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分身ロボットを通したリモート参加で研修の没入感アップ!?〜DX事例8_アフラック生命保険〜

ITコンサル×パートナーCFOのタナショーです。
このnoteでは経営者にITを身近に感じてもらうための記事や、IT活用のヒント、経営者へのお役に立ちそうな記事をお届けしていきます。

今回はCMでも「アフラック!」と呟くアヒルがトレードマークのアフラック生命保険株式会社となります。タイトルは分身ロボットに関するDXとしていますが、アフラックはそれ以外にもDXの取り組みは盛り沢山あります。DXの取り組みをざっとまとめていきます。

分身ロボットによるリモート研修参加で何ができるのか?

記事タイトルだけではDX効果が想像しづらいと思いますので、アフラックがこの分身ロボットで何をしているのかを詳しく説明していきます。
2019年秋頃からアフラックはオリィ研究所の分身ロボット「OriHime」を導入しました。OriHimeにはカメラ、マイク、スピーカが組み込まれていますので、社員はそれこそ「ZOOM」のように遠隔地からリモート参加することができます。

ZOOMだとリモート参加者はPC越しに顔が表示されるだけの形ですが、今回は実際にロボットとして研修会場に(代理)出席しています。OriHimeには「首」と「両手」が稼働するようになっており、リモート参加者はOriHimeを操作することによって、研修会場でボディーランゲージを取ることでリアルで反応をとることができます。表現の仕方は「うなずく」「首をふる」「手を挙げる」「拍手」などなかなかに多彩です。

01.ロボット研修

関連記事などを見ていただくと面白いのですが、リモート参加者は研修中何か質問があればOriHimeで手を上げる。そして講義の人がマイクをOriHimeに近づけ、リモート参加者が質問を行う、と実際に研修に参加しているのと同じ行動を再現することが可能です。

昨今リモートワークでのZOOM会議にて、研修にしろ会議にしろ、「自分の発言はきちんと聞いてくれているのだろうか」「この説明は伝わっているのだろうか」と思った事はないでしょうか?
画面共有をするととたんに相手の顔が見えなくなります。相手の顔を見ながら相互コミュニケーションが取れていたリアルの会議と比べると、ZOOM会議では発言者とそれを聞いている人との温度差に戸惑った人は多いかと思います。もちろんOriHimeからはその人の表情を読み取ることはできないのですが、自分もロボットを通して「研修会場に出席しているという感覚」は、講義者や参加者両方に取って良い緊張感と相互コミュニケーションのメリットを生んでいます。


保険業会のDXはインシュアテック!まだまだあるアフラックのDX施策

タナショーも初めて知りましたが、金融業界のテクノロジーをフィンテックといいますが、保険業界はインシュアテックと呼ぶそうです。保険(Insurance)と技術(Technology)を組み合わせた造語。
保険手続きにおける煩雑な紙契約をやめ、スマホやネットで契約が可能になる「スマートコントラクト」技術を筆頭に、あらゆる保険業務の効率化・付加価値向上にIT活用が使われ始めています。

今回の記事では分身ロボットをメインに取り上げましたが、アフラックもインシュアテックとして様々なDX施策を打ち出しています。かなりの数なので、こちらも概要のみ図解させていただきます。

02.その他


アフラックの経営戦略とDXの関連性について

最後にアフラックの経営戦略を見ていきましょう。アフラックは2020年9月23日に「デジタルトランスフォーメーション戦略(DX@Aflac)」という策定を打ち出しました。代表取締役社長である古出眞敏氏が総責任者となり、中期経営計画の施策全てに対してDXをフル活用し、アフラックの持続的成長を図る、といった内容となっています。

今後のDX施策の方針としても、「コアビジネスの価値を創出」するために、データ利活用やUI・UXの改善。「新たな商品開発や業務効率」のための基盤の整備、「それらを活用・推進する」ためのDX推進専門組織ならびにDX人材育成を進めているとのことです。

03.ビジョン

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回はアフラック生命保険株式会社のDXの取り組みについてご紹介しました。今までタナショーが紹介してきた会社の事例において、「中期経営計画の一つの柱にDX推進を挙げる」ことはあれど、「全ての柱にDXを組み入れる」というのは初めてご紹介する形になるかと思います。もちろん他の会社もDXにかける思いは同じだったかもしれませんが、代表取締役社長がDX総責任者となり、中期経営計画の達成にDXが必要不可欠であるという姿勢を見せたアフラックの本気度を垣間見ました。
繰り返しになりますが、DXは経営目的を達成するために(または最適なサービスを提供するために)人も組織もガラリと変えていく性質を持っていると思っています。実現には反発が相当数あり、TOPが主導をしなければうまく進みません。ただ、そうまでして生み出す価値は、きっと既存のビジネスモデルにはない、新しい価値を生み出してくれるはずです。
今後もDX事例をご紹介し、経営者の皆さんの「新しい価値」となるような役立つ情報をお伝えしていきたいと思います!
タナショー

参考にさせていただいた情報
アフラック生命保険株式会社
https://www.aflac.co.jp
アフラック生命保険株式会社「アフラック 中期経営戦略(2020〜2022年)の策定について」
https://www.aflac.co.jp/news_pdf/20200204.pdf
アフラック生命保険株式会社「デジタルトランスフォーメーション戦略(DX@Aflac)」の策定について
https://www.aflac.co.jp/news_pdf/20200923.pdf
オリィ研究所「プロダクト紹介 OriHime」
https://orihime.orylab.com
日経XTECH「成果連発!アフラックのDX革命」
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01302/


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