【宇宙よりも遠い場所】
2018年に放送されたテレビアニメ。マッドハウス制作。
南極観測に参加する少女たちの努力と友情を描いた物語。
題名の『宇宙よりも遠い場所』とは、元宇宙飛行士の毛利衛氏の言葉「宇宙には数分で辿り着けるが、昭和基地には何日もかかる。宇宙よりも遠い」に由来する。実在の南極観測隊は国家事業であり自衛隊員のみが参加するものであるが、本作中においては民間の南極観測隊が存在し、主人公たちはそこに参加する。
2021年3月、自称【社会学】研究者の川畑一樹が、エログロの深夜アニメで町おこしをするべきではないなる、アニメ町おこしへの浅薄なバッシング記事で批判を浴び、たちまちにしてアカウント削除、逃亡sるうという出来事があった。
その川畑氏が同時期に、【ガーリー・エアフォース】と並べてTwitter上で「放送法違反」呼ばわりしたのが本作である。
川畑のいう放送法違反とは、おそらくは放送法第4条1項2号のことを指していると考えられる。
おそらく川畑氏は「自衛隊が登場するのに、自衛隊違憲論を紹介しないなんて政治的に偏っている!放送法違反だ!」と言いたいようである。
『ガールズ&パンツァー』『艦隊これくしょん』『アズールレーン』などのように、戦い(特に実在の兵器や軍をモチーフとしているもの)を扱うアニメ・ゲーム作品は、しばしば軍事礼賛という言い掛かりをつけられる。
しかしこのように「何かが登場する→その何かへの現実の批判論を描かなければ『政治的に公平ではない』ので放送法違反」というレベルで「政治的な公平」を追求すると、たとえば「女性が活躍する話」もすべてがいちいちフェミニズムへの批判意見を紹介しなければならないことになる。極めて非現実的な基準である。
それでも【ガーリー・エアフォース】はまだ自衛隊が活躍する「戦いモノ」であるが、本作は、南極観測隊参加を目指す少女たちの物語であって「戦いモノ」ですらない。
南極観測という、戦争とは程遠いテーマを扱っているのに、自衛隊が登場するというだけでいちいち自衛隊違憲論に媚びを売らなければならないというのは、それこそ政治的に偏っていると言えるだろう。
参考リンク・資料:
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