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【読書感想文】利益が良ければ会社は安泰か?

今回は同じ著者が書いた2冊の本を読んだ感想を書いたnoteです。タイトルを見た時点で、やや堅い印象を持たれた方もいるでしょう。

私は会計学を専門としているわけでもないし、株式投資が好きなわけでもありません。しかし、マーケティングを学ぶ中で、マーケティングと企業の経営は切っても切れない関係にあること、そして経営と会計もまたそうであることを学びました。

どこから会計の勉強をしたらいいのか…と思っていた矢先、AmazonのKindleで見つけた2冊をご紹介します。



この本をお薦めしたい人

  • 企業の投資に関心がある人

  • 会計分野に関心がある人

  • マーケティングに関心がある人

  • 企業の動向に関心がある人

  • 営業担当の会社員


紹介する2冊の本

『ドラッカーと会計の話をしよう』

『騙されない会計〜会社の数字のウラを読む方法』



2冊の本の概要

この2冊は、先ほども書いたように、会計のプロよりは、初心者の方向けに書かれています。特に、「ドラッカーと会計の話をしよう」の方は、ストーリー性があるので、専門用語が並んでいる本が苦手な方は、「ドラッカーと会計の話をしよう」の方からご覧いただくことをお勧めします。

キーワード

利益, キャッシュフロー

利益とは何か

皆さんが、「この会社は儲かっている」と判断している指標の1つに、利益があろうかと思います。例えば日本経済新聞が発表している企業の決算に関する情報で「XX社は前年度比利益がXX%アップした」なんて文言も聞くでしょう。

皆さんは、ここでの「利益」とは、売上ーコスト=利益の式で表すことを想像しているはずです。

しかし、「ドラッカーと会計の話をしよう」では、「利益」がいかにいい加減な指標であるかを知らなければならないと記されています。

利益を度外視して経営するということ?

いいえ、違います。

ドラッカーによると、”投資の神様”ウォーレン・バフェット氏は「会社のことを知りたい時は、証券アナリストには聞かない。彼らは利益を大事にしているから」とのこと。なぜなら、ドラッカーも、ウォーレン・バフェットも利益が実在しない、と考えているからです。

会社の業績を判断するにあたり、決められた期間の中で、売上から費用を引いたものを利益として私たちは計算をします。この利益(本の中では”期間利益”と呼んでいる)は、実は信頼するには危うい指標です。

もう少し身近な例で例えると、マラソン。マラソンは長い距離の中、早く走ったり遅く走ったりとペースが必ずしも一定とは限りません。例えば、スタート時から10kmまでのタイムが1番速かった選手が、必ず優勝するものでしょうか?いえ、違います。

経営はマラソンによく似ています。先ほどの期間利益の結果だけで、会社のことを信用することは、かなり危ういのです。

ビジネスでの”利益が出る”=”儲かっている”ではない

〝儲かる〟とは、商売が順調で預金口座にお金がどんどん貯まり、気持ちに余裕のある状態のことで、〝利益が出る〟とは、計算上、売上と費用を差し引いた金額がプラスのことを指します。

経営で大切なのは、将来にわたり価値を創造し続けること。つまり、将来の利益であり、将来のキャッシュフローだ。ドラッカーは〝利益創出力〟が大切だと言っている。だが、ボクたちが目にする会計情報には結果だけで、大切なことは何も書かれていない。損益決算書にどの作業が利益を出し続けたのか?は書かれていない。

在庫も会社の資産である

在庫はお金であるが、在庫を抱えているということは、お金が餓死状態になっているのと同じ。過剰在庫を抱えている場合は、もっと危機感を持つべき。

さらに重要なのが「リードタイム」。つまり、受注から出荷までのスピードです。リスクを抱えたお金を長々と抱えているのは危険きわまりない。

それを避けるために、「在庫が風のごとく工場を吹きぬける」仕組みを作る。できるだけ早く作って、早く売って、早くお金に戻す。これが経営改善の鉄則。生産ロットを少なくし、仕掛品が滞留しない仕組みを考えて、リードタイムを短くすればいい。

成功例がボージョレ・ヌーボーの場合。サッサと手術をして、サッサと退院(出荷)させている。しかも、予約をとっているためすぐにキャッシュが入ってくる。

ホリエモンのYouTubeチャンネルで解説されていたAmazonのキャッシュフローの説明がわかりやすいです。

キャッシュフローが大事な理由

キャッシュフローとは、いわば一家の大黒柱が毎月毎月稼いでくるお金。商売を通じて会社に入ってきたキャッシュと、様々な支払いで出ていったキャッシュ。その差額を「営業キャッシュフロー」と呼びます。  営業キャッシュフローとは、一定期間の間に会社が生み出したキャッシュ(現金)。これを必ずプラスにするのが「キャッシュフロー経営」の大原則であり、できるだけプラスを大きくするのが経営者の使命。

営業キャッシュフローを“必ず”プラスにしなければならないのか。それは、将来に備えるため。営業キャッシュフローの使い道は大きく分けて以下の2つ。

  • 投資キャッシュフロー:設備投資をしたり、新技術の開発を進めたり、土地を買って工場を建てたりする。

  • 財務キャッシュフロー:増資して株主から資金を調達したり銀行からの借入金を返済したりする。

儲けがあるとは、キャッシュが増えているということ。つまり、営業キャッシュフローがプラス(黒字)であるということです。  たとえ計算上は利益が出ていても、キャッシュが増えていなかったり、マイナスになっていれば、会社が転覆してしまうこともあります。

営業の売上ノルマの設定のしかた

前年度ベースで「 1割増を死守せよ」とか「 20%アップを目指せ」ではなく、本来はゼロベースで、商品とその市場や得意先から算出すべきものです。つまり、「この新商品を売りたい」 +「市場ニーズはこれくらい」 +「受注を見込める得意先が、これくらいある」 =「だから、今期のノルマはこれくらい」 と、設定していく。

赤字→黒字に転換する方法

赤字を黒字に転換する方法は大きく3つ。販売数を増やして売上を伸ばす。限界利益率を高める。そして間接費を削減する。


トレーニング方法

業態、商品、企業ごとに「利幅派か、回転派か」を分析してみるのも、会計センスを磨くいいトレーニングになります。

CVP図表を作成してみると良いかもしれませんね。(CVP分析の解説)

あなたの会社、月末の締め日から月次決算が上がってくるまでに何日かかっているのかも見てみるとトレーニングになるでしょう。

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