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【ヴィレンドルフのヴィーナス】

 1908年、オーストリアのヴィレンドルフ村付近で発見された旧石器時代の女性の小像。ヴィーナスと通称されているが約3万年前のものであり、ギリシャ神話のヴィーナス神とは無関係。
 乳房や臀部・腹部が肥大しているのは多産豊穣の象徴と考えられており、これは日本の土偶などとも共通している。
 2022年1月現在、ウィーン自然博物館に収蔵されている。

THE ART NEWSPAPER記事より

 2017年12月、イタリアの芸術家ラウラ・ギアンダ氏がその画像をFacebookに投稿したところ、「危険なポルノ」であるとしてFacebookから削除された。
 これにはギアンダ氏本人ばかりでなく、収蔵するウィーン自然史博物館もFaqcebookに抗議の動画投稿をし、さらにロンドンの美術紙「THE ART NEWSPAPER」が取り上げたことで騒動が拡大した。

ウィーン自然史博物館が投稿した動画のスクリーンショット

ヴィーナスが裸だとして検閲を受けた! 2万9500年間、"我らの"ヴィレンドルフのヴィーナスは、先史時代の豊穣をその輝かしい裸体で表現してきた。フェイスブックは今や、それを検閲し、その取り組みを強めている。我々はこのようなことを受け入れるわけにはいかない。ヴィーナスは裸のままでいるべきだ!

ウィーン自然史博物館の投稿。翻訳はハフィントンポスト記事より

 Facebookではギアンダ氏の投稿を「広告」とみなしており、同社の広告ポリシーでは「成人向けコンテンツ」として「ヌードまたはヌードの暗示」が規定されている。
 ただしこれには「彫刻作品を除く」という例外規定があり、ヴィレンドルフのヴィーナスはこの例外規定に当てはまるとして、2018年3月、Facebookは公式に謝罪した。

 我々の広告ポリシーでは、ヌードまたはヌードの暗示を認めていません。ただし、彫刻は例外です。そのため、当該の画像を使った広告は承認されるべきものでした。
 この手違いについては謝罪し、広告主には当該広告を承認する旨、お知らせしました。

Facebook謝罪文。翻訳はハフィントンポスト記事より。


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