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【性教育が不足している現状では】

「~規制は必要」と繋げるための前振り。
 表現規制派の特にフェミニストによって、さも「充分な性教育がなされれば性表現も自由にできるようになります!表現規制はその前の一時避難に過ぎません!あーあ、私たちの本当の望みはそれなのに仕方なく表現規制が必要だなぁ!あーあー!」的な口ぶりで言われることが多い。
 もちろんそんなことは真っ赤な嘘。

 フェミニストの推進する「性教育」というのは、子供たちをフェミニズム思想で洗脳したいというだけのことに過ぎない。
 彼女らの思想や感情に反するような表現を「認めるようになる」可能性など微塵もない。
 ただただ『性教育の不足状態』を表現規制のために利用したいという下心丸出しの発言である。

 しかも彼らはただ性教育の不足を奇貨として利用しているだけではなく、その充実を積極的に妨害しているのだ。

 表現規制派がいかに性教育の充実を本気で志していないかは、50年前に有害な悪書として目の敵にされた代表的漫画のひとつが、手塚治虫による性教育マンガの嚆矢【やけっぱちのマリア】であったことに象徴的に表れている。

 近年でも、2021年には東京都福祉保健局によるキャンペーン【#TOKYO女子けんこう部】が、また2022年には性情報サイト【セイシル】がフェミニストのバッシングに遭っている。何も変わってはいない。

 海外でも事情は同じで、ナディーン・ストロッセンは、アメリカで性教育の授業が「セクハラ」と見なされた事例を紹介している。

 一九九三年、ネブラスカ大学リンカーン校では、男子学生が講師である女性大学院生トニ・ブレークをセクシャル・ハラスメントで訴えた。避妊と性感染症に関する講義をしている際の彼女の行為と発言内容が原因だった。適切なコンドームの使用方法を学生に教えるために、彼女はバナナを使って実演して見せた。。さらにコンドーム着用のタイミングを強調するため。男性はバスケットボール選手のように「射精(シュート)前に漏らす(ドリブル)」という昔ながらの冗談も披露した。ブレークは、避妊とセーフ・セックスという極めて重要な問題について、学生に印象深い教訓を与えようとしていたのである。彼女を訴えた男子学生の主張は、彼女はペニスを「物」として扱い、男性を敵対視する学習環境を作りだしたというものであった。

ナディーン・ストロッセン『ポルノグラフィ防衛論 アメリカのセクハラ攻撃・ポルノ規制の危険性』ポット出版

 またイギリスでも、1994年に保健教育局が出版しようとした青少年向けの性教育ガイド【Your Pocket Guide to Sex】も槍玉に挙げられ、回収に追い込まれている(のちに民間で出版)。

 このように表現規制派は、普段は「規制は望ましくないが、性教育が不足している現状では仕方ない」と猿芝居をしながら、いざ正しい性知識を女性に伝えようとする試みが始まると、いつも慌ててそれを妨害しようとするのである。

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