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「私はローラよ、いつだってローラなのよ」

この台詞をご存知の方は、どれくらいいらっしゃるのだろうか。
タイトルを見て、あの大人びたハスキーボイスが脳内再生された方がいらっしゃったらいいなぁと思いながらこれを書いている。

これは『オー!マイキー!』という作品のメインキャラクター『ローラ』という女の子の台詞だ。
『オー!マイキー!』という作品そのものはかなり昔のものなので、ご存知ない方も多いかもしれない。Wikipediaによると2000年からの放送。
既に20年前の作品という事になる。
ただ、何故か最近マウスコンピューター社がコラボCMを展開したので、「あぁ、あのMattさんが出てたやつ」と納得された方もいらっしゃるのかもしれない。

作品ジャンルは何と呼べばよいのだろう。
人形劇ならぬ『マネキン劇』といえばいいだろうか。
シニカルな笑いが好きな人には大体刺さる。1話あたりが数分と短いものばかりなのも、気楽に楽しめて魅力だ。

ローラちゃんは、主人公の男の子・マイキーの従姉。12歳の女の子だ。
ワガママでおませ、必殺ローラキックをぶちかまし、男の子たちからカツアゲもする。エセキャバクラを開いて、マイキーを身ぐるみ剥がしたこともある。割ととんでもない女の子ではある。美人だけど。
でもそのとんでもない子は、マイキーに恋をする。
マイキーはエミリーちゃんが好きなのに。
でもってマイキーはそんなローラちゃんの恋心を、悪意なく、元気に踏みにじっていく馬鹿な子なのに。天然って怖い。

でもローラちゃんはくじけない。
自分がマイキーに恋をしていると、ちゃんと認める所がまず格好いい。
その上で、エミリーちゃんにネチネチとした嫌がらせなんてせずに、正々堂々と恋をする。
恋のライバルだけど、エミリーちゃんとオシャレなカフェでお茶をする。
めちゃめちゃ仲良し。マイキーよりも仲良しですらある。
マイキーに対してだって、好きな男の子だから甘やかすなんて事もしない(というか堂々と苛める)。

暴力的でワガママで、でも芯がある。
背筋をピンと伸ばし、凛と立つ彼女はとても格好いい。
マネキンではなかったとしても、彼女の背筋はシャンとしていると思う。
時に弱音を吐くこともあるけれど、またしっかりと前を向く。
後ろ暗いことなんかない……とは言わないか、カツアゲしてるし。
でも今日も彼女は自分に自信を持って生きている。

それがすべて詰め込まれた名台詞がこれだ。

    『私はローラよ、いつだってローラなのよ』

恰好いい。
彼女は作中、何度かこの台詞を吐く。
己に対しても、他人に対しても宣言する。

ふとした瞬間、この名台詞が脳裏を走る。
『これが私よ』と宣言できるような自分を持っている人は、それだけでとても良いなと思う。そう生きたいと思う。
今日も彼女に勝手に鼓舞されて、私はうつむいた顔を上げるのだ。

ローラちゃん


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