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#16術後の気持ちの浮き沈み ~がんサバイバーさんの運動指導をしている私が乳がんに~

今日で手術をして2週間。早いような遅いような・・・。
ここにきて、今までにはなかった気持ちの浮き沈みをよく感じるようになりました。今回はちょっと重い内容?かもしれませんが、ネガティブな感情も吐き出してみたいと思います。

乳がんと告知された時

しこりを見つけて病院に行き、様々な検査を受けて「乳がん」と告知された時、自分の中である程度覚悟があったからかもしれませんが、泣くこともなく、ショックもあまり感じませんでした。

「やっぱりそうか」
「治すしかないよね」

そんな気持ちと
「この経験は、これからの私の仕事に活きる」みたいな前向きな気持ち

総合病院で初めての診察が終わった後、別室で看護師さんから「大丈夫?」と聞かれたけれど
「はい。大丈夫です」と笑顔で答えていました。

今振り返ると、実感がなかったからかもしれません。

当時の私は頭の中も仕事のことでいっぱい。

どうスケジュールを立てたら、迷惑をかけずに休めるか
休む前にできることをきちんとしておこう
そんなことばかり考えていた気がします


入院中

入院する前や、入院初日はまだ体も元気な状態なので
「久しぶりのお一人さま生活を楽しもう♪」なんて、ある意味ウキウキしてました。

でも、2度の手術を終え身体の状態が変わると、心も変わる。

私は、2度目の手術が、メンタル的にもとてもしんどかったようで

術後しばらくは、手術室の天井にある大きなライトの映像がフラッシュバックのように見えたかと思うと、吐き気や震えにみまわれて、どうしていいかわからず泣いていました。

看護師さんに相談しようかとも思ったけれど、伝える元気と勇気もなく布団にうずくまってました。

コロナ禍で家族に会えない

今思えば、きっと術後家族と話すことができれば違っていたのかもしれません。

ひとり泣きながら「大丈夫・大丈夫」と自分で自分の胸をトントンと叩いて、深呼吸しつつ落ち着くのを待ってました。

ありがたいことにその状態は、徐々に動けるようになったらなくなってきました。今は、たまに手術の話を誰かにすると泣いてしまうくらいです。

こんな状態になるとは、、。
もともと医療系のドラマが大好きで手術室に入ると興味津々で見ていた私が、拒否感を感じてしまうという。目に見えないストレスが大きかったんだなと感じています。


退院して、今は

退院してからすぐは「リハビリも家事も普通に頑張ろう」と思い、カラダは思うように動かないものの普段と変わらない日常生活を送ろうと、頑張りすぎていたんですね~無意識に。

気持ちと体がかみ合ってない・・・

退院して4、5日経過したころから、何とも言えない疲労感が沸き出てきました。
ちょっと動いただけで怠い
しんどくて起きていられない

そんな状態に「あかんあかん、頑張って動かな体力戻らへんし」という自分と、「でもしんどいから無理~」と思う自分との葛藤。

そんな日々を過ごしています

リハビリも「しっかりストレッチしても大丈夫ですよ」と主治医から言われるものの、2度の手術で大胸筋の筋膜を取ってしまったり、止血するために多くの血管を焼いたりと、かなりなダメージがあるので、思っていた以上に動かない。

動かそうと思っても、大胸筋が「いや!」と反応するのが分かります。

前回のnote動画では、横から腕を上げる時、少し腕の位置を斜め前にずらしていたので割と上がっていたように見えたのですが、実は、その代償動作(斜めにずらすこと)を除くと、これくらいしか上がりません

これが精いっぱいの可動域(涙)

いやぁ~正直辛い。

ちょっと痛いくらい我慢してリハビリした方がいいんじゃない?と、これまた頑張って伸ばしてみたところ、その日の晩は右の胸がうずいて痛くて痛くて、ほとんど眠れませんでした(涙)

職場の先輩でもある柔道整復師の方に相談したところ
「まだ治りきっていないから、今は可動域を拡げるように頑張るのではなく、今よりも動きにくくならないように無理をしないで動かすことが大事」だと教えてもらい、ようやく「頑張れ~!」と鼻息荒い自分の心を抑えることができつつありますが、その反面「早くヨガのレッスンしたいのに、どうしよう。このままだったらインストラクターとして前に立てないのでは」と落ち込む日々。

おそらく以前と同じくらい動くようになるには、かなりの時間がかかります。

かといって完全に治るまでレッスンしないというのも、悲しすぎる。
自分の中でどう折り合いをつけていくのか、ちゃんと自分と向き合っていかないといけないなぁと思います。


自分と向き合う

自分と向き合うことができていたつもりが、できていなかったんですよね。

周りに迷惑かけちゃいけない、早く元気にならなきゃいけない
みんな頑張っているのに、私だけ悲劇のヒロインみたいに大変ってわがまま言っちゃいけない。。。そんな気持ちが前に前にと出てきて

本当の自分はどうしたいの?

って聞いてあげれていなかったと気づきました(今頃かよ)

どちらかというと私は頑張ってしまうタイプ
そうすることが大事だと思っていて、プライベートよりも仕事。
休みがなくても大丈夫!
と、乳がんになるまで突っ走ってきました。

でも立ち止まらずを得なくなった今
この先の人生、乳がんになる前の元の生活に完全に戻っていいのかなと考えるようにもなってきています。

よく耳にする「人生は一度きり」

だからどう生きるか。

好きな仕事ができているから、もちろんこのままでも十分幸せです。

でも、この経験や立ち止まったからこそ

今までよりも視野を広げて物事を見ることだったり、一番大事だと気付いた家族との時間を大切にしたり、何かもっと変えられることもあるんじゃないかなと思っています。

要は「頑張りすぎる自分」に戻っていいのか?ってことです。
そこに美徳を感じていた自分の生き方は、心から本当に求める「生き方」なのか。

答えを見つけるまで、カラダの回復と同じように時間がかかるかもしれませんが、本気で「自分と向き合う」こともしてみたいと思います

これも乳がんになったからこそ!ですね。





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