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カンブリア宮殿から:サガミHD

私が欠かさず見ているテレビ番組の一つにテレビ東京の「カンブリア宮殿」があります。番組を見るのと合わせて、マーケティングの分析を簡単に行っています。
今回は先般の放送で取り上げられた「サガミホールディングス」について、書いていこうと思います。サガミホールディングスは愛知県名古屋市に本社を置き、「和食麺処サガミ」を中心に中部地方でファミレスを展開する企業です。2002年に伊藤忠商事から出向した鎌田会長により、V字回復をしたということでした。

サガミが成功した理由

①明確なターゲティング

番組内で印象的だったのが、利用者の年齢層が高めだったことです。おそらく、お孫さんがいるような、おじいちゃんおばあちゃん世代をメインターゲットにしているのだと思います。
実際に、料理のボリュームが多かったのを少なめのメニューを用意し、座敷席をテーブル席にして食事中の足の負担を軽減したそうです。
それまでは大手のレストランと競争し、値引きに走っていたのを、ターゲットを明確にすることで、ポジショニングを変えることに成功しています。

②顧客視点でのサービス展開

メインターゲットが明確になることで、サービスの内容も顧客視点に変わりました。
例えば、「いつもの」の注文でメニューはもちろんですが、パンに塗るバターとジャムの組み合わせやコーヒーの温度まで覚えていて、その通りに提供してくれるそうです。年齢が高くなると、一般的には新しいものを試すよりも、自分の中の定番を選ぶ傾向があるかと思います。その定番をお店側が覚えてくれるのは、ユーザーにとっても便利でしょう。通常のファミレスではこのような対応はありませんので、差別化に繋がっています。
また、蕎麦や天ぷらの品質もあげ、専門店並の味にしたそうです。お店自体も美味しくなれば、行って間違いのない店=自分の中での定番ポジションになることが出来ます。

このような変革の中で、サガミは「行って間違いのない和食レストラン」というポジションになったのだと思います。普段の食事はもちろんですが、ちょっと贅沢できるこだわりメニューの展開もあり、子供夫婦が孫を連れて遊びに来た時にみんなでご飯を食べに行く、といったシーンにも対応出来ます。
ターゲットを明確にし、顧客視点のサービスを提供することで、おじいちゃん、おばあちゃんの定番なれたことが成功の要因だと考えます。

その他感想など

今回参考になったのは、会長が改革を進める際に社員ではなく、顧客に直接アンケートを取った、ということです。
会長が就任して、現場を見ながら問題を指摘、今までのやり方を変えよう、といくら言ってもなかなか変わらなかったそうです。そこで、顧客にアンケートを取り「私がこうして欲しいではなく、お客様がこうして欲しいと言っている」という形で意識を変えたそうです。変革は客観的なデータと共に進めるとスムーズになるかもしれませんね。


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