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「散歩のついでに富士山に登った人はいない」★小学校外国語の授業の構成の仕方★

 先生方、毎日お疲れ様です♡ 子どもたちの笑顔は先生方のおかげです!
 初めて小学校高学年の担任をされ、初めて外国語の授業をされる先生方、本当にありがとうございます!このページを訪れてくださっている時点で、子どもたちのために努力されています。そんな先生方を尊敬しています。

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 改めましてこんにちは。小・中学校の英語の先生のための英語の先生 Teacher Melody です。

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最初に、問題です。

「ここにダイエットを決意した2人の方がいらっしゃいます。1人の方はいつまでに何キロやせるぞ!と、数値目標を立て、その目標を達成できるような具体的な方法を考え、ダイエットを実践しました。一方もう1人の方は、特にゴールを設定せずに、できることをしていきました。さて、どちらの方がダイエットに成功する可能性が高いですか?」

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 答えは、当然ながら前者の方です。

「散歩のついでに富士山に登った人はいない」   by 小宮一慶

2人のダイエッターの方の違いは何でしょうか?それは富士山に登ろうとして、それ(=目標)に向かって歩いているのか、あるいは、何の目標もなく歩いているかの差であると言えるでしょう。

Begin with the End in Mind  by スティーブン R・コヴィー

「7つの習慣」の著者であるスティーブン R・コヴィーはこんなことを言っています。「自分の葬式に出ている場面を想像してみて下さい。自分の人生は、こんな意味のある人生だった、と言えるでしょうか」と。

 6年生の国語科教科書(東京書籍)の「町の幸福論~コミュニティデザインを考える~」に出てくる「バックキャスティング」の考え方も参考になります。「バックキャスティング」をすることで、自分たちのやるべきことや未来のイメージが明確になっていきます。英語教育界では「バックワードデザイン」というワードがよく使われています。

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 さて、外国語の授業の話に戻しましょう。先生方は授業をどのように組み立てていらっしゃいますか?どういう目的で何をどの順番で指導されていますでしょうか?「子どもが達成すべき目標」を考えて、子どもと共有されているでしょうか。外国語の授業もやはり目標が必要です。

 小学校外国語科の教科書は、算数の教科書のように問題①をやって、できたら問題②に進み、さらにできたら問題③に進みましょう。という構成とは違う部分があると思います(もちろん算数もいろいろな指導方法があり、いきなりその単元の最終目標である一番難しい問題を、解き方を教える前に子どもにやらせてみるという、あの有名な「陰○メソッド」というものもあります)。そしてまじめな先生ほど、教科書1ページが終わったら、次2ページ、来週は3ページ目、と前から順番に熱心に指導をされています。しかし外国語の教科書の中には、チャンツや歌、アルファベットを書く活動、聞く活動、話す活動、資料を読んだり、動画を見たりするページもあります。指導書には、教科書に記載されているあらゆる活動がアトランダムに並べられているかのような指導案例が載っています。そこでなんとか指導書の通りに授業をしてみようとしますが、なぜこのやり方がいいのかを教師自身が腹落ちできていないままだと、うまく授業をこなすことが難しくなります。これを解決できる方法の一つが、「ゴールを設定し、そのゴールに達成するためにどの順番でどのように指導するかを考えること」です。

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 ゴールの設定の仕方としては、外国語教育も教育活動の一つである以上、私たち教員は、生徒の人格の完成を目指していくことになります。アルファベットの小文字のbとdの区別ができるように指導するのも、道案内が英語でできるようさせるのも、心豊かな生徒を育成するという大きなゴールのもと、行われるべきと言えるかもしれません。

 教育基本法 第一章(教育の目的)
「1. 第一条 教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」

 「教えない授業」で有名な新渡戸文化学園の英語科の山本崇雄先生は、教育活動の最上位目標として「Happiness Creator(幸せ創造者)の育成」を掲げていらっしゃいます。まずは大きなゴールがあり、そこから中学校での目標、小学校での目標があり、そして年間目標、今学期の目標、本単元の目標、そして今日の授業の目標へとつながっているというイメージです。今日の授業の目標は、今学期の目標とどのようにつながり、今学期の目標は、今年度の目標とどのようにつながり、小学校を卒業する頃には、そして中学校を卒業する頃には、子どもたちがどうなっていれば、どのような能力が伸びていればいいのでしょうか?

 毎日の授業の目標に関しては、文科省がCAN-DOリスト形式での学習到達目標を設定することをすすめています。CAN-DOリストとは、学習到達目標を設定するために生徒の能力や技能を「~することができる」のような箇条書きで示された文章のことです。

 どんな目標がいいのか、どのように目標を決めて授業をするのか、そして目標が達成されるためにどのように授業を組み立てればいいのか、「外国語が教科化になってしまい、実はイヤイヤやっているんです!」が本音の先生方も、ぜひご一緒に考えてみませんか?

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 このページが少しでも「参考になったなぁ」と思われた先生方、感想を残してくださるととても嬉しいです。今後も役に立つ情報をお伝えしていきます。また、のぞいてくださると幸いです。

 1人でも多くの先生方子どもたちに、英語の楽しさ、人生の素晴らしさが届きますように!最後までお読みいただきありがとうございました!

Thank you so much for reading! I hope to see you again soon! Bye for now!

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【先生のためのひとことEnglish】

Peace begins with a smile.      by Mother Teresa

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