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【サンフランシスコ市の公立学校名】

 2021年1月27日、アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコ市の教育委員会が、市内の公立学校名のうち「人種や民族差別、女性抑圧などに加担した」歴史上の人物に由来する名前を廃止すると発表した。
 槍玉に挙げられたのはエイブラハム・リンカーン高校など44校で、市教委の管轄する全学校の約3割にものぼる。

(サンフランシスコ市内にある「エイブラハム・リンカーン高校」)

 これらの学校名に関係する人名は、初代ジョージ・ワシントン、トマス・ジェファーソン、エイブラハム・リンカーンのような歴代米大統領のほか、同市の元市長ダイアン・ファインスタイン(現民主党議員)なども含まれる。
 ファインスタイン氏の「罪状」は、市長を務めていた1984年に「市庁舎から南軍旗を撤去しなかった」というものである。過去に自身が実際に行った差別政策などではなく、過去の歴史を背負ったシンボルの「排撃に加担しなかった」という理由で自身が排撃されたのだ。
 
まさに魔女狩り以外の何物でもない。
 ほかに槍玉に挙げられた元市長には、19世紀末に開設した海水プール施設から黒人を排除した人物などもいるという。

 地域紙『サンフランシスコ・クロニクル』は、市教委の決定過程がずさんであり、専門性を置き去りにした感情優先のものであるという批判の声を伝えている。同市長ブリード氏もその一人で、新型コロナウィルス禍で学校に来られない状況で、当事者である生徒不在の校名変更であることを指摘し、教委の決定を批判している。

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