陥ってませんか?社会的な「ドラマ」ゲーム【Ep44】
こんにちは、ひとかどさんです。
【④社会に良い影響を与える人になる】ためのMAPのアイディア、その4つ目はスティーブ・カープマンが提唱した”ドラマ・トライアングル”です。
ドラマ・トライアングルとは?
皆さんはテレビや動画配信サービスで「ドラマ」を見ますか?
「ドラマ」とは脚本があり、それを役者が演じるエンタメの一種です。
この社会もそんな「ドラマ」みたいなものだ、と言われたらどう感じるでしょうか?
「この社会は、人々が役割を演じている社会依存のドラマ(演劇)である」
そんなふうにカープマンが考えたものが”ドラマ・トライアングル(三角形のドラマ)”のイメージです。
したがって、ポイントは、次に挙げる3つの役割と、人は知らずにそのいずれかを「演じている」場合が多いということになります。
役割1:迫害者(Persecutor)
1つ目は、「迫害者」という役割です。
「何もかも、お前が悪い」という態度で
「他者(社会)を責める私」を演じるのです。
ポイントは、この役割の演者は、「責める」という行為を通して、
自分を肯定する優越感に浸っており、
自分は悪くない、悪いのは他者や社会だと捉えているのです。
役割2:犠牲者(Victim)
2つ目は、「犠牲者」という役割です。
「あー、なんて自分は可哀想なんだろう…」という態度で
「可哀想な私」を演じるのです。
ポイントは、この役割の演者は、社会や他者は悪くない、悪いのは自分なんだと捉えていることです。
役割3:救済者(Rescuer)
3つ目は、「救済者」という役割です。
「あなたはなんて可哀想なんでしょう、私が助けてあげましょう」という態度で
「助ける私」を演じるのです。
一見社会に良い影響を与えてそうなこの役割ですが、
ポイントは、この役割の演者は、「助ける」という行為を通して、
自分を肯定する優越感に浸っていることです。
したがって、この役割は、「偽善者(偽りの救済者)」とも呼べるでしょう。
三すくみの依存構造
まず、「役割1:迫害者」がいるから、
「役割2:犠牲者」が生まれるわけで、
この2者の「誰かを責めたい」、「責められることで誰かにかまわれたい」という
需要と供給がマッチしている点で、
役割1と役割2は「相互依存的」です。
次に、一見すると、責められていて辛そうな「役割2:犠牲者」ですが、
これすらも、「演じている」というのが重要です。
なぜなら、「可哀想な私」を演じていれば、
誰か(=「役割3:救済者」)がかまってくれるからです。
そして、「役割3:救済者」もそんな犠牲者を世話することで優越感に浸りたい。
だから、役割2と役割3も「相互依存的」なのです。
最後に、「役割3:救済者」が本当の救済者なら、
「役割1:迫害者」がやっていることをやめさせる方が望ましいはずです。
しかし、そうしないのは、自分にとって利がないからでしょう。
むしろ、犠牲者を表面的に助ける方が都合がいい。
そして、それは迫害者の行動を助長させることになります。
したがって、役割3と役割1も「相互依存的」です。
終わりに
社会依存のドラマ、”ドラマ・トライアングル”。
学校や職場のようなコミュニティ、
さらには、コロナ禍の日本社会や、ウクライナ情勢下の国際社会など、
この「ドラマ」は意外と身近に起きているのかもしれません。
カープマンは、「このようなドラマを認識し、どの役割も演じずに、このドラマゲームから抜け出すこと」を提案しています。
それが、「自由に社会と関わる生き方」だから。
あなたは、「社会」とどう関わりたいですか?
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