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起業準備(オフィス契約)



(1)起業時の外部オフィスの必要性

起業時にどのようなオフィスを構えるかどうかは、多くの方が直面する決断です。外部オフィスを利用することには、いくつかのメリットがあります。

  • 信頼性の向上:ビジネスで信用を得るためには、正式なオフィスの存在が重要です。特にクライアントや取引先との信頼関係構築において、オフィスの有無は一つの判断基準となることがあります。

  • プライバシーの保護:自宅を業務拠点とする場合、住所が外部に公開されるリスクがありますが、外部オフィスを利用することで、プライバシーを守ることができます。

  • ビジネス交流の機会:シェアオフィスやコワーキングスペースを利用する場合は、ネットワーキングの機会を提供してくれます。

(2)外部オフィスの種類や特徴

外部オフィスには主に以下の3つの種類があり、各サービスの特徴を理解した上で、自身の事業内容に適したものを選ぶことが重要です。

  1. 賃貸オフィス
    商業ビルの一室やワンフロアを長期で賃貸する、従来からあるオフィス形態です。プライベートな空間を確保でき、会社の成長に応じてスペースを拡張することも可能ですが、賃料や初期費用が高額になる場合があります。

  2. シェアオフィス
    シェアオフィスは、複数の企業やフリーランスが共用スペースを使う形式のオフィスです。低コストでオフィスを持てる上、他の入居者との交流が容易です。反面、プライバシーや静かな環境が十分でない場合もあります。

  3. バーチャルオフィス
    物理的なオフィススペースを持たず、法人登記や郵便の受け取り、電話対応といった最低限の機能だけを提供するサービスです。特にコストを抑えたい起業家にとって魅力的ですが、物理的なオフィスがないため、銀行口座の開設や信頼性の面で不利になることがあります。

各オフィスの特徴

(3)バーチャルオフィスのメリット・デメリット

バーチャルオフィスは、特にコストを重視する起業形態において注目されていますが、メリットとデメリットを理解した上で選択する必要があります。

①バーチャルオフィスのメリット

  • コスト削減:実際のオフィスを持つよりも大幅にコストを抑えられるため、資金を他の重要な部分に回すことが可能です。

  • 契約までの期間が短い:物理的なオフィススペースの準備が不要なため、迅速に契約を進められます。

  • 一等地のアドレスを入手可能:バーチャルオフィスでは、ビジネス価値の高いエリアの住所を利用できるため、信用力の向上に寄与します。

②バーチャルオフィスのデメリット

  • 銀行口座開設時に不利になる可能性:一部の金融機関では、バーチャルオフィスを利用している場合、口座開設が難しくなることがあります。

  • 事業内容によっては開業できない場合も:事業形態や業種によっては、バーチャルオフィスでの運営が認められないケースがあります。

  • 来客対応が難しい:物理的なオフィスを持たないケースが多いため、クライアントとの面談や打ち合わせを行う際に別の場所を用意する必要があります。

このように、外部オフィスの選択は、事業の成長に大きな影響を与える要素です。自分のビジネススタイルに合ったオフィス形態を選び、最適なスタートを切ることが重要です。

(4)賃貸オフィスは不要な時代?

ビジネスの取引やミーティングの場において、顧客や取引先に対して「実在する場所」があることは、安心感を与え、プロフェッショナルな印象を強化します。
例えば、カフェや自宅での打ち合わせでは、信頼性が損なわれる可能性があります。また、従業員を雇用する場合も、オフィスが必要なケースが多いでしょう。

確かにオフィスにはコストがかかりますが、それは長期的には信頼関係の構築やビジネスの成長を促進する投資とも言えます。

(5)まとめ

オフィスは、資金に余裕がある場合には必要な投資と考えられ、信頼性の向上やビジネスの成長に寄与します。ただし、毎月の固定費は負担となるため、事業が軌道に乗ってからオフィスを構えるのも一つの戦略です。
また、オフィスへの投資を通じ、固定費を回収するためにより努力しようというインセンティブにもなります。

一方、オフィスを持つ以外の選択肢として、バーチャルオフィスコワーキングスペース自宅兼オフィスなども有効です。
これらの形態は以下のメリットを提供します。

  • バーチャルオフィス:物理的なスペースを持たず、コストを抑えつつ一等地の住所を使用でき、法人登記や郵便物の受取が可能です。

  • コワーキングスペース:他の起業家との交流やネットワーキングの場を持ちながら、低コストでオフィス機能を利用できるため、柔軟な働き方が可能です。

  • 自宅兼オフィス:コストを最小限に抑え、通勤時間をゼロにし、柔軟な働き方が可能です。ただし、信頼性やプライバシーに課題がある場合も。

これらの選択肢を活用することで、コストを抑えながら事業運営をスムーズに進めることができます。状況に応じて最適なオフィス形態を選び、事業の成長に繋げていくことが大切です。

なお、2024年10月より、株式会社の代表者の住所を登記簿上で一部非公開とする制度が始まります。以下の記事をご参考にしてください。

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