コロナ禍1年経過

コロナ禍も一年を越えました。
昨年1月ぐらいから始まっていましたが、2021年4月に最初の緊急事態宣言が出て、社会生活がガラリと変わってから約一年です。
今また第四波で、東京は蔓延防止措置の適用中、大阪には緊急事態宣言が出るかという時ですが、一年ほど低空飛行で演奏活動やその他の仕事をする中で、よく話題に出たり聞かれることをまとめます。



・ライブハウスにお客さん来てるの?
人数制限と時短の中でライブを開催していますが、体感的にはお客様は以前の半分以下です。コロナ禍が始まって以降、お会いしていないリスナーの方も沢山います。
最近、私のライブは人数制限の中での満席が多いですが、それは私がライブ本数を絞っているからです。定期的に出演している長くお世話になっている小さなライブハウスが沢山あり、今はできるだけそちらの力になりたいということと、状況が不安定でキャンセルする可能性もあり、あまり沢山演奏を入れたくないということがあります。

お越しになるお客様は、皆さん気をつけて来て下さる方ばかりで、皆さんマスクもしてらっしゃいますし、酔っ払って大声で喋るとかは自分のライブでは見たことがないです。
大変なのはお店で、行政の対応が変わるたびに、ミュージシャンと開演時間の変更の相談、一般への告知、フライヤーの作り替え、予約者への連絡など、仕事がかなり増えています。
中には飲食店として届出をしていない形態のお店もあり、そういうお店には時短の協力金は出ません。しかし周りが時短なら合わさなければということで、我慢して時短しているお店もあります。

歌手と管楽器奏者以外は、マスク装着で演奏するのが当たり前になりました。


・時短ってどんな感じ?
普段は20時演奏開始のところ、20時閉店のスケジュールで演奏しているので、最初はその消化不良感に戸惑いました。普段なら「リハーサルが終わって、これから本番!」という時間に「お疲れ様でした〜」と帰る感じです。
それも今は大分慣れましたし、可能な時はなるべく昼にライブを入れるようにしています。
時短も、都心ならまだお客様に来て頂くことが可能ですが、横浜とか埼玉とか少し離れただけで、18時演奏開始だとかなり厳しいです。時短ライブが成立するのは、都心だけだと思いました。
ちなみに、4月の頭の時点で、都内のお店で時短協力金を貰えているのは12月分までという状況で、給付の遅さに怒りを感じています。これだけ遅かったら、その間に体力が尽きてしまいます。


・ライブ配信は収入になるの?
お店のライブ配信は、有料のものと無料(投げ銭)のものとありますが、有料で設定すると見る人が少なくなり、無料で設定するとお店と音楽の価値を安売りすることになるので、どちらを選ぶか非常に難しいようです。有料の場合、有料プラットフォームを使い、著作権使用の手続きをきちんと処理すると、残る利益はあまり多くはならないので、多数の方が見て下さらないとなかなか厳しいようです。

私はYouTubeで月一回無料配信(投げ銭)をしています。元々は自分のモチベーションを上げるために始めましたが、ライブに来ることができない方も多いですし、ツアーにも行けなくなったので、活動窓口と思って続けています。この一年で頂いた投げ銭は、機材費や必要経費、手伝ってくれるテクニカルディレクターへのお礼以外は、ほぼ全部自分のトリオの録音のために使わせてもらいました。


・レッスンは普通にしているの?
昨年のコロナ禍が始まった時期に辞められた方は多いですが、同じぐらいの人数が新しく習いにお越しになって、私自身が持つ人数はほとんど変わっていません。ピアノの場合は、比較的続けやすいみたいですが、歌や管楽器は厳しい様子です。
コロナ禍になり、家にいることで楽器を始めた方も多い様子で、電子ピアノとギターはかなり売れたと聞きます。特に電子ピアノは品薄状態がかなり長く続いており、最近やっと解消されてきた感じです。

対面レッスンの合間には、換気に加え、ピアノ鍵盤用の消毒剤で消毒しています。
リモートレッスンも少ししていますが、元々対面の生徒だけなので、あまり苦労はありません。



・仕事は減ってますか?
私はそういうことで、演奏は減っており、レッスンは前と変わらず、書き物が少し増えていて、トータルでは少し減ったぐらいであまり変わっていない状況です。
同じ実演家でも、アーティスト(自分の音楽表現をメインに活動する人)と職業ミュージシャン(職能としてプロ技術を提供する人)は結構事情が違っており、後者の方が仕事は確実に減っています。お店が閉店したり、イベントが開催できなかったり、環境に左右されるのは後者です。
アーティスト活動をしている人は、自分でCDを作ったり、イベントを作ったり、配信ライブをしたり、自分自身で環境を作り動くことが可能なので、わりと皆さんフレキシブルにやっている印象です。
逆に職業ミュージシャンの方は、仕事に呼ばれるということがイコール自己実現という部分もあり、仕事がない、呼ばれない、チャージバック収入が少ないということが続くと、金銭面以外にメンタルにも大きく響きますので、一年経ち、大分疲れが溜まっている方も多いと思います。


以上、私自身は心身ともに健康にこの一年過ごしてきましたが、表面的には普通でも、精神的にしんどい思いをしている関係者も少なくないでしょうし、皆さん相当疲れが溜まっていると思います。
最初の一年は、持続化給付金や文化庁の継続支援事業、持続化補助金など数種類の給付金や補助金がありましたが、それもこれからは厳しくなっていくと思います。

なんとか同業者の皆さんには、健康で乗り切ってほしいです。


いくつか、情報を収集しているサイトを貼っておきます。






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