『ピンク=女の子』にモヤモヤした話


父の発言にモヤモヤ

それは何気ない夕飯の時だった。
たまたまご近所さんのお話になり、幼稚園時代からの友人宅のお子さんが車を購入したという話題が出た。

父「○○さん家の新車って△△ちゃんの車?」
母「そうみたいよ」
父「やっぱりそうか! だってあのピンクは『ザ・女の子』って感じだからね!

太字で示した言葉に、私は違和感を覚えた。
あのピンクというのはパステルカラーのような淡いピンク色のことだと思う。
それが父曰く『ザ・女の子の色』だと言うのだ。

『それがなんだ。父の言うことは正しいよ』
そう思う人も中にはいるだろう。
でも、私は声を大にして言いたい。

『ザ・女の子の色』なんてない! と。

男の子がピンク色を好きでもいいじゃないか!

『女の子はピンク』はもう時代遅れだろう。
これからは『自分の好きな色は自分が決める』時代だ!

『女の子=ピンク』
これはきっと数十年前から世の中に定着した固定概念だろう。
それが今日までずっと『当たり前』として受け継がれてきたことは間違いない。

でも、必ずしも女の子だけがピンクを好きだと言える時代だろうか。
多様性と言われる現代、多様なあり方があるべきだ。

好きな色だって、十人十色であるべき。
それを勝手に「女の子だからピンク」と決めつけることは違うと思う。

LGBTQの人がいることで、あなたに何か損害がありますか?

男はこうあるべき
女はこうあるべき
男と女以外は有り得ない
一人ひとりに『与えられた性別』でその人の在り方が決まってしまう社会

『私は男性と言われたけど私自身は女性でありたい』
『僕はみんなから見たら女性らしいけど本当は男性でいたい』
『私は男性でも女性でもない』

これらの思いをカミングアウトしたら、徹底的につぶす社会の人たち。
『気持ち悪い』『ウザい』『生きる価値無し』

私は思います。
なぜ他人のアイデンティティを潰そうとするのですか?

他人のアイデンティティを潰してまで、あなたの尊厳とやらを守りたいですか?
あなたの周りにLGBTQの人がいると、あなた自身のいのち・暮らしに何か損害でもありますか?
もしあなたのアイデンティティを傷つけられたら、あなたはどう思いますか?

他人のアイデンティティを潰すことは、他人からの信頼を失うことに繋がるはずです。
周りにLGBTQの人がいても、あなたの生活基盤が壊されることはありません。
『女性トイレに身体は男性・心は女性の人が入ってくるかもしれない』というデマが流れていますが、そんなことはありません。

あなたのアイデンティティ、つまり自我を傷つけられたらショックですよね?
彼らはその思いを何十回、何百回、いや何千回と繰り返しているはずです。

ピンクの話からずいぶん飛躍してしまいましたが、私はただ弱者たちが傷つかなくていい社会を創りたいだけなんです。

社会を変えるなんて簡単じゃない

私はピンクの話が出た後、そのことについて父へ反論をしていません。
というか、できないんです。

父はとても厳しい人です。
市民運動に参加していることも良くない目で見ています。
声をあげることで家族を傷つけないか、とても不安になりながらも、私は声をあげています。

社会を変えることは簡単じゃありません。
でも、まずは身近なところから変えたいです。

それは決して楽な道のりではありません。
ああ言えばこう言う、私は全ての反論に対抗できていません。
でも、まずはせめて家族から認識を変えていきたいです。

とりあえず、次の週末に父が似たような話をしたら、反論してみようと思います。

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