安倍政権の憲法違反を集めたら一冊の本ができたらしい~「檻を壊すライオン」~
第二次安倍政権ってこんなに恐ろしい!?
「第二次安倍政権の憲法違反を一通り集めたら一冊の本ができました」
「檻の中のライオン」講演会で聞いた衝撃の事実。
その内容が気になったので早速読んでみた。
タイトルは「檻を壊すライオン」
「檻を壊すライオン」
著者:楾大樹(弁護士)
2020年11月1日 かもがわ出版
私の手元にあるのは2022年9月30日発行の第3刷だ。
「檻の中のライオン」ほどではないがこちらも人気の書籍のようだ。
さて、本書の感想を述べていく前にひとつお願いがある。
本書は「檻の中のライオン」を読んでいた方が理解が深まる。
まだ「檻の中のライオン」を読んだことのない方はぜひ読んでから戻ってきてほしい。
また、本書は秋に菅政権並びに岸田政権の憲法違反をまとめた改訂版が出る予定だと、著者・楾大樹さんのFacebookで告知されている。
改訂版には初版に掲載されている「改憲」の話がカットされるらしいので、初版を買うならお早めに!
さらに、本記事を執筆中に衆議院議員選挙を10月15日公示、10月27日投開票で行うと自民党新総裁・石破氏が表明したそうだ。
「支持率が上がっている今のうちに解散したほうが『得策』だ」という報道もあるようだが、果たして時の政権を握る政党の都合で解散して良いのか?
憲法違反は連続ドラマ!?
本書は各テーマごとに憲法の条文を紹介した後、実際にあった時事問題について問題提起をしている。
あくまで「問題提起」であることから出来事に対してはっきりと「賛成」「反対」を示していない。
そして、本書の内容は「今日」に続いている。
楾大樹さんの講演会では「時事問題は連続ドラマのようなもの。今ばかり見てもわからないことが多数ある」と出る。
それは、最近政治に興味を持った私にとって大きく刺さった。
「今」を見てもわからないことが「過去」を見ると少しずつ理解できる。
本書を読んでより鮮明に、確信になった。
項目は「立憲主義」「民主主義」「権力分立」「平和主義」「基本的人権」「改憲の作法」「不断の努力」に分かれている。
特に「平和主義」「不断の努力」の項目が良かった。
例えば「PKO協力法」というのを耳にはしていたが、実際の内容を全く知らなかった。
「不断の努力」については本当に何もしていないと痛感した。
「忙しい」と言い訳して国会をちゃんと見ていないし、政治の「監視」という重要な役目を果たせていないと思った。
選挙は(無投票になったものを除いて)毎回投票しているからいいと思っていたが、投票して野放しにするのは違うと思った。
国会議員を野放しにしていてはやりたい放題になってしまうと改めて感じた。
それに、本書は私が幼くて知らなかった出来事もたくさんあった。
第二次安倍政権の時、私は小学生~中学生というまだまだ幼い時期だった。
だから本当に知らないことが多いし、「知らないけど別に今はもう関係ないでしょ」と通り過ぎていたことばかりだった。
第二次安倍政権を知らない人に読んでほしい、そんな素晴らしい一冊だ。
(まあ内容は結構恐ろしいことだが)
そして、これを執筆している段階(2024年9月30日)ではまだ改訂版が出ていない。
初版を手に入れた方はぜひ「改憲の作法」を読んでほしい。というか初版も秋に出るらしい改訂版も両方手に入れてほしい!
「改憲するorしない」という結果だけにこだわりすぎている今日、改憲の作法を伝えているメディア・政党はいるだろうか。
「変える」「変えない」という結論だけを議論していないか。
訴えは「憲法とは何か」「改憲の作法」が最優先ではないか。
そして、今言われている改憲案は「憲法という権力者を縛る檻を権力者自ら柔らかくする」というものだ。
改憲の作法はぜひ、本書を読んで確かめてほしい。
故きを温ねて新しきを知る。時事問題も同じ!
「故きを温ねて新しきを知る」ということわざがある。
時事問題もまさにその通りだと感じた。
連続ドラマの途中から見ても、何が起きているかわからないのと一緒で、時事問題も発端から知らないと理解ができない。
第二次安倍政権の問題を知らない人も、知っている人も、ぜひ読んでほしい。
案外知らないこともあるかもしれない。
そして、本書は楾大樹さんがコロナ禍で講演会が全滅した際に執筆したものらしい。
さらに言えば、ある「出来事」を見越してつくられたそうだが……。
それはまた、別の本があるのでまたの機会に取り上げたい。
でも、それを読む前に「檻の中のライオン」及び「檻を壊すライオン」を読んでほしい。
あと、余裕があれば「檻を壊すライオン」の著者プロフィールに目を通しておくといいかも……。
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