発展途上の小見洋太:2022 J2 第32節 アルビレックス新潟×ロアッソ熊本
若武者小見洋太の一発で決めた熊本戦。前節は似たような形から決めきれなかったし過去数試合で決定機で弱気になってしまったシーンが散見されたが今回は一発で決めた。偉い!
ということで、この試合のMOMにも選ばれた小見洋太について記録しておこう。小見については以前にも記録を残していたりする。
大外に張って斜めに走り込むアタッカー
小見の適正ポジションは現時点でハッキリとしないが、試合に出る時は左サイドを主戦場とするアタッカーとなる。
新潟の左サイドアタッカーと言えば至恩だったが、ベルギーに旅立ってからは伊藤がトップ下兼務のような形で何試合か出場していた。そして、この度純粋なアタッカーである小見がスタメンを確保しつつある。
基本的な動きとしては大外に張っていて、そこからスペース目掛けてダイアゴナルランで全力疾走するか大外でボールを受けて味方とのコンビネーションで崩しという形が多い。ドリブル突破はそこまで多くない。
この試合でのゴールはピッチ中央からハーフスペースを全力疾走して守備の背後からゲットゴールという形になるが、前節では大外から斜めに走り込んで守備の背後からシュートというプレーが印象深かった。インタビューでは高校時代から得意だったプレイとの発言あり。
この斜め走りから守備の背後を突いてゴールというシーンが生まれる日はそう遠くないと思っている。斜め走りではないが、前半30:05の谷口ロブパスを反転ターンから中央裏抜けでシュートまで持っていったシーンも熱かった。うまくヒットしてゴールしようものならベストゴールにノミネートされたと思う。
攻撃についてまとめよう。
ここ2試合を見る限り、小見のストロングは斜め走り(ダイアゴナルラン)などを織り交ぜた守備の背後を突く裏抜けということになる。その裏抜けにラストパスを出す役割として伊藤などは非常に相性が良いのではないだろうか。伊藤×小見のコンビが爆発する日を楽しみにしています。
課題の多い守備タスク
攻撃のストロングが見えてきた小見だが、守備には課題が多い。
本人曰く守備は良くなってきているとのことだが、クオリティとしては現時点で観る者を満足させることはできていない。
ボールを奪われたら即442ブロックの担当ポジションに戻る対応は教えを忠実に守る優等生のように爽やか爆発であるが、その後のプレスの掛け方に課題が多い。
小見のプレス、熊本の戦術的なワイド・ポジショニングを差し引いても効果的に掛けられているとは言い難いし、ブロックでパスコースを消している訳でもない。ボールホルダーに対して距離が離れすぎていて効果的なプレスを掛けることができていない。
小見は守備時のボールに対する反応が攻撃時のそれと比べて鈍い印象があるし、プレスが間に合わず痛い場所にスパスパと余裕でパスを通されてしまうシーンも多い。
これらは高強度のプレッシングに必要な距離を掴めていないことに起因しているんじゃないかと思うので、たくさん試合に出てこの辺りをアジャストしてくれれば!など、有り余る伸び代には超期待している。
そんなこんなでワンタッチパスに翻弄されまくりでワンタッチプレイをやられると何もできないのが現時点の小見。若さに任せてガッ!と当たりに行っても良いんじゃないかな?おとなしすぎやしないかな?というコメントを残すことになるが、最終ラインまでスッポンマークするのは得意なんです!みたいな本人の自覚ありそう。
などなど、プレス緩いなぁ… なんて見ていると超スピードに乗ってフリーランで駆け上がる相手を最終ラインまでスッポンマークしたり、最終的に巡り巡ってマイボールにしてしまったり、ピッチ中央でインターセプトしたりもする。セオリーなプレスは苦手だけどピンポイントな守備タスクは得意なんだろうか。
このように、とにかく守備の品質が安定しないというのが小見の課題となる。
とはいえ、まだまだプロ2年目の小見洋太。
守備も攻撃も課題をクリアしながら成長して活躍する物語を見ることができるのは継続して見続けている新潟サポーターの特権なので、全力発展途上の小見洋太をこれからも楽しみにしております。
オープンチャットでのリアルタイム試合解説
試合開始前
デンが当然のようにスタメンに名を連ねています。前節のパフォーマンスを見れば当然ですが。
選手も徐々に復帰してきた結果として伊藤松田が控えにいます。この2人で交代ブーストという流れを作ることができますが、ブースト不要という試合展開にしてもらいたいです。
千葉谷口は久しぶりの出場でパフォーマンスが出るかどうかはわかりませんが、スワンでキャノン炸裂というのは見たいですね。
デンのプレイ解説を書きましたので試合前の予習としてどうぞ。
熊本は順位が好調ですしやっているサッカーも独特すぎるので今日は何が起こるか本当にわかりません。
前回対戦時には結局どういう仕組みだったのか理解出来なかったので今日は熊本の仕組みを中心に観てみようかと思います。
サイドでワチャワチャしながらサイドチェンジが基本だと思うのですが、それならあんなエキセントリックな陣形にしなくても… というところが本当に理解出来ないのですが結果ぎ出ているので間違いなく仕組みが確立できているのです。
大木サッカーは岐阜の時もエキセントリックでしたので、「変で強い」という面白いサッカーに期待しています。
新潟は攻撃だけが流動的ですが熊本は攻守共に流動的なので、どんな試合になるか本当に読めません。
(熊本の河原は)攻撃的パス供給型のアンカーという感じでしょうか。噛み合わせとしては高木になるので河原に自由を与えないようにという必要があるでしょうか。
前半終了時
これは戦術を楽しむというよりはクオリティの高い22人のボールを巡る戦いを楽しむという、サッカー楽しいな!という試合です。これは何も考えずに観ていたい試合です。
熊本の戦術的には超ワイドにボールを置いて守備を広げさせてから中央の河原か最前線の高橋竹本にお返ししますという感じです。DAZNのデータだと右サイド78%と矢印が突き抜けています。
熊本はパスを繋ぎますがショートパスというよりはミドルレンジのパスをキッチリ繋げてきますね。
新潟の守備はボールから15mに複数人を配置して引っ掛けたらセカンド回収ですので、ワイドに広がった状態で複数人がボールに釣られるとどこかにスペースが空いてしまいます。新潟もそれは理解しているので我慢我慢でピンポイントで寄せに行って上手く奪えています。
熊本の守備は全力マンツーなんでしょうか。出足がメチャクチャ速すぎて新潟じゃなかったら引っかかりまくりではないでしょうか。前5人と後ろ5人は結果的に分割されている印象です。
小見のゴールシーンは良かったですね。前節も何度か同じ形で走り込んで惜しいシーンがあったので、この全力斜め走りは小見の代名詞になるかもしれません。
後半は熊本の体力がどこまで持つかというポイントがありますが、最後までこの強度で楽しませてほしいです。
試合終了
新潟強いですね。交代ブーストの松田も効果的でした。
試合展開としては後半開始の5分間、とにかく熊本にサイド密集作られて狩られてカウンター受けてを繰り返していましたが自分達で修正して強気のパスやドリブルでの中央突破で熊本の守備を散らします。
熊本は65分以降流石にガス欠で交代で対応しますがスタメンほどの強度は出せずに新潟が主導権を握りました。
それでも熊本はスタイルを変えずに戦ってきましたのでリスペクトでしょう。スタイルのぶつかり合いのナイスゲームでした。
最後の方は主審がコントロールを失いかけてハラハラしましたが無事に試合終了して良かったです。
インタビューで小見が自身の守備の不出来を言っていましたが、相変わらず押し込まれるとフラフラしてボールか人かハッキリしない動きをしてしまいますね。本人も自覚はあるでしょうからそのうち改善されるでしょうか。
谷口は力強い推進力でした。これは新潟の偉大なるストライカーです。
デンは完全にスタメン定着しそうですね。足下が上手すぎてJ2ではチートです。
デンはJ2のレベルではないですね。本当に今まで稼働できなかったんでしょうか。
サイドでは松田が良く効いていました。以前まで65分以降ガス欠で動けなくなっていましたがブースト要員が最適なのかもしれません。
「これでわかった!サッカーのしくみ」をコンセプトにアルビレックス新潟の試合雑感を中心に書いています。