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再出発した「地球の歩き方」と、クリエイターマインド

皆さんガイドブックを購入される派ですか?
私は購入せず、ネットで調べて完結させる派です。
ただし、海外旅行では、モバイルWifiの容量が限られているので、ガイドブックを持ち歩いていました。

ところで、ガイドブックの定番:「地球の歩き方」が進化しているのはご存知でしょうか?

日経テレ東大学のYoutubeで、新井社長がお話されていました。

学研グループに事業譲渡したことをメインテーマとしてお話が展開。その中でも、私はなぜ「地球の歩き方」の奇抜な企画が生まれたのか?に注目しました。



なぜ、「ムー」などの企画を展開?

「ムー」など旅行ガイドブックとは言えない企画ができた理由を、ゲストの

コロナ禍で書店から旅行ガイドブックが消えた現実。社員のマインドセットを変えるところから始めないといけない。
→未来志向でいこう!という割り切った気持ちになった。
→「ジョジョの奇妙な大冒険」など、社員のやってみたいなーと思う企画をブレストで出し合った。
→特に、「ジョジョの奇妙な大冒険」はダメ元で集英社に連絡したら、快諾してくれた。荒木飛呂彦先生もインタビューを受けてくれた。

新井社長

ジョジョの奇妙な大冒険とのコラボ「地球の歩き方」はこちら。

杜王町のモデルになった仙台市をはじめ、第1部~第8部までの物語の舞台を地球の歩き方が徹底網羅。イギリス、イタリア、インド、エジプト、アメリカ……ほか、世界の『ジョジョ』スポットを名場面とともに紹介します。荒木飛呂彦先生の「旅」にまつわるロングインタビューも掲載!

https://gkp-koushiki.gakken.jp/2022/04/01/46554/


旅行ガイドブック→読み物としての役割へ

旅行ガイドブックは存在意義がなくなった?

自分たちの商品の価値を言語化してこなかった。
ガイドブックを出しているが、他社との違いは何なのか、ディスカッションするようになった。
今でも明確な答えは出ていない。

新井社長

ガイドブックとしての存在意義も変わってきて、モバイルが出てきちゃったから、ガイドブックなんて買わなくなった。だから居場所なんてないよね、ということではなく、”「ムー」も行かないかもしれないけど読んでみよう”とか、行く前に読む(という展開に)。

新井社長

海外の旅行ガイドブックに強い「地球の歩き方」が国内版を出す

初めて国内版のガイドブックとして発売した「東京」のガイドブック。東京五輪の社会的情勢を汲んでの展開でしたが、コロナ禍に突入。


東京のガイドブックを出したときに、多摩地域に住む読者の方々から、「多摩地域が全然載っていないんだけど」とお叱りを受けたんですよ。
そういう声を真摯に受け止め、多摩地域としてのガイドブックを出した。

その後、会社の書棚を見ていたときに、イギリス・フランス…と海外の都市は並んでいるのに、日本がないよねーと。日本って書棚に欲しくない?と社員に言った。僕はGOって言っていないんだけど、社長がGO出したっていうふうに社員に受け止められちゃって。もう作り始めてた。

実はこの日本のガイドブックは、3,000円台と割高ではありますが、1kgほどあるようです。

コロナ禍で海外にはほとんど行けず、日本国内で旅行をしている人々にとっては、旅行意欲が掻き立てられる企画ですよね。
おそらく1kgある分厚い本なので、図鑑のように家に置けるのでしょう。


「世の中にない本を作りたい」思い

今や社長なので、企画を判断する側にいる新井社長。でも本来は世の中にない本を作りたい、という思いをお持ちのようです。

クリエイターの皆さんならきっと共感できる部分が多いでしょう。

日本刀の本を作りたい。
今日本刀ってブームじゃないですか。
企画したいなって思った当初は、書店に行ったときに端っこに置いてある白黒の写真が載った本を見て「これじゃないんだよなー」と思っていた。

日本刀初心者でもわかるように情報を整理した。「上の人にも分かるように作ったらどうなるのかなー」といつも考えていた。

日本刀の長さを表せるように、本のサイズを無視した横長の本を提案した。すると前例がないから、と書店に断られた。でも、甲冑の本が過去に似たようなケースで売れていたので、売れますよ、という話に。

そういう経験をされていた新井社長だからこそ、社員の方々の企画も、どんなに奇抜であっても社会のニーズ等踏まえ説得力があれば展開しているのです。

新井社長のお話を聞きながら、「地球の歩き方」はこうして新井社長の思いに共感して購入する人たちもいるんだろうな、と思いました。

PS. 本など紙のメディアって無くなるのでは?

スザンヌさんの締めの言葉のあとに話をされていたので、気になる方はぜひお見逃しのないよう!

紙って日本を形作ってきたわけですけど、最も短い時間で求める情報を探しやすいインターフェースだと思っています。
世の中はTikTokのようなショート動画に流れていきますけど、紙をペラペラめくる作業が一番短い時間で情報を探す作業なのではないかなと。

まず平たくレファレンスしていくという価値は紙が一番。深掘りはネットの方が優れていますけれども。

旅マエには、本でもいいですけど、旅ナカ(旅の最中)でもリンクしやすく誘導していくのが大事。例えば、アプリを作るとか。

新井社長


合わせて読みたい

新井社長がインタビューされている記事です。

世界中のバックパッカーに人気のガイドブック「Lonely Planet」と比較すると、さらに面白い発見がありますよ。

同じクリエイターとして、桜井さんのYouTubeもおすすめです。


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