誰もがデザイナーだ、けれどその考えを広めることは難しい
こんにちは。
突然ですが、皆さんに質問です。
昨今「デザイン思考」ということばが普及しているものの、結局どんな考え方か説明できますか?
この本では、「日本人とデザイン」という副題がついているように、日本人はデザイン思考のポテンシャルは十分あるが、上手く活用できずにいることを、著者のご経験を交えデザイン思考についての著者の考えを提唱されています。
デザイン思考のHow to本、というよりは、デザイン思考のマインドセットに重きが置かれているため、デザイン業界、デザイナーに限らず万人に分かりやすい書籍です。
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著者が提案したいパッケージ化の重要性
【パッケージ化】
ルールをつくること。新しい概念、考え方を産み出したら、汎用できるようなルールをつくる。それを輸出したら海外で影響を与えるかもしれない。
著者の提唱するパッケージ化の例
1. 抽出「何をしているのか」
2. 抽象化「つまりどういうことか」
3. 構造化「この仕組みを他の分野にも転用できないか」
4. 名付け「どんなラベルを貼って売り出すか」
→このような、問いを立ててどう改善していくか、のパッケージ力が欠如していることにより、諸外国から遅れを取っているように見える
→ここの力をつけていく。そのポテンシャルが日本にはある
今までの日本の歴史を見ていくと、外国から輸入をして、日本人に馴染む商品やサービスを開発し、その質(クオリティ)を上げることば大の得意です。
しかし、それを輸出していく力、そして海外でも汎用できるようなルールが作られていないため、諸外国の企業が発明したかのようにアピールされてしまい、外国の企業の商品やサービスが有名になってしまうことも。
なぜパッケージ化する習慣がないのか
・自分は「デザイナー」である、というマインドセットが欠如している
※デザイン= 未来を企てること、設計すること。
※デザイナー= 問いを設定し、その問いを解決する人
・日々の仕事や生活のなかで、「もっとこれが便利になったらいいのに」と思うことはないだろうか
→その「問い」が、デザイン思考の入り口
パッケージ力を高める方法
→その自分の「主観的」な問い、そしてそれを発見した自分のアイディアに自信を持つこと。
→最初は勇気がいることかもしれないが、自分のアイディアを発信できる場を創ること。そういう場に入ること。SNSは気軽にできる1つの例
私が「デザイン」の分野に携わって分かってきたこと
冒頭の質問
昨今「デザイン思考」ということばが普及しているものの、結局どんな考え方か説明できますか?
への私の答えは、
うまく説明できません。
「デザイン」という考え方を、仕事を通して感覚として身についてきた(感じがする)ものの、うまくことばで説明することが難しいです。
本業で部署のメンバーに、「デザイン」の考え方を分かりやすく伝えようとしても、なかなか伝わらない。
その原因としては、
・若手だからか、自分の実績が低いことで社内の影響力が少ないこと
・チームのメンバーが「デザインってこうだ」「センスのある人がするものだ」「私には分からない」と決めつけてしまっているから
・そもそも、深い議論をすることがめんどくさいから(もしくは深い議論をしたいけれど方法が分からない、知らない)
と考えられます。
書籍の中でも一部語られていましたが、日本企業ではデザインは外注すればいい、という考え方が一般的です。その方がコストを安く抑えられるということだと思います。
けれど、ここ数年~10年の間に、GAFAはじめ外国企業が世界のテクノロジーに多大な影響力を与えるようになりました。それらの企業を紐解くと、社内のデザイン部署の権限がきちんと分配されていて、デザイナーの意見も通りやすい社風であることが分かってきました。
そこで日本企業でも模倣する動きが高まり、特にスタートアップやIT業界で売上が高まっていることから、「デザイン思考」に注目が集まりつつある時代の風潮にあります。
けれど、実際蓋をあけてみると、「デザイン思考」というのは会社内のほんの一握りの社員しか知らず、むしろ「そういうのはデザイン部署が分かっていればいい」という考え方になっているのではないか?と私は気づいたのです(少なくとも、現在勤めている会社では)。
自分の部署で扱う商品やサービスのことは、誰よりも分かっていなければならない。なのに、ユーザー(消費者)と接点を持つことを他の部署に回してもいいのだろうか。
この考え方は、本当に企業によるのかもしれません。
外注する策を取る企業もあれば、社内で統括する企業もあるかもしれません。
けれど言えることは、後者の社内でデザインを統括する方が圧倒的に効率がいいことです。けれど、それに見合う人材が、日本社会全体的に需要に対して不足しているのかもしれません。
私は今の会社で、デザイン思考の考え方を広めていきたいという思いが少なからずあります。すぐに考え方を変えられるとは思っていないですが、まずは同じ部署の人たちの考え方が少しでも変わるといいな、と思っています。
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ここまでご覧頂きありがとうございました。
ぜひこの本を読んで頂きたく、私の本をお譲りします。
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