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[百万件のクチコミが語るホテル顧客満足度と構造]5.1.1 全観光ホテルのCSポートフォリオについて

割引あり

はじめに

さて、いよいよ本編を開始します。今回の記事では「全観光ホテル(6千件弱)」が集めたレビュー約百万件から導かれる顧客評価平均(総合+カテゴリ別)と構造分析(各カテゴリ別評価の総合評価への寄与度)を提供します。最終的なアウトプットの姿はCSポートフォリオと呼ばれるものです。

今回は「全観光ホテル」の総合集計、つまり下記のとおりです。

(1) 北は北海道、南は九州、沖縄、まで全地方のホテルを含みます
(2) 山岳・高原地域、海岸地域、など全ての自然環境に立地するホテルを含みます(但し、都心部立地のビジネスホテル等は除外し、別途記事化)
(3) いわゆる温泉ホテルもそうでないものも含みます
(4) 同伴者がいる場合(家族、恋人、友人等)も、いない場合も含みます
(5) 旅行目的がレジャーの場合に加え、ビジネスの場合も含みます
(6) 宿泊時期が春夏秋冬いずれの場合も含みます
(7) 全ての宿泊料金レンジ(ホテルグレード)を含みます

(1)~(7)のようなグループ別の比較は追って別記事を作成します。(またくどいようですが、当面素泊り顧客は含めません。)

言い換えますと、本記事で全体像を見ていただき、追って、より詳細なホテル特性別(グループ別)分析を見ていただくという考えです。その際、本記事で提示する「全観光ホテル」の総合集計も併せて、提供し比較できるようにします。つまり、本記事で提供するものが今後の基準であり、比較対象となります。

この記事から分かること

今回のこの記事は、私が今後書いて行く記事の中でも最も基本となるものです。ホテル事業経営者・管理者のかたはもちろん、ホテル選びをされる一般旅行者の方々にとっても大いに参考になるものと考えます。

立地や料金水準に依らず、観光ホテルなるものがどのような視点で顧客に評価されているのか、ザックリ知ることができます。緻密でミクロな分析ももちろん重要ですが、まずはザックリとマクロな視点で全体傾向を把握することはもっと重要だと思います。

この記事からわかるることは、以下の通りです。

① 全観光ホテルの評価平均(総合+カテゴリ別)値が分かり、個々のホテル評価の基準とすることができる

あらかじめ書いておきますが、観光ホテルの利用者評価平均値は、なかなか高いものです。従って、自社ホテルの現状評価に満足されていた経営者・管理者の方々はややショックを受けるかもしれません。

また、一般旅行者のホテル選定でも、基準となる全国平均は大いに役立つはずです。と言いますか、基準がないと、個別ホテルの評価もやりようがありませんよね。

② カテゴリ別評価の総合評価への寄与度が分かる

各カテゴリ評価がそれぞれどの程度総合評価に寄与するのかが定量的に把握できます。

「カテゴリ評価」とは総合評価を構成する「部屋評価」「食事評価」等を指します。これらのカテゴリ評価と別に「総合評価」があるのですが、お客様は、カテゴリ別評価を総合して「総合評価」を付与するものと考えられます。

この分析結果は、経験豊かな観光ホテル経営者・管理者の方ならあっさり腹落ちする内容かもしれません。しかし、一般旅行者にはやや意外な結果に見えるかも知れません。実際私は「何でこうなるんだろう?」と最初は意外に思いました。しかし、分析を深めるごとに腹落ちしてきました。

③ CSポートフォリオが描ける

CSポートフォリオとは、上記①と②をまとめ、チャート化したものです。自社ホテルの顧客満足度向上に向けたアクションプラン策定に欠かせないものです。

過去記事でも乗用車ブランド別のものを例示しましたが、本記事後半では観光ホテル版のCSポートフォリオを①②の実データに基づき提供します。また実在のホテル(固有名詞は出しません)評価を利用し、リアルなCSポートフォリオ例を提示します。

参考までに過去記事で提示した乗用車ブランド別の「CSポートフォリオ」を再掲します。こちらはあくまでも架空のものです。

一般旅行者にとってのCSポートフォリオの活用法ですが、候補とするホテルの特性(強み・弱み)を読み解くことができるようになります。

例えば、「立地面で最高評価を得ているが、食事面が弱いため、総合評価が平均水準に留まっているのだろう」と言う具合です。

それでは本題に入ります。

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