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[DX事例99]ロボットが匠の技を継承し、高精度なクルマづくりを実現_日産自動車株式会社

ITコンサル×パートナーCFOのタナショーです。

このnoteではDX事例やIT活用事例の紹介を通して、経営者の方がITを身近に感じたり面白いと思ってもらえることで、企業の成長に役立つ情報をお届けしていきます。

今回は自動車業界からです。大手自動車メーカーの一角である日産自動車株式会社のロボットを使ったスマートファクトリーです。



革新的な生産技術で作る次世代のクルマづくり!日産のDX事例

自動車づくりといえば極めて高度な生産技術が必要ですね。必要となる部品数も約3万点以上と他業種と比べて群を抜いて多く、組み立てにかかる作業も高い技能を持つ匠の技術が必要です。

しかしながら昨今のコロナ禍の影響や深刻な人手不足・後継者不足により生産性の維持が危ぶまれています。さらにCASEをはじめとしたクルマの機能の高度化により、今まで以上高度な生産技術が必要な状況でもあります。

日産は自動車業界は大きな変革期にあるとして、ロボットを中心とした革新的な生産技術を作り出すために2021年より栃木工場に新しいクルマづくりコンセプト「ニッサン インテリジェント ファクトリー」をスタートさせました。今回はその中から特徴的な技術をご紹介していきます。

Youtube「「ニッサン インテリジェント ファクトリー」での次世代のクルマづくり」より抜粋


①CPM(コックピットモジュール) 自動組付け

運転席前面にあるCPM(コックピットモジュール)の取り付けをロボットが全自動で行います

運転席から助手席までの長広い幅を持つCPMはつなぎ目がなく、車体ボディ部分の取り付ける際には匠の技が必要でした。ニッサンインテリジェントファクトリーのロボットは高精度かつ高速な計測システムを搭載しており、取り付け時には+0.05mm単位で位置を補正しながらCPMを自動で取り付けます。

日産自動車株式会社「ニッサン インテリジェント ファクトリー」より抜粋

従来行ってきた組付け時のバラツキや左右差を抑制する高度な匠の技をロボットにより忠実に再現することができています。



②塗装外観自動検査、統合自動検査装置(仕様&キズ検査)

塗装状況や組み付け時にキズをつけていないか確認するのも大事なクルマ作りの一環となります。
塗装時のチェックについては11台のロボットがボディとバンパーの外観を計6,000箇所も自動チェックします。直径0.3mmまでの大きさならごみやブツの検出率は100%を達成しています。

日産自動車株式会社「ニッサン インテリジェント ファクトリー」より抜粋

統合自動検査では、部品間違いなどの仕様検査やキズの検出を6台のロボットにより自動化しています。仕様検査証明とキズ判別用ゼブラ照明を組み合わせることで、多面的な検査で検出率向上と品質担保を行なっています。


③さまざま情報を集約「リモート設備メンテナンス」

ニッサン インテリジェント ファクトリーではロボットやIoTセンサが導入されており、さまざまな情報をIoTネットワークで繋げています。上述した取り付け作業や検査チェック状況は、作業員が持つスマホやタブレットからいつでも確認することが可能です。

日産自動車株式会社「ニッサン インテリジェント ファクトリー」より抜粋

さらに集中管理センターでは全ての情報が集約されており、何か有事があれば即座に最適な復旧方法を指示することが可能です。従来と比べ、設備故障復旧時間を30%削減しています。

日産自動車株式会社「ニッサン インテリジェント ファクトリー」より抜粋


経営戦略とDXの関連性について

日産はDXとしてもさまざまな取り組みをおこなっていますが、今回はニッサン インテリジェント ファクトリーに絞って経営戦略との関連性をお伝えしていきます。日産は2021年10月に330億円もの大規模投資を行い、栃木工場にニッサン インテリジェント ファクトリーを導入しました。

Youtube「「ニッサン インテリジェント ファクトリー」発表会見」より抜粋

同コンセプトは下記の4つの柱から成り立っています。

①未来のクルマをつくる技術:電動化技術やコネクテッド技術を数多く搭載した次世代のクルマへの対応
②匠の技で育つロボット:匠の技を伝承したロボットによる最高品質の量産
③人とロボットの共生:人とロボットが共生する誰でも働きやすい職場
④ゼロエミッション化生産システム:ゼロエミッションの生産システムを実現し、脱炭素社会に向けた取り組み


現在、自動車業界は大きな変革期にあり、気候変動に対するグローバルな課題解決も待ったなしの状況です。日産はこの危機的状況をチャンスと捉え、日産のDNAの一つであるモノづくりの強さをさらに発展させ、脱炭素化社会に向けた次世代のクルマづくりを推進していきたいとのことです。


まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回はロボットを使うことで、「人手不足に対応しつつも、更なる生産技術の高度化を両立した取り組み」だったかと思います。
高度なモノ作りの代表例といえば自動車ですが、今回の事例は大規模な投資を行い、それに見合った高精度なロボット活用によるDX事例だったかと思います。

もちろん何も考えず、大きな金額をかけてDXをすればいいというわけではありません。何度かタナショーは触れていますが、DXは「今の事業を変革してでも成し遂げたいサービスや戦略があるか」。そして「その変革を実行するための一つの手段としてIT活用やDX技術を使う」という流れが正しいかと思います。

経営的な戦略となれば経営者の出番です。成し遂げたい目標とそれに見合う投資対効果を考え、適切な規模でのDX判断を考えていただければと思います。
タナショー


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参考にさせていただいた情報
日産自動車株式会社「ニッサン インテリジェント ファクトリー」
https://www.nissan-global.com/JP/INNOVATION/TECHNOLOGY/ARCHIVE/NIF/
日産自動車株式会社「日産自動車、「ニッサン インテリジェント ファクトリー」を公開」
https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/release-c252360e116720126985295f9d7480af-211008-01-j
WEB CARTOP「「これが自動車工場?」圧倒されるハイテクの館! 日産「インテリジェントファクトリー」が凄かった」
https://www.webcartop.jp/2021/10/788667/

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