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優しさという鎧を着た抜け殻の話

嫌われるのが怖かった。

陰口を叩かれるのが怖かった。

容姿にも学業にも運動にも自信がない

自分でいる事が嫌になった

だからこう決めたんだ

とにかく優しくしよう

抜け殻のように、うん、うん、と相手の話を聞く

納得できない事があっても、
右から左にすり抜けさせるように

抵抗せず、否定せず、ほどほどの共感と、でも自分の意見、自分の言葉は絶対に口にしないように。

なぜなら共感するような事を言った瞬間、手のひらを返されるようなそんな経験がいくつもあったからだ。

まぁ俗に言う八方美人だ。

多少八方美人ということにそうはなれないやつから非難されることもあったが、ほっておけば自滅していくから何も感じない。

まぁモテた。

大抵の人は他人の意見なんて求めていないを、十分理解した。

ターゲットを次々変えてあの子はどうだのこうだの。
くそほどどうでもいいと思いながらその気持ちがバレないようにひたすら聞いているふりをする。

他人のこと分析する時間があんなら自分分析しろなんて思ったり、暇の極みだななんて思ったり

心の中は自分自身悪口大会だった。

いや悪口大会している段階はまだいい。

次第に心の中の感情さえ何も言わなくなってきた

そうしていつしか自分が消えてなくなった。

肉体だけがそこにあって中身が空っぽなんだ。

自分を生きていないからそりゃ生きる意味だって見失った。

次の日どんなに早くても、夜な夜な朝まで電話したい友人なんていなかった。


気づいたんだ。

1番失ってはいけないものは自分自身なんだ

1番嘘をついちゃいけない相手は自分自身なんだ

自分の声を無視し続けたらいつしか中身なんてなくなっちゃうんだ

そして、優しさをいくら取り繕ったって、中身のない偽物だってことはバレるんだ

中身な詰まった人間になる。
そうすれば自ずと人は集まる。集まるんだ。


中学1年生の頃に学んだことでした。

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