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熊本でパーティを

私は週2~3回の早朝(仕事に行く前)、新宿歌舞伎町や新大久保界隈のパーティールームのお掃除をやっている。いわゆる朝活・副業だ。
発端は、父がいなくなった後の地元に残る母が心配なので、帰省頻度を上げるための交通費の足しにしたいという、しごく庶民的なことだったと思う。

「映え」て、ちょっとラグジュアリに飾り立てられたマンションの一室を30分ほど、トイレ掃除やカーペットに掃除機をかけ、ゴミを階下のコンテナに出すなどが一連の流れ。
新宿という土地柄、部屋は散らかり放題なのでは?と当初は不安も抱いていたが、利用者層はママ会や近くの大学サークルの利用が多く(時々動画配信者さん)、拍子抜けするほど清潔にご利用頂いている。
他のスタッフさんの報告を見ると、ビックリするくらい荒れた報告もあるが、どうやら私は運が良いらしい。

2月の寒い時期に始めたので、半年ほどが経過し、一昨日オーナーさん(業務委託たので厳密にいうと業務発注者か)と新宿のビアガーデンに交流会と称し出かけた。

そこで、オーナーさんと話していた時に、私の中にぼんやりと想いが湧いてきた。
地元熊本で、古民家(に限らず)を利用した事業を始めたい。

この想いを手繰り寄せると、「母」に行き着いた。
父が昨年亡くなったことにより、仕事も辞め、家のことをやっていたのだが
春先に「何かパートみたいなのをしてみたいから、探してくれないか」とお願いされ、地元で求人を探したことがあった。
しかし、見渡す限り田んぼしか広がらない、最寄りの地元コンビニ(よろずや)には徒歩10分という環境には、運転免許も手放した70歳の母を求める求人は皆無であった。

これを書きながら、言語化できていなかった部分がクリアになってきた。
ガッポリとお金が入らなくてもよいし、バズらなくなくてもよいのだ。
「古民家カフェで地元のコミュニティの拠点にしたい」という具体的で崇高な理想もない。
(民泊はリネンの清掃もあるから体力的にしんどいし、
それこそ今の副業でやっている「パーティールーム」が色々ちょうどいいのだ。)
そして私はこれを機に、地元に引き返すことも今は考えていない。
あくまでも古民家云々は私にとって後付けであり、母に「役割」を与えたいのだ。

夢というには未だぼんやりしているのだが、確信はしている。
かつて「こんな何もない田舎から出て行ってやる」と飛び出した故郷は
たくさんの可能性を持っている。



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