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英語教育は小・中・高の連携が大事というけれど、どうやって?

小・中学校の英語の先生のための英語の先生 Teacher Melody です。
先生方、毎日お疲れ様です♡ 子どもたちの笑顔は先生方のおかげです!


 2020年度から小学校で、2021年度から中学校で新学習指導要領が完全実施されています。小学校で外国語を70時間受けてきた児童が中学校で英語を学んでいます。今までの児童とどのように違うのでしょうか?

 この点も含め、英語教育界では今まで以上に小学校と中学校、さらには高校との連携が必須と言われています。児童・生徒の情報交換はどの小・中学校でもされているとは思います。ただ、授業をお互い参観したり、指導案を共同作成してTTで授業をしたりすることは、年に1回程度、もしくはできていないかもしれません。では、どうすればいいのでしょうか?

 時間と体力的な余裕があれば、いろいろな方法を実践できると思います。ただ、教員はただでさえ忙しいです。残念ながら、余計なことをする暇はありません。

 中学校教員が小学校に電話をして「初めまして。○○中学校の英語科教員です。6年生がどんな授業を受けてきたのか、どんな英語を使うことができるのか、教えてください。」から始めるのは、時間がかかりすぎます。もちろん、そのように小学校・中学校の教員が交流して、ともに学び合うのが理想です。できるならば日頃から情報共有しておくべきです。ただ、地域によれば、さまざまな小学校から児童が入学してくる中学校もあります。

 また、小学校教員が中学校教員から指導方法のヒントを教えてもらえる機会があるかもしれません。ただ中学校教員は小学校で英語の授業をしたことがない方がほとんどです。小学校という発達段階に応じた指導方法を身につけていません。むしろ中学校の先生方が小学校での外国語教育について学び、第2言語習得論にもとづいて中学校での指導にあたるべきだと思っています。

 そこでおすすめなのは、「教科書の読破」です。小・中・高の教科書をとにかく読んでみます。そうすれば、見えてくるんです、つながりが。

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 ここでは、内容のつながりについて1例を挙げてみます。

 例えば、小学校6年生の東京書籍 New Horizon Elementary では、Unit 6 Let's think about our food の単元で「自給率」や「地産地消」が取り上げられています。中学校2年生の同じく東京書籍 New Horizon では、Unit 2 Food Travels around the World という単元で、食文化の歴史や変化について学びます。また中学校3年の同出版社の Let's Talk3「食品選択」で国産野菜か輸入野菜のどちらを購入するかというディスカッションのページがあります。そして、高校の第一学習社 VividⅠの Lesson 7 Japanese Dishes from Abroad では、フードマイル運動から見える問題点を考えます。食べ物はさまざまな国からやってきて食文化が融合しています。エネルギー消費という点から考えると、フードマイルの少ない「地産地消」が薦められます。しかし、発展途上国と呼ばれている国々のローカル経済は、先進国が購買しないとなると、どうなっていくのでしょうか?さらに、そのローカルでは、児童労働という問題もあります。その解決策の一つとして、フェアトレードがコラム欄に記載されています。(中3 New Horizon)

 その他には、「食物連鎖」や「絶滅危惧種」についても小・中で共通のトピックとして取り上げられています。

 このような話題について、VUCAの時代(Voatility: 変動性, Uncertainty: 不確実性, Complexity: 複雑性, Ambiguity: 曖昧性)に生きる子どもたちが、英語で躊躇せずさまざま国の方と議論できる力を身につけておくことは、ますます重要になってきていると確信しています。そして可能ならば、今すぐにでも教室と世界をつなぎ、ディスカッションの機会を持つべきだと思います。もうすでに実践されている先生方もいらっしゃいます。2019年に教育界のノーベル賞といわれる「Global Teacher Prize(グローバル・ティーチャー賞)」トップ10 に入られた、立命館小学校の正頭先生の実践はとても勉強になること間違いありません。


 教科書は、学校に各教科1冊ずつ職員室のどこかに置いてあったりします。また学校に出入りしている副教材を扱っている業者さんに注文すると、学校まで持ってきてくれます。教科書なので、1冊あたり300円~600円ぐらいで安いです。

 ちなみに、大学の初等教育外国語学科と中等教育外国語学科ですら、連携がとれていないところもあるようです。現役の小・中・高の先生方は、無理のない程度で、教科書からそれぞれの校種のつながりを見つけ、目の前の生徒に合わせて内容や指導方法を工夫されていかれるといいかもしれません。ご自身お一人からでも始められて、学びの輪を同僚の先生方から少しずつ広げていき、小学校、中学校の連携ができていけることを願っています。


 1人でも多くの先生方子どもたちに、英語の楽しさ、人生の素晴らしさが届きますように!最後までお読みいただきありがとうございました!

Thank you so much for reading! I hope to see you again soon! Bye for now!

【英語の先生のためのひとことEnglish】

Reading furnishes the mind only with materials of knowledge; it is thinking that makes what we read ours.  John Locke
読書は単に知識の材料を提供するだけである。それを自分のものにするのは思索の力である。

 教科書もこの note もお読みになっていただき、思考してくださると幸いです! 

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