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1000円札の花びら

先日3歳児用のワークブックを与えてみたら、『金額が大きい方の道を通りましょう』という2択迷路や、『お買い物ができるようにシールを貼りましょう』みたいなページがあった。
なるほど、もう10円玉とか100円玉とかの概念は分かる(かもしれない)年齢なのか。

とりあえず20までは安泰、30まではたまにそらんじることができる程度には数字への理解が進んでいる娘である。
「85」を「ごじゅうはち」と読んだり、どうも右から数字を読みたがるところはあるのだけれど、2桁の数字には多少馴染みが出てきている。あと、「20の次は?」と聞いたら「んー、ひゃくいち!」とか言ったりするので、『100』という数字もちょっとインプットされてるご様子。
3歳児としてこの理解が早いのか遅いのかはよく知らない。多分ちょっと早めくらい?かな?そんじゃまぁ、小銭の見分け方とかをなんとなく教えてっても良い頃かもなぁ。

で。
そういえば百均でもお金のおもちゃがあるんじゃなかったっけーなんて考えたわけである。


あった。

友人に「商品名がストレートで非常に好感が持てる」って言われた。わかる。

個人的には、2000円札が含まれているのがじわじわくる。ちなみにダイソーのこちら、小銭は各5枚ずつ、お札は各20枚ずつ入っている。
「2000円札、今20枚持ってるやついるのか……?」「市町村の全体から掻き集めないと無理なやつでは……」って友人とザワザワしてしまった。いや、私も何枚かはまだ持ってるけどよ。実物見たことない人もそろそろいるのでは……?
で、その20枚がこう、メモ帳みたく『片面だけ糊付けされて固まって』収納されていて。娘がそれを、1枚1枚丁寧に剥がしていく。ピリピリ。ピリピリ。剥がすのも楽しそうでよろしい。尚、剥がしたらもう二度と元の収納箇所には戻せないくらいボリューミィになった。なんか圧縮されてました……?

80枚のお札たちは、ペラペラの薄い紙に、印刷箇所もちょいちょいズレてて(余白位置が結構お札ごとに変わる)、まぁそのへんは百均だなーって感じなんだけど、でもとてもよく出来ている。サイズも本物よりひとまわり小さいし、勿論犯罪に使うには実物との乖離がある……んだけど、パッと見るとちょっと(おっ、お金だ)ってなる。ヘッダー、パッと見本物感あるでしょ?片付けをサボる娘のせいで、我が家の床にあれが常時散らばっているわけである。片付けても片付けても、ちょっとした隙間からまだ出てくる。常にお金が散らばっているゴージャスな家になってしまった。

やったー!
娘ちゃんのへそくりみーつけた!

真ん中の透かし部分(おもちゃなので透かしはない)を娘が「たまご」って呼んでて可愛かった。そうねー、たまごだわね。

これを与えることでお店屋さんごっこがはかどるかなと思ったけど、そこは変わらずエアお金を置いてくるので、意外とこれは使ってもらえない。娘が平仮名を1音ずつなら読めるけど、本を文章では読もうとしないのと似てるかもしれない。それはそれ、これはこれ。
まだ何がいくら、みたいなイメージがリンクしてないもんなぁ。

先日は「お菓子屋さんでーす!」と言うので
「おいくらですか?」と聞いたら、
「……いくらもありまーす!」って返してきたから笑った。ごめんごめん、そうじゃないんだ。というか、よくイクラ知ってたな。
お菓子屋さんなのに急遽魚卵を入荷させてしまって申し訳ない。

とりあえず「これで何か買えますか?」と一万円札を渡したら「はい、肝油です!」と返された。
10000円の肝油(多分1粒)か、すごいな……何使われてんだろ……。


そんなこんなで馴染みがないからか、どうも娘にお札はあまりピンと来ないらしい。
まぁそうね。『1000』も『10000』もまだ読めないから、なんか似たような紙がいっぱいあるなーっていう感じになるよね。お札に書かれた数字を指差して「これいくら?」って聞いたら「んー、1円」って言われたりした。0が4つあるのを豪快にガン無視しよったな。

なので、自然と娘の『おかね』呼びは小銭限定になった。10円玉が一番好きらしい。可愛い。
そんで小銭の見分け方がちょっとだけインプットされ始めてるようなので、それもまた買ってよかったなって感じだ。
「穴あいてる(50円玉)」
「ちょっとギザギザしてるね(100円玉)」
「おおきいやつ(500円玉)」
うんうん、よく見てるねぇ。

で、じゃあお札はなんて呼んでるかっていうと『花びら』って言う。それを少し高い位置から、下に座ってる私に向かってひらひらと落とすのである。

『花びらが落ちるよー』という台詞回しには儚さとセンスを感じるけど、やってることは完全に富豪の遊びである。どこで覚えたんだよ。
バサバサとまとめて落としてくることもあるし、1枚ずつ落としてくることもある。薄い紙なので、本当に花びらのようにくるくると回転しながら落ちるものだから、意外とキャッチするのも難しい。

落とすだけでなく、普通に配ってもくれる。
「ママ、どれ欲しいー?」と言ってもらえるので、嬉々として「これーーーーーー!!!」と万札を掲げさせていただいた。
「お金のプールだよ!」も面白かったけど「なんと、お金のおかわりがあります!」も心からのテンションで「やったーーーー!!!」って叫んじゃった。さっきから台詞回しのセンスが良いな娘。一生言われたい。



うーん、楽しい。正直めちゃめちゃ楽しい。おもちゃだってわかってるのに、もらえたり見つけたりするだけでこんなに嬉しくなってしまうのすごいな。110円(税込)で完全に元を取ったな感がある。
みんなも買うといいよ、予想してたより5倍くらい楽しいです。商品名通り、かなりお金持ち(の気分)になった。

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