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#014_【組織的公正】ポップコーンメタファー~従業員は粒・組織が熱い油~だから組織の要因が重要!(#4-119)

St‐Pierre, I., & Holmes, D. (2010). The relationship between organizational justice and workplace aggression. Journal of advanced nursing, 66(5), 1169-1182.



この論文の目的は?

組織的公正と職場への避難との関連性についての議論を提示することである。まず、組織的正義の概念の変遷を紹介し、続いてその概念に対する批判を行う。その後、組織的公正と職場攻撃性との関連について検討する。最後に、看護管理者の職場環境を検討し、組織的公正との関係を精査する。

POINT1. 分類は大事なので何度も言います。

これまで以上にライトに表現してみようと思います。

分配的公正(1950 年~1975年に流行)
衡平性理論が理論のベース!
「やってることに対して給与は安いし、報われないわ!!」と思った人は、愚痴ったり、ずる休みしたり、備品を盗んだり、辞めたり・・・会社を攻撃してやろうと思うかも。(それで公平性の均衡を保とうとする)

★手続き的公正(1975年~1995年に流行)
エージェンシー理論が理論のべース!
「なんでそうなったのさ?」が納得できるかどうか。
① ボイス効果 「ちょっと一言言わせてよ!」
② 6つの基準 こちら↓に色々詳しく書いてます
これらが欠けると・・・
この会社何なん??人の話は全然聞かないし、信用できないわ」と組織に対するコミットメントや効率化、生産性に影響します。

相互作用的公正(1986年~)
社会交換理論が理論のベース!
「どうしてそうなったのさ?」が納得できるかどうか
① 対人的公正(個人が敬意と尊厳をもって扱われる程度)
② 情報的公正(個人に影響を与える決定がどのようになされるのかについて、情報や根拠が与えられる程度)

こちらは上司に対する信頼などの反応。
この人何なん??人のことなんだと思ってんの?情報も全然おろさないし、信用できないわ」

POINT2. ポップコーンメタファー

不正を感じたらどうします??
「仕返ししてやる!」(子どもみたいですが・・・)

どのタイプの組織的公正に反しているかと「仕返し」の組み合わせがあるということがわかっています。Jawahar (2002)
また、中でも相互作用的不公正が非常に重要であることもわかっています。
これをわかりやすく表現したのが「ポップコーンメタファー」

組織要因を「熱い油」
従業員を「トウモロコシの粒」
組織的要因が「仕返し」を誘発する可能性があり、「どの人が爆発するかを予測しようとするよりも、組織的条件(=熱い油によって生じる圧力)に注意を向ける方が、攻撃性の発生を予測でき る可能性が高い」としました。(Martinkoet al.)

POINT3. マネージャーの役割

上司の支援の文脈ではメンバー⇔第一線のマネージャー(直属の上司)
だけでなく
第一線のマネージャー⇔シニアマネージャーの支援関係が不可欠。
つまり・・・シニアマネージャーがやるべきことは

  • 組織的支援と公正の両方の認識に影響を及ぼすインフォーマル・リーダーシップの地位の役割を認識し、考慮すること。

  • 第一線のマネジャーが敬意をもって扱われ、明確かつタイムリーに決定事項を知らせる。

  • 困難な状況や従業員に対処しなければならないとき、支援されることを認識してもらうよう努める。

感想

ポップコーンメタファーわかりやすすぎる。
あと、マネージャーがどう扱われるか、って大事ですね。
意外とメンバーの立場から、自分の上司がどう扱われているのかっていうのは実は見えているものです。パワーバランスとかね。

シニアマネージャーのみなさま、経営層のみなさま、お気をつけあれ。


サポートしていただけると嬉しいです! ぴよぴよ社会人博士課程の学生ですが、Organization Justiceについて研究を進めています。また、理想だけでなく実務で壁となるGoing Concern(売上、利益)といった面も考えつつ・・・模索しています。