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反省しないで内省(リフレクション)しよう#45

私たちは問題や何か良からぬ事が起こったとき、
あの時はすればよかったと反省したり、自分以外の人に反省を促したりします。

しかし、反省するとまず凹みますヽ(;▽;)ノ
そして自己嫌悪になることもあります。

さらに他人に反省を強要することの有害性について過去の私の本のレビューをもとにまとめさせていただきました。

それでは失敗や過ちがあった時、反省も何もしなくてもいいのか?という疑問についてのは、最近知った言葉、「内省」(リフレクション)です。

どうぞお付き合い下さい。

いい子とは何か

以下は私が以前Facebookに投稿した「いい子に育てると犯罪者になります」レビューの転載になります。

ここで言う「いい子」とは「反省したように見える」いい子です、、。

「いい子に育てると犯罪者になります」

最初はとんでもないタイトルだと思ったのですが、圧倒的説得力で私の人生に残る1冊になりました。

この「犯罪者」になります、と言うのは比喩ではありません。実際に刑務所や少年院に赴き犯罪者の心一人ひとりに丁寧に向き合った著者だからこそ書ける本だと思います。

犯罪者や少年院に入る少年を批判的に見るのではなく、1人の人間として丁寧に寄り添っています。だから簡単に書ける本ではないと思うのです。

著者は立命館大学の教授もされていて、犯罪者の反省文の中の言葉や生い立ちから「本当の気持ち」や犯罪に至る心理に陥った真因を学生に考えさせています。

これだけ人の心に向き合えるのはすごいことなので、この著者の講演会等があれば行ってみたいと思ったのですが、残念ながら著者はこの本が刊行される前に病気でお亡くなりになっていて巻末には出版社からの言葉が添えられていました。

反省させることが再犯防止につながるか

まず本書では批判的に少年院の再犯率を指摘しています。更正を目的とする少年院なのに4割近い少年が犯罪に舞い戻ってくると言うことです。

反省していないんだろう?とか甘い環境にいたんだろう?思う人が多いかもしれませんが、意外にも全く逆で、少年院でのルールが非常に厳しく、私語は一切禁止、抑圧された環境で「反省」を強要させることが問題だと言うのです。

反省したフリをするのがうまくなる

これは同じ著者の著書「反省させると犯罪者になります」でも同様の指摘をしています。

反省させると人は反省したフリが上手くなります。抑圧されたり自分の気持ちを素直に吐き出せる場がないと、人は鬱屈した気持ちをため込みます。それが爆発して、最悪の場合は犯罪を起こすことにもつながると言うのです。

またため込んだ鬱憤は悪い仲間達と共有してもっと悪くなると言うのです。
少年院に行くともっと悪くなると言うのは保護司をしている私の父も言っていました。

しつけより愛

あとこれは想像に難くないかもしれませんが、犯罪を犯した人の生い立ち、育ちを見ると、愛されなかったり傷ついていたりした人の確率は100%であると言うことです。

育ちと言うのは家が金持ちか貧乏かとか躾がきちんとされているかとかではなく「愛情」に関する育ちです。

しつけという名の下、大人の都合のルールを押し付けられたり、大人が忙しく大変そうで構ってもらえないとき子供は自分を押し殺しておとなしい「いい子」になります。

しつけより愛

愛情飢餓状態になった「いい子」は犯罪者にまでならなくても、引きこもりやいろいろな不幸の原因になります。

「べき論」に基づくものが反省

話は変わりますが、最近はモンテッソーリ教育が流行っていて、ルールを守らせたり「べき論」で語る教育よりも、子供目線で自由闊達に好きなことをやらせる教育が見直されていますね。

他方、大人の世界では何か問題があれば徹底的に叩きのめし「反省」させ、まるで屍にムチを打つように反省している人をさらに叩きのめすような傾向があります。

反省する・させるの根底には、この「べき論」が存在し、それがはまらない場合は「反省」の対象になる。反省しない奴はけしからん、という構造になっているのだと思います。

反省強要社会

反省の仕方の上手い下手が明暗を分ける?

日本は間違いなく反省強要社会に向かってしまっていますが、せめて自分の子供には大人のあるべき論を押し付けるのではなく、自分を開示できるだけの愛情を注いであげたいと思いました。

反省と内省

先程のチャプターまでは、3年前に私が【いい子に育てると犯罪者になります】をネタ元に書きましたが、いかがだったでしょうか。

【反省強要→反省したフリ】と言う構造は、日本の至る所で起こっています。

また反省を強要されなくても、何かコトが起こったとき、「反省しなければならない」「反省が足りないのではないか」という気持ちに駆られることがあります。

しかし、それは自分自身に対して反省を強要しているだけだと思うのです。

では反省に変わるものは何かと言うと内省です。

反省と内省の違いはGoogle検索でトップに現れたものはこのように説明しています。

反省は、悪かった点について自分の考えや言動を振り返り、何が悪かったかを理解したり周囲に伝えたりするために行うものです。

一方の内省は自分自身と向き合い、よくなかった点だけでなくよかった点や自分の潜在能力に気付くこと、今後どうすればよいのかまで考えることを指します。

内省・リフレクション・振り返り

内省とはリフレクションとも呼ばれ、また日本語の言い換えでは「振り返り」と表現することが多いです。

「振り返り」ないしはリフレクションは、ビジネス用語ともなっていてリフレクションだけで1冊の本になるほど、奥深いので、リフレクションの深堀についてはまた別の回に預けたいと思います。

まとめ

悪かったところにだけ焦点を当て「べき論」で見た時の欠落部分のみにフォーカスするのが反省

よかった点・悪かった点を総合的にみて自己理解を深めるのが内省

自分や他人に反省を強要することなく内省力を高めていきたいと思います。

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