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[一般・妊婦さん向け]妊娠中に押してはいけないツボ、押しちゃった?!

こんにちは 鍼灸師のひとちん先生です。
一児の母。絶賛子育て中。すきなおでんの具はもち巾着です。


今回は『妊娠中押しちゃいけないツボ、押しちゃった!?』についてです。



Googleなどで検索すると 他の人はこちらも検索 に
「妊娠中に押してはいけないツボ」
「妊娠初期 ツボ 押してしまった」
「妊娠中 合谷 押してしまった」
「妊娠中に押してはいけないツボ」 
など、“妊娠中 ツボ“という事に対して付 随して沢山の不安が伺えるネガティブワードがラインナップされている事が見てわかります。

本来ツボって心身を治したり整えるものなのに〜〜〜
ダメなことってあるの〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ぎイィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!

ということで早速解説していきましょう。




我々鍼灸師などが使用する東洋医学や経絡経穴上、妊娠中にアプローチしてはいけないツボ(禁忌穴)として

合谷・三陰交・肩井などが挙げられます。

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これらは通常であれば使用頻度の高いツボなのですが
妊娠時においては古典などにも“堕胎穴“として禁忌とされています。
実際これらのツボにある量の刺激を加える事で子宮収縮が促進されるので、生産期までは使用しないことが一般的ではあります(ただし例外有り)


一般の方でも特に合谷・三陰交は知っている方が多く、肩凝りや月経関連などで使用され、手足の触りやすい位置にあるので
妊娠と関係なくセルフマッサージなどした後に禁忌穴だと判明し、上記の検索結果にもあるように「押してしまった」につながっているのかな と推察されます。


…ということで 先に結論から申し上げますと

『素人の方が自分の指で数分くらい適圧で押したり揉んだりした程度なら基本的には問題なし』

というのが私個人の見解です。
(素人って言ってゴメン。でもそこがミソでもある)

なぜかというと、果たして
“正しいツボ“に
“的確“に
“内臓などを動かすほどの強い刺激を一般の人が入れられるのか?“
という疑問が浮上するからです。

決して 君たちツボなんか正しく取れないだろ、と言っているわけでわありません。
ただ、私のような東洋医学や経絡経穴を使用している者からすると 治療を行う上で正確な取穴(ツボを見つける事)は基本であり、少しでもズレていると効果がないし
正確だからといってそのツボに対する刺激の量や種類(指圧なのかお灸なのか鍼なのか等)によって効果が変わったりするので、
果たして皆さんが自分で合谷や三陰交などを多少押したところで
流産などの“最悪の結果“につながるか、というと可能性は極めて低いのでは?と感じます。




ただ、気をつけたいケースとして考えられるのが 例えば
・肩こりや頭痛がひどいから合谷や肩井をこれでもかと押し棒のようなもので強く何度も治るまでグリグリに押した
・むくみがひどいので三陰交を何十分も強くマッサージした
などという場合です。
かなり極端な例を挙げましたが『妊娠時』という状況において
上記の場合“それはちょっとヤバいかもしれない“という判定になります。

上記の例で共通する部分があるのですが、わかりますでしょうか?

それは 刺激の量の多さ です。

肩こりや頭痛が痛すぎるからツボを強く押す、マッサージが長ければ長いほど効果がある、というのは 間違いでも正解でもある のです。

施術者からすると、症状や体格や諸々によって強めにアプローチすることもあるし、治療時間が長い方が単純に全身に対しての施術を余裕を持って行えるので効果もより発揮しやすいなどといった点から正解とも言えます。
ですが 知識の薄い状態で、いくらツボに的確に入っていなかったとしても 硬い棒などで何度も強く押したり、何十分・何時間やっていては刺激過多になるので不正解となるでしょう。

極端な例を挙げたので そもそも上記のように行ったとしても通常は
押している箇所が打ち身のように痛んでそれ以上押せなくなると思うので
いわゆる刺激過多で最悪の結果になる、という確率は低いと思います。


人の刺激量というのは本当に千差万別で見えないものなので
同じツボ・同じ圧を加えても効果が弱い人もいれば、効果が強すぎてしまう人もいます。
同じ人でも体調・体格・状況などによって変化したりもします。
日々のセルフケアというのは治療家からしてもとても素晴らしい事なので
疾患や状況問わず全ての方に習慣化して欲しいくらいのものではありますが
「妊娠中」という点においては 注意をするに越したことはないし、正しい知識を持っていたほうが良いと思います。



*まとめ
多少押したくらいなら ほぼ心配しなくてよし。
自分で習慣的に押すがあるなら『妊娠中』はやめておいたほうがいい。
妊娠中のケアはプロに任せて、先生からの指示が出たセルフケアは行うこと。



不安で色々と調べているかと思いますが
ここにたどり着いて 少しでも皆さんのモヤモヤが拭えたら…という思いで執筆しました。
正直こういう疑問ってその辺の医者の99.5%はちゃんとした回答できないと思うので ケア含めて餅は餅屋、我々に頼っていただくことをお勧めします。


また無料開放中の「妊婦さんの鍼灸基礎治療 妊娠初期〜後期編」にプロ向けに少し掘り下げた事を書きましたが簡単に要約すると禁忌穴とされてるツボは刺激量に気をつければ使ってもいい(我々の現場ではつわりなどで使わないといけない時が結構な頻度である)けど慎重におやりよ、ということが書いてあります。
気になる方はそちらも読んでみてください。



最後になりますが…みんながみんな多少ツボ押したくらいで最悪の結果になるんだったら………
逆に我々鍼灸師なんか…全くいらない存在になります…そうでしょう…?
だからあまり心配しないでください……
そして ツボや鍼灸・マッサージは正しく使えばいつだって自分を助けてくれます
怖がらないで、嫌いにならないでいてくれたら嬉しいじゃんね……………





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