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組織頼みから個の時代へ

これは2020年9月11日の日経新聞の連載記事「パクスなき世界」の見出しです。この記事から学校の探究学習の必要性について書きたいと思います。


米ビジネスSNSリンクトインが提供するオンライン講座がたった1ヶ月で学習した時間が400万時間を超えて、世界の人が年換算で450年分超学習したそうです。このことをマイクロソフトの現CEOは「変化の中で、人々は新しいスキルを習得し機会を広げることに飢えている」と言っています。


ライフ・シフトの筆者でるイギリス学者リンダグラットンさんは、人生100年時代で我々は学び続けなければならないと言っています。これは、1つの仕事を60年続けるということは現実的ではなく、キャリアチェンジをしていくことが当たり前になる、そのスキルアップをしていくために学び続ける必要があるということを言っています。この時期から「リカレント教育」という言葉をよく聞くようになりました。


話を戻して、この日経の記事では、コロナの影響で、シンガポール航空の副操縦士を務めていた日本人男性が、4月に退職を勧告されて、帰国後ウーバーイーツの配達員を始めたということが書かれてありました。ウーバーイーツの配達員がどうのこうのではなく、このコロナ禍では、操縦士の免許や操縦士歴も無力だったということが書いてあります。


突然のウイルスは特定の組織や価値観との結びつきに依存する社会の脆さを露呈させました。一方で自身の強度を高め、新たな繋がりを作り、個のポートフォリオの組み替えをしていくことを自身を守るという新しい文脈の社会が出てきました。


アフターコロナは元の世界に戻ることは無いと思います。GAFAと呼ばれるIT企業の好業績はコロナで加速されたと言われています。でも、コロナが来たから変わったというよりは、コロナが来たから速まったという見方が強いようです。


このような混沌とした(VUCA)時代に必要な力なんでしょうか。月並みな質問かもしれませんが大切な質問です。それは「自ら課題を見つけ、解決する資質・能力」だと思います。NEWTYPEという本で山口周さんが、これからは課題を発見する人の価値が高まると言っています。これは時代性です。テクノロジーが進化したので課題解決はコモディティ化したということです。
そして、この「自ら課題を見つけ、解決する資質・能力」は探究学習で身につけるものです。与えられた課題を解決する今までの勉強では今の時代についていくことに限界が見えてきました。


しかし、この「自ら課題を見つけ、解決する資質・能力」を総合的な探究の時間だけで身につけるのは限界がある。ということで次期学習指導要領では、◯◯探究が増えたのだと僕は認識しています。◯◯探究ではなくても、「主体的・対話的で深い学び」をしてね、というのはそういう探究的な要素があるからだと思います。様々な教科で多様な視点を持ち、「自ら」課題を見つけて解決していく手段を身につけようというのはまさにこれからの教育だと思います。


ということで、まとめると、探究学習は、教育と社会をシームレスにする学習なので、社会にとって必要なものであり、その社会を創る若者にとっても必要な学習であると思います。


最後に、その探究学習を進めるための、喫緊の課題は、おそらく、僕ら教員がそのことを理解することだと思います。理解しないと意味が薄くなるような気がします。でも、なんか総探の指導要領とか読むと文章が多くて読む気に慣れないし。だからとにかく探究しようぜってなっているのかなと。しかも、高校としては、大学受験が変わらないと(ポートフォリオも微妙になっているし)結局何も変わらないような気がしてなりません。そういう意味でも、この文脈が大事なような気がしている今日この頃です。


ちなみに探究は大人でもやるべきだと思います。理由は上に同じです。この大人の探究はビジネスの匂いがするんですよね。リカレント教育と織り交ぜて。

日経の記事から無理やり探究を探究しました!かなり個人的な見解です。

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