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23年と1か月前に出発した旅のノート。

初めて海外に行ったのは、大学3年生の夏、ロンドン(4週間のホームステイ)と3日間のパリ。初めての飛行機で1人だったその旅では、毎日日記を書いていました。

というのは嘘で、数日分たまっては、友人(現地で同じ語学学校に通ってはいたけれど、私と同じく、明らかに目的が観光&遊びだった人)と、観光に行く先々で日記を書くことに勤しみ、必死に遅れを取り戻していたというのが実状だったのだけれど、いまとなっては全日程の日記が残っているわけで、とても貴重なんです。

多分大学時代、それを何度か読み返したんだと思う。

それで、卒業旅行も全部記録しておこう、と思ったんだろうと思います。それが、トップ写真の青いノートです。ノートっていうか、ビニール製のシステム手帳的なものに、レフィルを挟んだもの。途中でレフィルが足りなくなり、買って補充したような気がします。

今の海外旅行はとっても手軽で、パスポートとクレジットカードがあれば、ひとまず何とかなりますよね。でも、当時は、違いました。

スマホはなかったし、インターネットもほぼ使われていなかった(私は使っていなかった)。だから、大事だったのは、パスポート、飛行機のチケット、ユーレイルユースパス(ユーロ圏内の2等車に15日間乗れるもの)、トラベラーズチェック、各国のお金、各国の地球の歩き方(4冊)、フィルムカメラ。これらは、絶対になくしてはいけなかった。なくしたら、途方に暮れちゃうから。

お金ひとつとっても、まだユーロ導入前だったから、ドイツとイギリスのお金を、トラベラーズチェックと通貨の2種に分けて用意し、さらに日本円のトラベラーズチェックも持って行きました。結構事前準備も大変。その内訳が、こちら。

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そんなたくさんの大事なものと同等くらいに大切だったのが、この旅ノートでした。とってもかさばったけど、毎日1人でどこに行くか決めて、行った先の街で宿を探して部屋を決め、荷物を置いて街を回り、また翌日には電車に乗って別の街へと移動した私のすべてが詰まっていたから。旅程、事前に持って行ったお金、経費、日記、当時手にしたさまざまな切符やレシートなどなど、全部がぎゅうぎゅうと詰め込まれています。


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フィギュアスケートを好きになって、色々な国に行って、時には1日~数日多めに日程を取って旅行したりもしたのですが、その時に毎回思い出したのが、この旅でした。

今はスマホもあって便利なので、「supermarket」って検索して買い物に行く人も多いようですが、私は、そうじゃなくて街をぶらぶらして買い物したりなにか新しいものを見つけたりしたい、とずっと思ってきましたし、今も思っています。そのために、すぐそばのスーパーマーケットに気づかなかったとしても、全然OK。ものすごくざっくり言っちゃうと、日々の生活とか人生とかっていうものも、できればそんなふうでありたいと思っています。そして、そんな風に思うようになったのは、この旅が大きくかかわっている、となんとなく思ってきました。

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気づけば、この卒業旅行から23年が経っています。ちょうど人生の半分前のことなんだなあ、と。

40代半ばになって、ふと気づけば結婚していて3歳児の母親になっていて、時々今の自分の状況にものすごくびっくりしちゃうんですが、まあ実際に夫と子どもがいて、彼らとともに過ごすことを最優先にして生きていこうと考えるようになって……そろそろ本当にいろいろ仕事とか住む場所とか大きく言うと人生というようなものとかについて、ちゃんと考えて整えていかないといけないと思うようになりました。

そんな折、ちょうどこの旅ノートを思い出したので読み返してみると、純粋に面白かった。私の体験ではあるし、実際にどんな場所だったかとかも思い出せるけれど、でも23年前の私は、もういまや別の人だなとも思います。

でも同時に、23年前の私がなんとなく大事だと思っていたところが、今の私の大事なところとリンクしているようにも思うわけです。この旅のスタイルっていうものが、いまの私の旅や日々というもののひとつの礎になっている、というようなところをとっても、そう思うのです。

それとは別に、スマホネイティブ的な若い年代の人たちの海外旅行の日記とかエッセイとかを楽しく読むことも多いのですが、そのたびに、たった23年前(たった、じゃない?)はこんなに違っていたんだよ、ということをなんだか伝えたい思いも沸き上がったりもしていました。

それなら、この旅ノートをnoteにアップしてみたらいいのかもしれないという気持ちになったのでした。

当時撮った写真も少し取り入れたりしながら、と思っています。当時はもちろんフィルムカメラ。なので、1日6枚までと決めて、36枚撮りフィルムを6-7本持って行きました。そう、フィルムも、なくしちゃいけない大事なもののひとつでした。当時は荷物が多かったのねー。

ということで、とっちらかってしまいましたが、33日間の旅ノートを、次のnoteから始めます。

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(写真は、出発前の成田空港にて。上述のように大事なものがたくさんありすぎて、それらすべてを、ちょっと大きめでかっこいいはずのウエストポーチ風のものに入れて腰に装着していました。とにかく下がって下がって仕方なく、旅の3日目あたりからシャプリエのトートを毎日使うことになりました。)




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