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映画を英語でレビュー#28 母なる証明  Mother (2009)

少女殺人事件で捕まった息子の冤罪を信じて母は戦う

ある日少女が殺され、息子が逮捕された

この映画の主人公はタイトル通り、母親です。彼女の息子はトジュン。知的障害があり、悪友とつるんで遊んでいることがお母さんの頭痛の種。また、家も決して裕福ではなく、お母さんは毎日違法の鍼治療をしながら家計を支えています。

そんなある日、女子高生の遺体が発見されます。実はトジュンは前日の夜、彼女に声をかけても相手にしてもらえず、その様子を見ていた人の目撃証言などから、容疑者として捕まってしまいます。うまく自分を弁護することができないトジュン。役に立たない弁護士。母親は、自分の息子がそんな犯罪を犯すはずがない、と必死で真犯人を探しますが、、、。

ここから先はネタバレになるので書けませんが、韓国映画特有のどことなく暗い雰囲気を楽しめる映画で、ストーリーもよく考えられていて、見応えがあるので、ぜひ見てほしいです。


韓国映画が熱い

私がアメリカに留学していたころ、とても映画が好きなアメリカ人の友達がいました。彼は、アメリカ映画だけでなく、ヨーロッパやアジアの映画など、様々なジャンルの映画を見ていたのですが、彼が私によく勧めていた映画が、「箪笥〈たんす〉」、「親切なクムジャさん」という韓国の映画でした。どちらもなかなか怖いし、癖が強いので、見るときは覚悟した方がいい作品でしたが、確かにかなり見ごたえのある作品です。

最近では、エミー賞で「イカゲーム」が監督賞等受賞して話題になりましたが、韓国はエンタメに非常に力を入れているイメージがあります。私の韓国映画の印象は(私はあまりラブコメ系は見ないので、それ以外のジャンルです)、容赦ない暴力描写や、すごく暗いテーマを扱っているのになぜかクスッと笑える皮肉が効いている、生々しい、、、そんな感じです。

この「母なる証明」も、少女の殺人、息子の冤罪、貧困、援助交際、など、かなり重く暗いテーマを取り扱っていますが、皮肉が効いているので、あまり暗くなり過ぎずに最後まで楽しめました。

監督はポン・ジュノ

この映画の監督は、「パラサイト 半地下の家族」で作品賞、監督賞などを受賞したポン・ジュノです。他にも「グエムル 漢江の怪物」という作品も監督していて、どれもすごく面白いです。「グエムル~」はある日突然川から怪物が出てきて、娘をさらわれたお父さんが、娘を救うために死闘するモンスターパニック映画なのですが、韓国社会の闇も上手に描きつつ、モンスターパニック特有のハラハラドキドキな展開もありで、大好きな作品です。「グエムル~」も「パラサイト~」も「母なる証明」も、社会の闇を背景に家族を描く、という点は同じだと思います。

「遺体」は英語でなんて言う?

”女子高生の遺体が発見されます。”
を英訳すると、
A body of a high school girl was found.
となります。
「遺体」は (dead) bodyの他に、 remain(残り、という意味)やcorpse があります。
corpseはより専門的なニュアンスがあります。
いずれにせよ、あまり普段の生活では使わないし、使いたくない単語ではありますが、サスペンスドラマや映画ではよく出てくる単語なので、覚えておくと、より内容に集中できますよ!



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