなじ におい ふたつの肌 牧場では 風がなにかを…
こわい夢をみた といって 泣く きみの 背中に てのひらを おなかに ホットミルクを こ…
目をふせた きみのまつげ さわることのできない とおい とおい 街あかり ちいさな声 け…
きみが死んじゃったから ぼくは泣けない からだが浮かんでも たましいは見えない あっとい…
会ったことのない ひとに 手をふることが できないように もう会えないひとが かなしい歌…
窓辺の椅子で うたたねしたら だれもいないプールに行こうよ きっと落ち葉がうかんでる と…
ひとかかえもある 大きなグラスに 水をそそいで ゆっくりと飲む ひとかかえもある 大きな…
きみのすきなビスケットを ぼくが食べちゃったから きみはもういない きみのすきな犬を ぼ…
波打ちぎわをあるく あなたの足跡を サンダル片手に なぞるように 風が歌い 波と笑う ど…
ゆくあてのない 旅をゆく 紫苑がひらいて ぼくと同じよなこころの きみが手をふった ゆく…
風がやむころには あなたはきっといない 月桃の葉がゆれるたび あなたを思い出す わたしの…