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Let's GO パーソナルカラー診断 〜後編〜

ヘイガイズ、待たせたな!後編のスタートだ。
前編はこっち。↓



これは、オシャレやコスメに不慣れすぎてクソザコメンタル発動する系三十路の私が、持ち前の好奇心と軽率さから友人あぶみさんのパーソナルカラー診断に同行し、思ったより色々気付きを得た話。
前回は、己の骨格と肌の色の診断をしてもらったところまで書いた。

そんで、当日はまだそこまで気づいてなかったんだけど、前回自分でnoteにまとめ直しをしながら思ったことがある。
私の「すっぴんでも誰に叱られる訳でもないし、もう結婚してるし、誰に綺麗な自分をアピールしたい訳でもないし、面倒だし、お金もかかるし、別に化粧しなくてもいんじゃね?」の思考回路、例えるならRPGゲームにおいて、「私が魔王城に乗り込む訳じゃなし、別に初期装備で良くね?」状態に近いのではないかと。
いや、いいか?それで本当にいいのか?
周りがそれを許してるのっていうのは「まぁそういう生き方もあるよね」っていう許容な訳だけれど、これ私の職業が勇者だったら許されないことだと思うわけよ。「いやいつまで『ぬののふく』と『ひのきのぼう』愛用してんだ、ちゃんとエクスカリバー持てや!!」って怒られないのは、私の職業がモブだと思われているからだ。勿論「ようこそ、ここははじまりの街ハジマーリ」とか教えてくれるNPCも大切な役割を担ってくれている1人なんだけど、それはそれとしてお前の人生は本当にそれで良いのかと。
勿論それでいいよっていう人もいるだろうけど(それはそれで全然否定しないよ!)、人生を自分が主人公のゲームだと捉えてしまうと、私としてはなんともいいがたい気持ちになる。ゲーム全く進まねぇ。

自分で前回『きのみ』の例えを出したせいで行き着いた思考回路ではあるけれど、なんというかそう考えてしまうと、もっとちゃんと装備を整えたい気持ちになってきた。
毎日真剣に化粧をしなくても良いと思うけど、いつでも戦えるように、最低限の装備や戦闘知識は身につけておきたい。我ながら例え話がやや迷走し始めているけど、まぁうん、『ぬののふくとひのきのぼう』状態からは脱出したい。重課金者にならない程度に、こうほら。ね。


とはいえ、そうしっかり思えるようになったのは帰宅して2、3日後からであって、この時はまだ「診断してもらって楽しかったなー、まぁ追々役立ったりもするでしょう」くらいに捉えていた。
ただ、事前にあぶみさんと約束もしていた。
『せっかくだから、診断してもらった後メイク道具を買って、カラオケルームとかで実際にメイクもしてみよう』と。
事前に取り決めていたにも関わらず、ロフトの化粧品コーナーの前に立った私の心境、完全に『初めて敵にエンカウントした冒険者』状態。いや、初めての敵ってまぁなんとなく適当にやっても勝てちゃうイメージが強いけど。えーとあれ、初めてポケモンを持ってマサラシティを出たばかりくらいの気持ちかな。
えぇとえぇと、なんかよくわからんけど、確かむしポケモンならほのおの攻撃が効くって聞いた!個体値とか難しそうな話はわからん!とりあえず行けヒトカゲ!くらいのアレ。
さっき得た知識(この色はイエベオータムとやらだな多分……)だけを頼りにレッツバトル。足はガクガクです。緊張するYO!

とりあえずうろうろオロオロしてる私を、あぶみさんはめちゃめちゃ引っ張ってくれた。

「ひとでさんは眉マスカラが良いと思うんですよね!鉛筆タイプよりこっちの方が良いと思いますよ、オススメ!」
「アイライナー、これが短くて使いやすいの。長めの方が使いやすいとか、こだわりあります?ない?おっけー」

な、ないです。なんせこだわれるほどの知識がない。眉マスカラっていう存在をまず初めて知った、マスカラってまつ毛のやつだけじゃねぇの?すげぇバシバシ決めてってくれる、ひぃ助かる。
リップの好みなどはあるかと言われて、何を答えれば良いかわからなくて「えっと……ベタベタしないやつ……?」って答えました。なんだその答え。なるほどこいつわかってねぇと察してくれたあぶみさんは、すぐ傍のPOPを指して「こういう、唇の先だけちょんちょんって塗る塗り方が好きとか」って聞き方を変えてくれた。あぶみさん、実はここの販売スタッフのバイトしてたりなさる?
(「そんな技術のいる塗り方はできませんが!」て言ったら「技術いらねえwww」って笑われた)

なんか結果的に私の化粧品ばかり買ってた気がする。元々あぶみさんがパーソナルカラー診断したいっていうのに便乗してる組のはずなのに、なんだか申し訳ない(って言ったら、「忘れてるかもしれないけど、私もちゃんと買ってますから!」って返された。そうかもしれんけど!割合的になんかこう!!すみませんでもありがとうLOVE)。

折角なので購入したものをメモっておく。
・眉マスカラ:エテュセ アイエディション(ブロウマスカラ)
・アイライナー:デジャヴュ ラスティンファインE 筆リキッド(ショート)
・アイシャドウ:リンメル ロイヤルヴィンテージ アイズ 017
・チーク:サナ エクセル オーラティック ブラッシュ AB04

を購入。
アイシャドウとチークはヘッダーのやつ。
すげぇ、羅列はしたけどメーカー名もシリーズも全く馴染みがない!ある程度慣れてる人は「あー、あれね」ってわかるんだろうなきっと。私がコピックのY08っていったらあの色だなとか、PENTAXのQっていったらあのカメラねハイハイ懐かしいねってなるみたいな、あの感じ。ね。
私と同じく馴染みのない皆様宛に書くと、確か大体2000円未満くらいずつのやつです。一気に買うとそこそこ出費だけど、まぁそれはしゃーない。これくらいまではプチプラ枠と思っていいのかな。

ほんとは、一度店を出て、ブランドコスメ系が並んでるテナントの1フロアって言えばいいんですかね、あれも色々歩いた。
私が1つあたりの値段にびびってるのを「値段は!とりあえずいいから!このお店の雰囲気が好きだなーとか、この色気になったなーとか、まずはそれを!見よう!!!!」とぐるぐる連れ歩いてくれるあぶみさん頼れ過ぎる。ほんとに好きなものを探す時は値段のことは一旦忘れるべきっていうのは、思考回路として正解だと思うんだよね。
とはいえこの時はまだ前述の「ちゃんと装備整えなきゃ!」の意識が芽生えておらず、「結局お化粧、長続きしないんだよな……またすっぴん生活にすぐ戻りそうだからあんまり高いのもなぁ」の思考の方が強く。
まーーーーぁね、ひのきのぼうしか持ってなかったやつにいきなり「中途半端に鉄の剣とか買ってもしょうがないって!ちゃんといいもの買おう!ほら伝説の剣」って出されても「いやそうかもしれんけど!わかるけど!無理無理無理!!!」ってなるよね。今これを打ってる私、地味にこの日を境にちゃんと毎日お化粧して出勤するところまで進歩したので、なんかこうあぶみさんの言うこともこの日の私の気持ちもどっちもわかるな……みたいな目で当時のことを思い出している。たった1日で、相当肩の力抜けるようになったな……。

実際、「求めてるのはこの色では……?」みたいなやつが、意外とプチプラの中にない。微妙に色が暗いな……とか、もうちょっと黄色み抑えてほしいんだよな……とか、4色パレットなら1色はいいんだけどこの色使わねぇな……とか、なんか「お、惜しい!!!」みたいのが結構多い。
似たような赤やピンクがいっぱい並んでるように見えるのに。ちゃんと選ぼうとすると、その微妙な色合いの違いが、絶妙に「違うなぁ」になってくる。不思議。そうなった時に、ブランドの「こ、これだーーーー!!!」みたいのは多分あるんだと思う。後は発色の良さとか、伸びの良さ、落ちにくさとか、多分そういうのが全然違うんだと思う。よくわからんけど。多分。
だからちゃんと気に入ったものがそこにあるなら良いもので買えっていう、それは正解だと思う。
結局この日はびびりきってプチプラ側に戻ったけどさ。

しかし、あぶみさんがもう全部店員さんとのやりとりまでやってくれたな……。
「今パーソナルカラー診断に行って来て!この子がブルベのサマーなんですけど」だけで店員側もすぐ伝わる。めちゃめちゃ市民権を得てるな、イエベとかブルベとかのそれ。あれ、実は義務教育でイエベブルベの診断する授業とかみんなやってたりする?私がその授業で寝てただけ?


カラオケルームという個室を得て、あぶみさんはしっかり私のメイクを見てくれた。
「持ってる化粧品がこれとこれ。いつ頃買ったやつです?わかんない?ふんふん。なるほど大体わかった、その時その時でなんか良さそうと思ったものを買ってますね?
名探偵なの?

もうこれとこれは捨てていいよまでしっかり分別してくれたし、メイクの仕方も全部指導してくれた。
「ファンデーション塗りすぎですね、もっとちょんちょんって部分的につけて薄く広げて」
「アイライナーは目のキワを引いて、『ここからここまで目です!!!』って主張するとこまで引くんですよ」
「チークは3を描くように置くの」

そんなギリギリんとこだったとは……


理解してないことが多すぎて笑う。
お化粧、人に見てもらって教えてもらえる機会、そんなないよなぁ。私これ、あぶみさんに指導料とか払わなくてよかった?だいじょぶ???

地味に「ひとでさん鼻が高いから、鼻筋にコンシーラーあってもいいけど別にいらないと思うよ」って言ってもらったのがちょっと嬉しかった。
鼻が高いって言うより、のっぺり長めであんまり綺麗じゃないと思ってたので。自分の自信ないパーツをポジティブに言ってもらえるの嬉しかったです。えへへ。

脳みその、普段全然使わないところを駆使して、1日中歩き回って、すごく疲れた。でもめちゃめちゃ学んだし、楽しかった。
実はつい昨日も1着服を買ってしまった。
今まで全然手を出してこなかったラベンダーカラーのやつ。楽しいねぇ。オシャレへの抵抗、この日でほんとに相当減った。行ってよかったなぁ、えへへへへ。



ところで、この日からしばらくしてから母にメールを入れる機会があったので、ついでに診断をしてもらった話をした。
普段化粧をしないから、良い学びになったと。

返事はこうきた。
「上に塗りたくる化粧よりも、朝晩の基礎化粧(+紫外線対応)の方がずーっと大事だよ」
「もともとひとではシミやしわが無くて肌がきれいなんだから、それの維持を丁寧にした方が将来的にはずっといいと思うよ。」

あぁなるほど、こういう教えの中で、じんわりと呪いをかけられていったんだなと、その一端を見た気がした。
母のこの教えは、決して間違ったことは言ってないし、あくまでも善意からくるものだ。私が小学生だったら、多分母の意見の正当性をプッシュする大人はもっと多いだろう。どうか勘違いしないでほしい、良い母なのだ。

ただ、今回の件に関して私が欲しかった言葉はそれではなかったなと。
私も娘が大きくなった時に、かける言葉を間違えないようにせねばなぁと、そう深く思った次第。

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