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スティービーワンダーから学ぶ、英語教育の本当の意味 I Just Called To Say I Love You.

小学校・中学校・高校の英語の先生のための英語の先生 Melody です。
先生方、毎日お疲れ様です♡ 子どもたちの笑顔は先生方のおかげです!

 先生方は洋楽を授業で扱われていますか?私は、中学2年生で不定詞を指導するときに、スティービーワンダーの「I Just Called To Say I Love You」を聞かせています。教科書にもよく掲載されていて、使われた先生もいらっしゃるのではないでしょうか?ここでは、この曲を使った授業展開の紹介と、英語教育の本当の意味を私なりに考えたいと思います。




1.授業展開

(1) Introduction - Think - Pair - Share

 まず下の写真を見せてすでに知っている情報、写真を見てわかることや、疑問に思うこと、知りたいことなど、KWLチャートを使ってシェアします。アクティブラーニング技法の Think - Pair - Share を用いて、できれば英語でやり取りができるといいですね。

Released in 1984

(2) Let's Listen!

 生徒のレベルや習得させたい文法項目に合わせて、歌詞の一部を穴埋め問題にして曲を聴いてみましょう。曲を聞くときは、導入の時にシェアした、知りたいことを意識して聞かせます。また「曲を聴きながら、いっしょに口ずさみたくなったり、体を揺らしたくなったら、自由にやっていいよ」と、事前に伝えておくと、生徒は心をオープンにして聴いてくれます。

以下は歌詞です。(和訳省略)

No New Year's Day to celebrate
No chocolate covered candy hearts to give away
No first of spring, no song to sing
In fact, here's just another ordinary day

No April rain, no flowers bloom
No wedding Saturday within the month of June
But what it is, is something true
Made up of these three words that I must say to you

I just called to say I love you
I just called to say how much I care
I just called to say I love you
And I mean it from the bottom of my heart

No summer's high, no warm July
No harvest moon to light one tender August night
No autumn breeze, no falling leaves
Not even time for birds to fly to southern skies

No Libra sun, no Halloween
No giving thanks to all the Christmas joy you bring
But what it is, though old, so new
To fill your heart like no three words could ever do

I just called to say I love you
I just called to say how much I care, I do
I just called to say I love you
And I mean it from the bottom of my heart

I just called to say I love you
I just called to say how much I care, I do
I just called to say I love you
And I mean it from the bottom of my heart

Of my heart
Of my heart (baby, of my heart)

(3) Questions and Answers- 事実発問・推論発問・評価発問

 まず、穴埋め問題の答え合わせをしましょう。そして、内容理解のための事実発問をしてみます。例えば、文法項目は不定詞なので、
Why did he call? と発問して生徒に To say I love you.と答えさせます。普段の授業から気持ちを込めて音読している生徒は、恥ずかしそうに答えるかもしれませんね。気持ちと言葉が一致していること、それが英語の正しい使い方だと思います。

 次に、推論発問をしてみましょう。推論発問とは、歌詞にははっきりと書かれていないけれど、歌詞から読み取れる内容やこの曲が伝えたいメッセージなどを推論するような発問です。このような発問は生徒は曲の歌詞を深く理解することができる助けになります。例えば、
Why doesn't he celebrate New Year's Day?と発問してみましょう。生徒は想像力を働かせて様々な答えを出してくるでしょう。正解がたった1つだけあるのではなく、どの答えも尊重されるべきです。生徒がお互いの考えを認め合うことを学ぶことができるのも、この推論発問のすばらしい点です。

 そして、最後に評価発問をしてpersonalized(学習内容を自分事)にして深い学びへとつなげます。例えば、
When do you call your friend? What do you want to say when you call your friend? と発問します。デジタルネイティブ世代の生徒がわざわざ電話をかけて肉声でそのタイミングで伝えたいことって何でしょうね。緊急事態ではない時はなおさら、何を伝えましょうか?ぜひ皆さんも何を伝えたいか考えてみてください。このようにあまり自分でも今まで考えたことがなく、自分のことなのに自分も答えを知らないような「しつもん」をするのが、私は好きです。自己分析のために使われる「ジョハリの窓」の右下の窓にあたります。

ジョハリの窓

(4) Let's Listen Again! 歌詞に込められたメッセージとともに

 もう一度、聴いてみましょう。そして、この歌に込められたメッセージを伝えます。この曲は、27年間投獄されていた南アフリカのネルソン・マンデラ氏に捧げるために、スティービーワンダーが歌った曲です。投獄中は、お正月もクリスマスもお祝いできませんね。そして、教科書によってはレッスン内容に取り上げられていますが、どうしてマンデラ氏が27年間も投獄されていたのか、人種問題とは何かという過去の歴史や事実、またそれに対する教師の思いも先生自身の言葉で語られるといいですね。最後にKWLチャートにこの歌を通して学んだことを書かせましょう。ちなみに、7月18日は、ネルソン・マンデラ国際デーです。この日に行われたスティービーワンダーの国連でのスピーチも心を打たれる内容です。


2.英語教育の本当の意味

 よく英語は単なるコミュニケーションの道具で、受験のためにはドリル学習を、使えるようになるためには話すトレーニングを、と言われます。確かに英語を何のために学ぶかという目的によっては、ドリルやトレーニングが必要ですし、生徒にとってはわかりやすい動機付けになるでしょう。ただ、私はここで終わってはいけないと思っています。英語教育は教育です。教育は人を育てることです。人を育てるとは、人の頭と心と体を育むことだと私は考えています。洋楽の扱い方を工夫することで、生徒の「心が育つ」授業を展開することが可能だと信じています。始めは「洋楽が歌えたらかっこいい」という動機で十分です。でも最後には、「人はどう生きるべきなのか」「自分はどうありたいのか」など、すぐには答えがでなくても、それらの問いに真剣に向き合い自問自答できる生徒を育てたいものです。そうすることで生徒がより良く生きたいと考え、行動できると考えています。

 

3.先生のあり方

本当にあった話から、私がいつも忘れてはならないと思っていること

 アメリカのある小学校で、理科の授業のためのマウスが一匹逃げて、どこに隠れたのかわからなくなってしまいました。先生と生徒たちが実験室を探させましたが見つかりませんでした。そこで先生は、「これだけ探して発見できないのなら、あとはモリス君に探してもらいましょう。」と言いました。そのとき生徒たちは一瞬シーンとなりました。なぜなら、モリス君は目が見えなかったからです。1人の生徒が「モリス君には無理です。」と言いました。しかし先生はこう答えました。「モリス君は目が見えません。だからモリス君には無理だとみんなは思うかもしれないけれど、モリス君は素晴らしい聴力をしています。それを生かせば、必ずマウスを見つけてくれると先生は信じています。」と。驚くことに先生が言ったとおりモリス君はマウスを見つけだしました。その時の日記にモリス君はこう書きとめています。

「あの日、あのとき、僕は生まれ変わった。先生は僕の耳を褒めてくれた。僕はそれまで目が不自由なことを心のなかで重荷に感じていた。でも先生が褒めてくれたことで、僕の新しい人生が始まった。」

 すばらしい聴力の持ち主だと褒められたモリス君は、のちにシンガーソングライターとなり、世界中に数多くのヒット曲を生み出しました。

その子の名前は、スティービーワンダーです。・・・・・・・・

 私は「どんな子どもも、欠点だと思っていることも、本当はすべて宝物」ということを心に刻み付けて、日々、生徒の目を見ています。


4.2つの「しつもん」


①「あなたにとって英語教育とは何ですか?」

②「あなたのクラスの困った子(困っている子)はだれですか?その子の欠点と思われていることは何ですか?」

もし、よかったらコメント欄にご記入くださいませ!お待ちしております。


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1人でも多くの先生方子どもたちに、英語の楽しさ、人生の素晴らしさが届きますように!最後までお読みいただきありがとうございました!

Thank you so much for reading! I hope to see you again soon! Bye for now!


【英語の先生のためのひとことEnglish】

“Life has meaning only in the struggle. Triumph or defeat is in the hands of the Gods. So let us celebrate the struggle!”              -Stevie Wonder

私の人生struggleばかり。ということは毎日、乾杯だ!イェーイ!


こちら↓は、キング牧師さんに関するレッスンプランです。参考までに。


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