見出し画像

双極性障害の治し方

むかしは躁うつ病と言われていた双極性障害。
その原因は、たとえば以下のように説明されています。

――双極性障害の原因は、脳内の情報伝達の乱れにあると考えられている。ストレスはきっかけにはなるが直接の原因ではない。その人が病気になりやすい性質であるかどうか、またはなりやすさの度合いと、ストレスなど病気のきっかけとなる要因の組み合わせにより発症するという考え方もあるが、未解明の部分が多い。(ドクターズ・ファイル


さて、医者ではないぼくが心理哲学の方面から双極性障害の原因を語るなら、「今のダメな自分」と「こうありたい自分」のギャップが大きすぎるのが原因です。

躁の時、すなわちテンションが高い時は、「私はなりたい自分になれる」と思って、そこに向かってものすごく頑張ります。


しかし、自分でもわからないあるとき、今の自分の現状に目がいってしまい、「やっぱり私はダメだ」と思います。


その時、あなたの心はなぜか落ち込む。すなわちうつ状態になる。


これが心理哲学の方面から言える双極性障害の人の実態です。


この話のポイントは「なぜかわからないけど」にあります。

あなたはなぜかわからないけど、なりたい自分になれると思って、ものすごく努力する。


あなたはなぜかわからないけど、ある日突然、自分の実態、すなわち「この自分」に気がついてしまって、ものすごく落ち込む。


つまり、心理哲学の方面から見る双極性障害というのは、「なぜかわからなさ」すなわち自分を操っている何者か、未知の存在Xに、あなたの心が操られてしまっているという点にあります。


このことをおそらく日本で初めて発表したのは夏目漱石です。漱石は当時朝日新聞に連載していた新聞小説『こころ』の中で、なぜかわからなさを「不可思議な恐ろしい力」と表現しています。


その不可思議な恐ろしい力によって、「先生」は自殺に追い込まれます。
もう一人の主人公である「私」は、なんとなく不可思議な恐ろしい力を理解しようと努めるキャラクターとして描かれています。

他方、「先生」の奥さんは、不可思議な恐ろしい力にまったく気づかないキャラとして描かれています。

ぼくはそのように『こころ』を読解しました。

つまり、双極性障害を治そうと思えば、自分の心の不可思議の恐ろしい力、すなわちいまだ言語化されていない領域に何が入ってるのかを知り、それを少しずつ言葉にしてあげることが重要。

小説やうたの歌詞は、不可思議の恐ろしい力をとてもうまく言語化しているので、ぜひ参考になさってみてはいかがでしょうか。

あるいは単純に、就きたい職業につけていないことによって双極性障害が引き起こされているのであれば、生活を調整してなりたい職業につくというのも方法かもしれません。

この仕事に就きたいのにそうでない仕事に就いているという事実は、私たちの心の中にある謎の存在者Xに餌を与えているようなものですから、それだけでどんどん病んでいくのです。


というわけで、いまだ言語化されていない心の領域に気づき、それを少しずつ自分のペースで言葉にしてあげることによって、双極性障害は少しずつ改善されていく。

心理哲学の方面からこのようなことが言えます。

今日もお互い頑張っていきましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?