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海からの贈り物【生き物からのラブレター#37】

2月上旬、千葉県銚子市でビーチコーミングの講師をさせていただきました。

ビーチコーミングとは、海岸に打ち上げられた漂着物を拾ったり観察したりする遊びです。

この日のために作ったビーチコーミングの資料

当日は、晴れ予報のはずだったのにどん曇り。そして受付時間にはパラパラと小雨が降ってきました。

あらあら、どうなることやら。

しかしいざ海岸に着いてみると、ひと目見ただけでも、ものすごい量の漂着物!

前の週は今年一番の冷え込みでした。風も強かった。おかげでたくさんのモノが打ち上がったようです。

またこんな寒い時に海岸に来る人も少なかったのでしょう。誰かが歩き回った形跡すらありません。

まさに拾い放題!

この時私は本当に海からの祝福を感じました。

来てくれてありがとう。
みんなを連れてきてくれてありがとう。
たくさん遊んでってね!

と。

磯と砂浜が隣接する素晴らしいスポット!

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私はある人に「ひとでちゃんに生き物からのラブレターがいっぱい届いてるよ!」と言われたことがきっかけで、このエッセイを書き始めました。

今回は本当にど直球なラブレター💌

それだけではありません。

みんなで歩きながら漂着物を拾おうと思っていました。でも、あまりにもたくさん貝殻やら何やらが落ちているので、進めない(笑)

こどもたちが次から次へと、
「これはなにー?」「こんなの見つけたよー!」「ひとでちゃーん!」と見つけた物を持ってきてくれます。

キラッキラの目をして。

私だけじゃない。海はいつでもみんなに分け隔てなくギフトを用意してくれている

生き物だってそう。海に遊びに行くと、いつも生き物たちが「よく来てくれたね!こんにちは!」と顔を出して大歓迎してくれるのです。

夢中で貝殻を拾う私と子どもたち
流木の中に潜んでいる貝を必死でホジホジ

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こういう仕事をしていると、よく海洋ゴミの話をしてくれと言われます。でも私はゴミの話は極力したくない。特に子供には。

海は綺麗なほうがいいに決まってます。環境問題は解決したほうがいいに決まってます。

でも、人間(お前たち)のせいで海が汚れてるんだ、生き物が苦しんでるんだ、と言われて海を好きになるでしょうか?汚い海を大切にしたいと思うでしょうか?罪悪感や義務感からくる行動は苦しいし、長続きしません。

そもそも海も生き物たちも決して私たちを責めてはいません。

それよりも、海って面白い!楽しい!すごい!私たちの地元はこんなにもたくさんの生き物がいる豊かな海なんだ!と自分で感じてもらう。身近な海を誇りに思えたほうが、海を大切にできるのではないでしょうか?

海の恵みを実感してほしい

海の宝探し」と題した今回のイベントでは、自分がときめいた物なら何でも拾ってOK!(危険なもの以外)ということになっています。そうすると、いわゆるプラスチックの欠片などを拾ってくる子もいます。

でも私は「それはゴミだからダメだ」とは絶対に言いません。「面白いもの見つけたね!」「そんなものも流れてくるんだね!」とただ受け入れます。

これがゴミ拾いだったらどうでしょう?ゴミにしか見えないでしょうね。そんなもの捨てろと言われるでしょうね。

それどころか、目に付くものすべてがゴミに見えてくると思います。

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私の友人がアップサイクルという事業をしています。

アップサイクルとは、捨てられるはずだった廃棄物や不用品を新しい価値ある製品にアップグレードすることです。

ビニール袋からバックを作ったり、ハギレから小物入れを作ったり。

従来はゴミとされていたものをゴミにしない。そもそもゴミを生み出さない。今あるものを循環させていく。素晴らしい事業だと思います。

イベントに参加してくれたある男の子は、ぐねぐねと曲がった不思議な形のプラスチックをそれはそれは大事そうに抱えていました。玄関に飾るのだそうです。

サンゴのかけらみたいな赤いプラスチックを見つけた子は、嬉しそうにフォトフレームの飾りにしていました。

そう、まさにこれもアップサイクルだと思うのです。

子どもたちの手によって、従来はゴミとされていたものはとても価値あるものに生まれ変わったのです。

貝もプラスチックもガラスの欠片も、
どれもぜーんぶ宝物♡

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環境問題に取り組みたいなら、黙って勝手にやりましょう。

私たち大人ができることは、そういう姿をただ見せること。

ゴミを生み出さない、モノを循環させる仕組みを当たり前にしていくこと

子どもたちもいつか自分で気づく時が来るでしょう。人は自分の心に響いた時でないと動けません。タイミングは人それぞれです。

でも、今回参加してくれた子どもたちは心からの愛を持って環境問題にも向き合っていけると私は信じています。

だって海からの贈り物をめいいっぱい受け取ってくれたから。

宝物を片手に見せてくれた、あのまぶしい笑顔がその証拠です。

あの笑顔を見るたびに、活動していて本当に良かった!と思います。未来は明るいな!と思います。

ずっと言いたかったことがまとまった♡みんなありがとう!

参加してくれてありがとう♡


☆生き物との出会いや体験を綴るエッセイ連載中☆

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