人と組織づくりLabo. 第8回:メンバーのモチベーション維持向上
『人と組織づくりLabo.』第8回のレポートをお送りします。実は今回、運営のひとりである私(野口)は、いつもと少し違う心持ちでこの回を迎えました。
前回7回目の開催を終えたあと、運営のひとりが声を上げました。「一度みんなで集まらないか?」「これまでの回を振り返り、これからのラボのあり方を見つめ直そう」。そんな問題提起。一瞬漂う緊張感。昨年8月から毎月ラボを開催し、おかげさまで7回を数えるまでになりました。定期的に参加してくださる方もいてくださり、参加者間のコミュニケーションもスムーズになり、ディスカッションも活発に行われるようになりました。「人づくり」、「組織づくり」の課題に関するタネを撒き、みんなで陽の光を当て、水をやり、花を咲かせながら、課題解決に繋がるヒントを持ち帰っていただいてきました。ここまでは概ね「順調」と言っていいでしょう。それでもなお、いや、だからこそ「振り返り」が必要なタイミングだったのでしょう。「慣れ」、そして「甘え」、そんなものを敏感に感じ取ったのかも知れません(決して “不協和音” などではないのでご心配なく!笑)。
そして2月下旬、運営4人で集まり、あらためて『人と組織づくりLabo.』の目的を共有し、これからの計画や役割分担を相談する場を設けました。そのときの様子がこちらです。
そして迎えた第8回。前述した「いつもと違う心持ち」、つまりはいつも以上の緊張でこの日を迎えたわけです。振り返りをしたからには、今まで以上の内容にしなきゃいけない。そんなプレッシャーももちろんありましたが、実は理由は簡単です。自分が初めてのファシリテーションを務めることになったから(笑)。振り返り会で相談した「活性化」の一環です。それにしても、これほど「オンライン」でのミーティングが日常になったにも関わらず、相変わらず緊張しますね(笑)。今回参加くださった皆さんにはお聞き苦しいところもあったかと思います。失礼しました。
ただ、個人的には今回をきっかけに、ラボ自体が「ひと皮むける」ことができればいいなぁなんて思ってます。きっとこれからの本ラボは、毎回ファシリテーターの異なる個性によって、より「多彩」な活動になっていくと思いますし、そこに皆さんの「カラー」を加えることで、もっともっと彩り豊かにしていきたいと思っています。
すっかり前置きが長くなってしまいました。ではでは、第8回のレポート、ようやく始まります(笑)。
▶モチベーションという不思議
つくづく思います。「モチベーション」って不思議なものだなぁと。だってほんのちょっとしたことで上がったり下がったり。上司から叱られた。友達とケンカした。彼女にフラれた…。ひとは日常の様々なできごとに影響を受け、それによって「モチベーション」が上下します。(※「そもそもモチベーションとは「目的意識」や「動機」を意味するものであって、上下するものではない」という意見もありますが、ここではあえて一般的な「やる気」という意味で捉えています)そんな不思議で、厄介で、ときに悩ましい人間の特性である「モチベーション」について今回は考えてみました。
▶モチベーションについて、リーダーとメンバーの視点から
今回は、準レギュラーメンバーでもある株式会社シー・エス・イーの田村さんから、チームリーダーの立場としての「モチベーション」についての考察、そして加藤さんから、メンバーとして自分の「モチベーション」の源泉は何なのか?どうやって「モチベーション」を維持向上しようとしているのか?について語っていただきました。
田村さんの話で非常に興味深かったのが「“外発的な” モチベーションというものは存在しない」という意見。外発的に与えたれた動機は、モチベーションではなく「テンション」である。だからそれは「一時的」なものでしかない。なるほど、確かに給料が上がったり、賞与を貰えたりすると、一時的に「テンション」は上がりますが、長続きはしませんよね。「“外発的な” モチベーション = テンション」説、これは目から鱗な意見でした。
一方の “本来の" モチベーション。これは「自分の内側から湧き上がるものであり、目標を目指すことを動機とした行動」。だからこそ、「あまり勢いよく燃やしすぎて灰になってしまわないように、7割程度で常に火を絶やさないように意識する」ことが大切です。メンバーが持続的に安定したパフォーマンスを発揮できるようにと、そのフォローやケアに心配りされている田村さんらしいお話を伺うことができました。
また、入社2年目の加藤さんは、尊敬できる上司や先輩、頼りになる後輩の共通点から、自分自身の「モチベーション」の源泉にたどり着きます。それは「誰かのチカラになりたい」という気持ちでした。ビジョンやミッション達成のチカラになりたい。ひとの成長のチカラになりたい。誰かの中に灯る火を見つけ、それを大きくしたい。「みんなのハートに火を灯す」存在でありたい。そんな「フォロワーシップ」が、加藤さんを突き動かす「モチベーション」の源泉。これからの時代、加藤さんのような「発燃性」の存在は、組織やチームにおいてより貴重になってくるだろうと感じます。
▶モチベーションの種類、あるいは人生ステージにおける違い
皆さんとのディスカッションで面白かったのが、「モチベーションには “種類” があるんじゃないか?」というご意見(考案者:うぽるさん)。
例えば・・・
・人生計画系モチベーション
→ 人生における目標を立て、その達成のための計画を実行していくうえでの動機づけ。でも途中で「やっぱり自分に合わなかった~」って場合もあり得るよね。
・継続系モチベーション
→ 純粋に「好きだから」「面白い」から続けられるという動機づけ。例えば「筋トレを続ける」とか。
・タスク系モチベーション
→ 与えられた(自分が決めた場合もある)役職や仕事を全うしようという動機づけ。
・インシデント対策としてのモチベーション
→ 問題を回避しようという動機づけ。前述の「テンション」に近いかも。
これは面白い観点。自分がいま、どんな「モチベーション」によって突き動かされているのか?背中を押されているのか?それを知り、自分の今後のアクションプランを立てるのに役立つかも知れません。
また、人生のステージ毎にきっとモチベーションも変わってくるんじゃないか?というご意見も。これは50代半ばの筆者としても非常に興味深いご意見でした。そういえば以前なにかの調査データで、年代が50代、60代、70代と上がるにつれ「働く目的がわからない」という割合が増えているのを見て考えてしまったことがあります。「労働者人口」の減少が日本全体の課題である現在、シニア人材の「モチベーション」の向上も、重要なアジェンダの一つと言えるかと思います。これはまたどこかで議論してみたいテーマです。
▶モチベーションは永遠の課題
今回「モチベーション」についてディスカッションしてみて、あらためて感じたのが、身近な課題であると同時に、非常に奥深く、きっと永遠の課題なんだろうということ。ドラッカーが「マネジメントの役割」として「仕事を生産的なものにし、働く人たちに成果をあげさせる」ことをあげていましたが、先に書いたように「労働者人口減」という課題に直面している私たちは「生産性向上」というテーマをも突きつけられています。一人ひとりが「生産性」をあげるためにも「モチベーション」の向上は大切です。それにはやはり、心身ともに健康であることを大前提として、そのうえで一人ひとりが自分自身の「モチベーション」の源泉は何なのか?をきちんと認識できる気持ちの余裕、余白が大切なんだろうと思います。
▶次回のお知らせ
次回の「人と組織づくりLabo.」第9回は「4月21日(木)19時~」開催予定です。詳細は追ってTwitterで発信しますので、楽しみに待っていてください。まだ参加したことがない、興味がある!という方も、ぜひTwitterをフォローしていただければ幸いです!
https://mobile.twitter.com/hitososhikilabo
それではまた!
この記事は野口和美が書きました。https://twitter.com/wanovation_2020
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