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[DX事例69]電子図書館サービスでコロナに負けない図書館を作る_東大阪市立図書館

ITコンサル×パートナーCFOのタナショーです。

このnoteではDX事例やIT活用事例の紹介を通して、経営者の方がITを身近に感じたり面白いと思ってもらえることで、企業の成長に役立つ情報をお届けしていきます。

今回は公共施設からのご紹介です。大阪府の中河内地域に位置する東大阪市が運営する電子図書館、「ひがしおおさか電子図書館」による図書館DXです。


「コロナに負けない図書館」とはなにか。東大阪市のDX事例

東大阪市には花園図書館や永和図書館、他にも分室や移動図書館など、市が運営する全6箇所の図書館があります。
コロナ禍において図書館も影響を受けており、緊急事態宣言においては休館も頻繁に実施したため図書館の利用者が減少していたそうです。
東大阪市はコロナ禍の状況であっても図書館の利用を促進したいということで、2021年4月から電子図書館サービスの利用を開始しました。そんな東大阪市の電子図書館の内容について説明していきましょう。


①蔵書数は日本最大級の34,000冊! 「ひがしおおさか電子図書館」

東大阪市は2021年4月1日から電子図書館「ひがしおおさか電子図書館」を開始しています。電子図書館とは電子書籍を貸し出すサービスで、24時間いつでもお手持ちのスマホやパソコンから電子書籍を借りて読むことができます。

利用方法ですが、東大阪市在住の図書館利用カードを持っていれば利用できます。1人3点、2週間までの貸し出しが可能。貸出期間がすぎると自動的に返却となり、返し忘れもありません。予約も3点まで可能となっています。

「ひがしおおさか電子図書館」HPより抜粋

電子図書館のメリットとしては、スマホやPC上で本が読めるので図書館に行かなくても良いことが一番に挙げられます。不要な外出を控えたり、図書館内の混雑を避けることで「3密」を避ける事が可能なサービスとなっており、タイトルにもある「コロナに負けない図書館」を実現できています。
他にも文字を大きくしたり、音声での読み上げ機能もあるため、高齢者の方にも便利なサービスとなっています。

実は東大阪市に限った話ではなく、電子図書館は日本に徐々に広まっているサービスの一つです。電子図書館サービスの種類も複数あり、大手ではDNPや日本ユニシスなどが展開する図書館流通センターの「LibrariE & TRC-DL」や、紀伊國屋書店が提供する「KinoDen(キノデン)」など、様々な企業が電子図書館サービスを展開しています。
現在258の自治体で電子図書館サービスが展開されており、導入自治体は今後ますます増えていくものと思われます。


②市内の小中学生に配布したタブレット端末からも電子図書館が利用可能

1つ目の事例と紐付いたサービスとなります。
東大阪市は2021年7月に、市内の小中学生がタブレット端末を通して「ひがしおおさか電子図書館」を利用できるようにしました。
東大阪市は政府主導の「GIGAスクール構想」に基づき市内の全小中学生約3万人を対象に学習用タブレット端末(iPad)を配布しており、その端末で電子図書館が利用できます。

端末内にインストールされた専用アイコンから電子図書館にアクセスできます。対象となる全生徒に専用IDを付与しているため、生徒たちは図書館の利用登録をする必要もなく直ぐに使い始められるとのことです。

東大阪市「GIGAスクール構想のタブレットを用いて「ひがしおおさか電子図書館」の利用が可能に」より抜粋

学校によっては朝のホームルーム時に読書時間を設けており、「ひがしおおさか電子図書館」の中から好きな本を選んで読書する時間を設けているとのことです。
東大阪市は電子図書館の活用により、子どもたちが学校や自宅等で気軽に本と触れ合えるように、読書環境を充実させていきたいとのことです。


まとめ

今回は経営戦略に該当する資料やニュース等の情報が乏しい状況だったため、いつもの経営戦略とDXの関連性は省略いたします。

いかがでしたでしょうか? 今回の事例は上野動物園の事例と同じく、コロナ禍で入館しづらい図書館対策として「図書館の機能をリモート化」したという事例だったかと思います

IT活用の点がなかったので事例紹介はしませんでしたが、東大阪市図書館では曖昧な情報を頼りにお探しの本を見つけてくれるサービス「リファレンスサービス」があります。

東大阪市立図書館「ビジネス支援のページ」より抜粋

昔読んだ本の出来事や、登場人物などの微かな記憶を伝えると、専門司書がその本を探してくれるというサービスです。読みたい本があるけれども「どんな本だったか思い出せない」、「インターネットで検索することが難しい高齢者」など。目当ての本を探すことが難しい人にとって、とても良いサービスですね。


市民のすべての人に本を読んでもらいたい。
無料でたくさん本と触れ合える機会を提供する。
上記のような内容が図書館の目的意義だと思いますが、今回紹介した電子図書館サービスやリファレンスサービスは、この目的とも合致した内容だったかと思います。

公共サービスのような市民の誰もが使えるサービスを「もっと便利にしたり」、「いつでも」「どこでも」利用できるようにしたい場合、やはりIT活用が有効ですね♪
電子図書館以外にも図書館の機能がどんどんリモート化され、スマホやPC上から「いつでもどこでも」図書館サービスが享受できるようになれば嬉しいですね。
タナショー


参考にさせていただいた情報
ひがしおおさか電子図書館HP
https://www.d-library.jp/higashiosa/g0101/top/
東大阪市立図書館HP
http://www.lib-higashiosaka.jp
東大阪市立図書館「ビジネス支援のページ」
http://www.lib-higashiosaka.jp/?page_id=256
you tube「ひがしおおさか電子図書館がオープン」
https://www.youtube.com/watch?v=I-YbiSfuavI
東大阪市「GIGAスクール構想のタブレットを用いて「ひがしおおさか電子図書館」の利用が可能に」
http://www.city.higashiosaka.lg.jp/0000031680.html
日本経済新聞「東大阪市、日本最大級の電子図書館 22年春に約5万冊」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJB219HN0R20C21A4000000/
日本経済新聞「東大阪市、全小中学生の学習端末に電子図書館」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF055WD0V00C21A7000000/

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