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『月曜日のたわわ広告は「アンステレオタイプ3つのP」に反したのか』2022-04-16
日本経済新聞『月曜日のたわわ』全面広告にかんする、フェミニストの悪あがきが止まらない。
まずは今この問題を初めて知った人の為に、今まで筆者が書いたものを交えて、概略を説明しよう。(知っている方は次項まで飛ばして下さい)
前史
2022年4月4日、日本経済新聞に漫画『月曜日のたわわ』の全面広告が掲載された。これにフェミニストが噛みついたのが発端である。
これをネットメディア『コミックナタリー』がツイートで紹介したことで火がついた。ネット上でフェミニスト達は必死のバッシングを繰り返す。しかし、どう考えても劣勢であった。なにしろ、エロくもなんともない、本当に女の子が見返りポーズで立って微笑んでいるだけのイラストなのだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1650066177707-Z6hmn1VvyJ.png?width=800)
これを叩くのはもはや「ヒステリックな性嫌悪」などという言葉すら通り越して、狂気の沙汰と呼んでよかった。
しかしすでに火がつき、オタクに小ばかにされまくったフェミニスト達は、もはや引っ込みがつかなくなっていた。
広告そのものだけでなく、これを紹介して「炎上」のきっかけとなったコミックナタリー記事の「不安を吹き飛ばし、元気になってもらうため」という広告主の説明も、もちろん何の問題もないものであった(こんな健全な目的があろうか)。
仕方なくフェミニストはこの言葉に「女子高生の体を性的に見て」というフレーズを捏造して付け足すことで叩くしかなかったのだが、当たり前のことだが言うたびに人海戦術で捏造をバラされた。
そこにネットメディア『ハフィントンポスト』が、治部れんげという「専門家」を連れて加勢に現れたのである。
すでにこれまでの幾多のジェンダー炎上事件で明らかになっていたことだが、「ジェンダーの専門家」と「ただのツイフェミ」にクオリティの差は無い。
治部れんげ氏の話も全く論理性に欠けるもので、あえなく惨敗(下記リンクは筆者による突込みだが、ツイッターだけで無数の指摘を受けまくっているにもかかわらず、治部氏は何一つ答えることができていない)
ところが4月15日になって、ハフポストは日経非難の記事を再び掲載した。
なんと、国連が抗議してきた、というのである――少なくとも、その記事のタイトルによれば。
UN Womenは本当に抗議したか
ハフポストの記事冒頭にはこうある。
漫画『月曜日のたわわ』の宣伝のため、性的に描いた女子高生のイラストを日本経済新聞が朝刊の全面広告に掲載した問題で、UN Women(国連女性機関)の本部(米・ニューヨーク)が日経新聞に抗議していたことが4月15日、ハフポスト日本版の取材で分かった。
UN Women は11日付けで日経新聞の経営幹部に対し、今回の全面広告を「容認できない」と抗議する書面を送付。対外的な公式の説明や、広告の掲載の可否を決めるプロセスの見直しなどを求めた。
UN Womenとは、国際連合広報センターのページでは「ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関」と訳されている機関である。
そのウェブサイトはこちらだ。
私はぜひその抗議文とやらの原文を知りたかった。
漫画を広告するだけの一枚の着衣の女の子のイラストに対して、国際連合が圧力を掛けてくるとは、尋常なことではないからだ。
そこでUN Womenのウェブサイトに行き、"tawawa"と打ち込んでみたのである。
![](https://assets.st-note.com/img/1650075348849-aTcqK80CHX.png)
……は? ゼロ? 0件?
日経新聞の正式英題である”Nihon Keizai Shimbun”でも"Nikkei"でも、”koudansha”や作者の"himura"でも駄目だった。
comicと打ち込んでみてさえ日本関連の記事は1件のみ。その内容も”Generation Equality Picture It!(世代間平等について描こう!)”というイラストコンテストの記事で、入賞者のひとりが日本の浅川りかさんというだけの記事だった。おめでとうございます。
![](https://assets.st-note.com/img/1650075608615-7xG6fvAhSh.png)
じゃあ国連女性機関のツイッターアカウント(@un_women)は何か言っているだろうかと検索してみたが...…ない。あるのは日本事務所(@unwomenjapan)という別アカウントのツイートだけだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1650076444583-r4hoccN7PO.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1650130451896-goyRuzAAdi.png)
私の他にもツイッター上で調べた人の声が多くみられるのだが、誰もUN Women本部による日経への抗議の原文を見つけられていないのである。
国連女性機関『月曜日のたわわ』抗議
— 須藤玲司 (@LazyWorkz) April 15, 2022
>UN Women は11日付けで日経新聞の経営幹部に対し(略)抗議する書面を送付。
UN Women 本家サイト:発表なし
UN Women 日本サイト:発表なし
UN Women 本家アカウント:発言なし
UN Women 日本サイト:4/15 13:30発言
日経:発表なし
ハフポスト:4/15 11:21記事 https://t.co/g4JohhxFd6 pic.twitter.com/3xzoYvJ7EN
ちなみにハフポストが4月15日11:21に更新しているこの記事だが、同じニュースを他の主要紙(毎日・産経・読売)がネット記事にし始めたのは午後8時台になってからである。そして朝日は記事にしていない。
どうもこれは最初のハフポストの記事が作られる過程に何らかの誤報が入っており、それを他紙が後追い記事としてそのまま書いてしまっただけなのではないか? という推測をする人もいる。
UNウィメンは彼女なのか?
さて、この記事の後半はUN Women日本事務所の石川雅恵という人物へのインタビューになっており、前回の治部れんげと似たような批判を繰り返している。
そしてハフポストの記事では「UN Women(国連女性機関)の本部(米・ニューヨーク)が日経新聞に抗議していた」とこう書いてある。
しかし、実はこのUN Women日本事務所というのは本部とは異なる。
一般人が名前だけ見ると、国連の一部であるUN_Womenという組織が、全く同じ組織の中で自分達の責任において人を派遣し事務所を置いているように思えるだろう。
ところが、実際には「日本事務所」は、UN Womenが寄付窓口として公認しているだけの民間NPO法人「日本協会」との仲立ちをしている組織らしいのである(参考:内閣府NPOホームページ)。
UN Women(国連女性機関)の公式支援窓口である認定NPO法人国連ウィメン日本協会が「あなたの疑問にお答えします:インドの女性とCOVID-19」と題した記事を掲載しました。https://t.co/vb5vg02vOo
— UN Women 日本事務所 (@unwomenjapan) August 13, 2021
実は公式アカウントには、このことは意図的と思われるほど一般人には非常に分かりにくく書かれている。
![](https://assets.st-note.com/img/1650085258274-OMpXdrbqJo.png)
UN Women日本事務所公式アカウント(@UNWomenJapan)です。@UN_Womenは、#ジェンダー平等 と #女性のエンパワーメント のために活動する国連機関です。
1文目は「日本事務所」について、2文目は本家についてだけ書かれていることがお分かりだろうか。
これが分かりにくいのは第1文が「日本事務所そのものではなくアカウントの説明」、第2文「本家の(アカウントではなく)組織の説明」になっているからである。
つまりここには「アカウント説明」と「組織の説明」が1つずつ書かれているので、組織とそのアカウントの説明のように勘違いしやすくしてあるわけだ。
実は国連がらみでこういうことは結構ある――たとえば「日本ユニセフ」と「日本ユニセフ協会」が全然別の組織であったりするように。
この誤認(あるいは誤導)がハフポストや後続の記事が作られる過程として入り込んだというのは、可能性の一つとして考えておいた方がいいだろう。
「アンステレオタイプアライアンス」とは?
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