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【母の日】母の日に、母の怪談

とある怪談作家さんの作品が好きで、YouTubeや著作に触れていたのだが、
ふと思い立って、母の日に、私の母にまつわるエピソードを実話怪談としてお送りした。
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〇〇先生、はじめまして。
都内で会社員をしております、さとと申します。
YouTubeや書籍を楽しく拝見させていただいております。
今回、私の母についてのエピソードをご紹介したく、メールをいたしました。

私は九州熊本から上京し、都内で生活しております。
母はずっと熊本で暮らしており、一昨年の夏に父を亡くしてから、黒柴とふたり暮らしです。

私は幼少期から怪談などの類が好きで、たましいの存在を強く信じていますが、
一方の母はオカルト的世界を強く否定はしないけれど、「あったらいいね」くらいのスタンスでありながら、
母自身、不思議な体験を度々しています。(それを淡々と報告してきます)

いくつかある中で、最近で一番強烈だったエピソードをご紹介します。

■一昨年の夏に父を亡くして、母は数カ月気落ちをして、どこにも外出をしなくなりました。
黒柴を飼っているので、黒柴と車で少し家の周りをドライブするのが、当時の唯一の日課でした。
そんな中、1月のお正月が明けたくらいの寒い日の夕方、
私のケータイに見知らぬ番号から着信があり、出てみると、熊本の実家の管轄の警察からでした。
何事?と話を伺うと、山奥の公園の道端で、犬の散歩中と思われる母が倒れているのが発見されたとのことでした。
その電話時には、事件性も考慮してパトカーや救急車が到着し、一時は辺りが騒然となったとのことでした。
病院に搬送され、検査を受けた結果、母の脳に軽い脳梗塞の痕が発見されましたが、
その他は特に致命傷的なものは発見されませんでした。
■ただ、母が発見された経緯には謎が未だに多いのです。
発見された山の公園は、自宅から15キロほど離れた、鬱蒼とした山にあります。
また、歴史的にも、近代の城よりも更に古い古城跡の公園です。(宇土古城)
https://ja.wikipedia.org/wiki/宇土城
母は、宇土古城の記載にある「城破り(城自体の命を絶った史跡)」と言われる禍々しい史跡のまさに傍らで倒れていたそうです。
そして、母の記憶で
「なぜそんな遠くにわざわざ車を走らせて、山奥の公園に冬の夕暮れに行ったのか」
「そもそも、なぜ行こうと思ったのか」
警察や救急隊員の質問に、自分の名前や住所はハッキリと答えられたのに、そこだけが見事に空白だったそうです。
■また、私に電話をしてきてくださった警察の方に聞いたのですが、
母を発見したのは、近くをたまたま巡回していた警察官で
(田舎中の田舎なので、都会のように至る所をパトロールしているようなものでもなく)
本当にたまたま近くを通りかかった際、中年男性が「●●公園に人が倒れている」と教えてくださったとのことです。
ちなみにその方はその場をすぐ立ち去られた(姿がなかった?)とのことで、その方は誰だったのかも謎です。
警察も当初は事件性を疑ったので、大騒動となったのですが、その後特に事件性もないと判断された次第です。
■あれは誰だったのか?に関しては、父だろうねと姉弟で話しています。
今でも「昨日、お父さんが農作業服着て、玄関に立っている夢を見たよ。帰ってきてるのかもね」と母にLINEで伝えると、
「夜中に玄関が開いて、シャワー使ってる音が聞こえたから知ってる」とサラリと答える、そんな母です。

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