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日記

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2020年3月の記事一覧

街に人がいなくなりSFみたいなことが現実に起きている。”あたりまえ”がすごく不安定の中に存在していたものだと思い知らされる。

どんなに親くとも離れすぎると距離の詰め方がわからなくなる。どちらも煮えきらないまま。詰めれたかなと思った瞬間、時間は過ぎてまた他人として世界に溶け込んでいく。
それでも繋ぎ止めたくて、固く握手した。そうして放り出された冷えた春の夜。苦味とともに歩き出す。

木綿のハンカチーフ

木綿のハンカチーフ

昭和歌謡曲「木綿のハンカチーフ」

幼稚園の送り迎えの自動車の中で母は子どもの歌ではなく昭和歌謡曲をよく流していた。

故郷を離れキラキラと輝く都会に染まっていく男と故郷に残った女。

どちらが悪いわけじゃない。

変わっていく男に女は最後に木綿のハンカチーフをねだる。

小さい頃は明るいメロディが好きで何気なく口ずさんでいた曲は大人になった今改めて聴くと、その明るいメロディが悲しい。

女は男に

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日常とスイーツと事件

日常とスイーツと事件

11年越しに刊行された米澤穂信の小市民シリーズ「巴里マカロンの謎」

私が前作を読んだのは5~6年ほど前であり,それほどの時間が経過していたことに驚く。

登場人物である高校生の小鳩くんと小佐内さんは,「小市民」――平和な学生生活を送るという目的――を達成するため手を組んでいる友達とも恋人とも違う特別な関係。そんな彼らの前に現れる日常の謎を平和にかつ平穏に何事もなかったように過ごすため,彼らは活動

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