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【ロード・オブ・ザ・リング】

 J.R.R.トールキンの長編ファンタジー小説『指輪物語』(1954~1955)の英題。いわゆる「剣と魔法」の西洋ファンタジーの代表的、かつ元祖的作品として知られる。日本で『ロード・オブ・ザ・リング』とカタカナ書きする場合には、通常は実写映画版のことを指す。

 2021年5月18日、ネットメディア『バウンディング・イントゥ・コミックス』は、俳優ルディ・リンがツイッター上で本作を批判したことを報じた。
 その理由は「アジア人がいない」という実に「ポリコレ」チックなものである。

 同氏は映画版『モータル・コンバット』(2021年版)の主演で知られ、ツイッターでのフォロワー数は発言直後の5月21日現在、3.9万を数える。
 しかし幸いなことにというべきか、彼のこの『ロード・オブ・ザ・リング』アジア人ねじ込み発言は、最高でも1000程度のいいねしか獲得していない。むしろリプライ欄には人種を問わず多くの反論が寄せられた(あなたが『ロード・オブ・ザ・リング』にアジア人を入れろというのは、私が『ムーラン』にラテン系を入れろというようなものだ、等)。

 そもそも彼が『モータル・コンバット』を主演できたのだって、同作が原作ゲームの雰囲気を尊重しているからこそアジア人を起用したわけだろう。それを『ロード・オブ・ザ・リング』には許すなというのは自分勝手な議論と言われても仕方がない。

 この実態は、「ポリコレ」あるいは「キャンセル・カルチャー」が必ずしも欧米の民衆に支持されている価値観ではないことを伺わせる。
 このことは【日本人絵師達、注目をお願いします!】の中でも、次のように述べてられている。

これを理解してください:この人達は西洋文化の過半数を代表してません。西洋文化の多くはこの様な人達を未熟者、不愉快で日本人作者に対して人種差別的であると思っております。あんな人達は日本の芸術作品に対する西洋の考え方を代表するものではありません。

【日本人絵師達、注目をお願いします!】

 この作者の主張が正しいことをリン氏は浮き彫りにしてくれたとも言えるだろう。……ただしもちろん、リン氏自身は批判を受け入れず、批判者をレイシストだと言い張っているのだが。

参考リンク・資料:

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