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ワンピース×考察:ルフィとウソップの決闘はなぜ起きたのか?〜ウソップの“非合理な信念“とは?〜【Ep11】

こんにちは、ひとかどさんです。

先週紹介した”非合理な信念”はいかがでしたでしょうか。
自分にも心当たりがある…という方もいたのではないかと思います。
さて、フィクションの世界ではありますが、この”非合理な信念”が度を過ぎると、例え信じ合っていた仲間ですら崩壊することがあります。
それがそう、漫画『ONE PIECE』の辛過ぎるシーン、「ルフィとウソップの決闘」ですね。

これまでの航海で、苦楽を共にしてきた仲間、海賊船ゴーイング・メリー号がボロボロに傷つき、修理のために訪れた水の都・ウォーターセブンにて、メリー号の扱いを巡って、ウソップは船長であるルフィと大喧嘩、そして決闘、果ては一味離脱にまで発展します。
この時のウソップの思考は明らかに、「非合理な信念」のオンパレードでした。

逆責任転嫁

まず、船大工の査定を受けて、船を乗り換えることに決めたと発言するルフィに対して、ウソップは「自分が船の修理代(2億ベリー)を盗られたから修理費用が足りなくなった」と考えました。
これは、船大工の査定結果(この船は直せない)を無視した、「逆責任転嫁(周りの悪いことは全部自分の責任だと考える)」と言えるでしょう。

心のフィルター

その後、メリー号はもう直せないと説明するルフィに対して、ウソップはメリー号を見殺しにする気なのかと発言。
「仲間でも人間と船とじゃ話が違う!」と主張するルフィ(この時のルフィは珍しく正当な常識人に見えました笑)に対し、この時のウソップには「心のフィルター」がかかっており、自分に都合の悪いことには聴く耳を持ちません(その後、フランキーとの会話の中で、ウソップ自身、メリー号がもう直せないことはわかっていたことが判明します)。

レッテル貼り

そして、自分で船を直そうとするウソップに、ルフィからお前は船大工じゃないだろうと言われると、船大工の査定は間違っている、「無責任な船大工なんかおれは信じねェ」と船大工=「他人の船は人ごとで、無責任な査定を下す集団」という「レッテル貼り(根拠がないのに真実だと決めつける)」をしてしまいます。

読みすぎ・決めつけ

最終的に、いい加減にしろとルフィに張り倒されたウソップは、「使えねェ仲間は切り捨てて進めばいい」「弱ェ仲間はいらねェんだろ!」とまさに「読みすぎ(そんなことは言われていないのに勝手に解釈する)・決めつけ(自分の視点だけで物事を判断する)」な思考回路となってしまっています。
こうして、ウソップは、船長ルフィに決闘を申し込み、麦わらの一味を抜けるのでした…。

後になって、対ブルーノ戦では、新技ギア2を発動させたルフィ。
その時のセリフは、

”青キジ”に敗けた時、おれは思ったんだ…
この先の海に、またこんな強ェ奴が現れるんなら、おれはもっと強くならなくちゃ、仲間を守れねェ…!!
おれには強くなんかなくたって、一緒にいて欲しい仲間がいるから…!!(モンキー・D・ルフィ)

『ONE PIECE』巻40:第387話“ギア”

でした。
文脈上はロビンのことを言っていたとしても、ルフィの気持ちとして、一緒にいて欲しい仲間にはウソップも含まれていると考えられます。
ウソップの「読みすぎ」思考とは真逆のことを考え、強くなることを決意していたルフィのことを思うと、ウソップとの大喧嘩と決闘がどれほど辛いことだったのか推し測れるというものです。

いかがでしたでしょうか。
”非合理な信念”は、時にこれまで作り上げてきた人間関係すらも壊してしまいかねないということですね。チョッパー先生、ウソップの体の傷を治すだけでなく、”非合理な信念”と強い思い込みを解消する心理セラピーもお願いします!笑


【参考資料】
『ONE PIECE』巻35“船長”
『ONE PIECE』巻40“ギア”

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#心理学

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