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「ひとりの時間」で考えた選択肢は、たとえ不安を感じていても大切にする

こんにちは、ひとり好きのチロです。

「内向的・隠居・幸福感」をテーマに、ひとりでいることが好きな方に役立つ情報を発信しています。

今回は、
「最良の選択は、ひとりの時間から生まれる」
という考え方をお伝えしていきたいと思います。

自分の中で答えを出したいとき、他人から離れて、ひとりでじっくり考えたいと思う方も多いでしょう。

同時に、人生における転機や重要な選択の場面では、自分で考えることが不安になり、他人に意見を求めることもあるかと思います。

しかし、他人と相談する、話し合う、という方法は、ときに自分の判断を鈍らせてしまうこともあります。

そこで今回は、いくつかの実験を紹介しながら、「ひとりの時間」で考えた選択肢の大切さを解説していきたいと思います。

「ひとりの時間で考えるのは好きだけど、決断に迷いが残ってしまう……」

そんな方は、ぜひ、今回の記事を参考にしていただけると嬉しいです。

項目の4.「ひとりの時間」で考えた、本心からの答えを大切にする
にて、自分の選択肢が不安な場合の考え方を解説しているため、

この部分だけでも読んでいただけますと幸いです。


1.他人からのプレッシャーは、あなたの考え方を変えてしまう

最初にお伝えしておきたいのが、

他人の意見、特に集団の意見は、あなたの考え方そのものを変えてしまうことがある

ということです。

たとえば、あなたが「今の会社から転職したい」と考えているとしましょう。

親に相談すれば、

「せっかく頑張って内定をもらったんだから、続けてみなさい」

と言われるかもしれません。

友人たちに相談すれば、

「今の会社は給料が高いんだから、辞めるのはもったいないよ」

と言われるかもしれません。

こういった答えが返ってきた場合、どうしても「じゃあ辞めないほうがいいのかな……」と思考が偏ってしまいますよね。

なぜ、こういったことが起きるのでしょうか?

2つの研究を紹介したいと思います。

2.集団心理の危険性に関する研究

ソロモン・アッシュの研究

心理学者のアッシュは、学生の被験者を集めて、以下のような実験をしました。

①学生をいくつかのグループに分けて、以下の問題に答えさせました。

※画像は、あくまでイメージです

答えはもちろん、Bです。

その後も、いくつかの簡単な質問を答えさせましたが、95%の学生が全問正解でした。

②次に、グループの中にサクラ(問題をわざと間違える人)を複数仕込んで、まったく同じ問題を出しました。

もちろんサクラは、間違った答えを声高に主張します。

「Xと同じ長さの線は、Cです!」

といった具合に。

すると、①とまったく同じ問題であるにも関わらず、全問正解者の割合は25%にまで低下してしまったのです。

つまり75%の学生が、サクラの学生に影響されたせいで、少なくとも一つの問題において間違った答えを出してしまった、ということです。

グレゴリー・バーンズの研究

2005年に、神経科学者のバーンズは、アッシュの実験の最新版を行いました。

19~41歳の男女を対象に、以下のような実験を行ったのです。

①被験者に、以下のような問題を出しました。

※画像は、あくまでイメージです

ひとりで判断して答えた場合、正解率は86.2でした。

②この後、バーンズの実験では、「集団で自分以外の全員がもれなく間違った答えを選ぶ」という状況を作りました。

「自分は『同じ物体になる』、と答えているのに、他の全員が『同じ物体にならない』と答えている……」

といった状況ですね。

この場合、正解率は59%まで低下してしまいました。

3.他人のプレッシャーに負けずに考える

2つの実験で紹介したように、人間は、つい他人に同調したくなる性質を持っていると言えるでしょう。

自分とは異なる意見の人が増えるほど、その意見に従いたくなります。

しかし、どちらの実験においても、サクラに引っ張られることなく正解を選んだ人は複数人いました。

この人たちは、周囲からの影響に負けることなく、自分の判断を信じた、ということです。

そして、バーンズらの研究によって、興味深い発見がありました。

正解した被験者の脳内では、扁桃体が活性化していた、ということです。

扁桃体は、拒絶されることに対する恐れや、目の前の危険に対する回避を伝える働きを持っています。

つまり、

「この選択をして、他人から変な目で見られたらどうしよう……」
「こっちを選んで、他人から攻撃されたらどうしよう……」

といった恐れを抱きながらも、自分が正解だと思う選択をしたんですね。

ここから分かるのは、不安や恐れを抱いているときほど、正しい選択を選ぼうとしている可能性が高い、ということです。

「この選択をして、他人からどう見られるか気になる……」
「この選択をして、失敗をしたらどうしよう……」

と考えてしまうときほど、むしろ、その選択はあなたにとって本心から出ている答えだということです。

4.「ひとりの時間」で考えた、本心からの答えを大切にする

ここで、最初の悩みに立ち返ってみましょう。

あなたが「今の会社から転職したい」と考えている場合の例です。

親に「せっかく頑張って内定をもらったんだから、続けてみなさい」と言われたとしましょう。

友人に「今の会社は給料が高いんだから、辞めるのはもったいないよ」と言われたとしましょう。

しかし、そもそもあなたは、なぜ「転職したい」と思ったのでしょうか。

もしも、あなたが「人間関係で悩んでいるから転職したい」と考えているのであれば、こういった親や友人の意見は、あなたの考え方を変えてしまっている可能性があります。

もともと、あなたは

「頑張って得た内定を手放すのはもったいない」
「給料が低くなるのはイヤ」

という考え方は、持っていなかったはずなのです。

しかし、漠然とした不安を解消したくて他人に相談した結果、自分が本来考えなくてもよかったことを、考えてしまうことになります。

「頑張って得た内定を手放すのはもったいないから、転職は辞めておこう……」
「給料が低くなるのはイヤだから、転職は辞めておこう……」

それは、あなたにとって、本当に大切なことなのでしょうか?

「頑張って得た内定を手放すのはもったいない」
「給料が低くなるのはイヤ」

という考え方は、本心から出たものでしょうか?

違うのであれば、ぜひ、最初にひとりで考えた意見を大切にしてみてください。

もしも、人間関係にツラさを感じているならば、その本心を優先していいはずです。

「でも、その人にお世話になっているんでしょう?」とか。

「でも、優しい一面もあるんじゃないの?」とか。

そういった他人の意見に耳を傾ける前に、「自分は心の底でどう思っているんだろう?」という本音に耳を傾けてみましょう。

「仕事でキツい言葉を浴びせられる……」
「この人のこういう部分が、どうしても尊敬できない……」
「いつも仕事を押し付けられる……」

自分としっかり向き合ってみると、こういった本音が出てくると思います。

そして同時に、「でも、やっぱり転職するのは不安だ!」という感情も湧いてくると思います。

それなら、その不安が、あなたにとっての強い本心です。

先ほどの実験で紹介したように、不安であるということは、その答えはあなたにとって本心から出ている答えです。

不安だから、と目を背けるのではなく。

他人に合わせた方が安心だから、と同調するのでもなく。

ひとりで考えた自分の考えを、まずは大切にしてくださいね。

5.まとめ

それでは、今回の内容をまとめていきましょう。

・他人の意見は、自分の考え方そのものを変えてしまう場合がある

・不安な選択肢ほど、自分の本心から出た答え

・他人の意見を聞いて安心する前に、まず「自分は本当はどう思っているんだ?」という本心と向き合う

今回は、この3点がポイントになります。

今後も「ひとりの時間」を充実させる情報をどんどん発信していきます。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました!


参考書籍:内向型人間が無理せず幸せになる唯一の方法 スーザン・ケイン著

読んでいただきありがとうございます!皆さんの「ひとり時間」が良いものになりますように。