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#25. 満たされゆくのは悲しいことか
語源の世界を辿っていくと、おどろきのネタに事欠かない。
たとえば「悲しい」気持ちを表す英語は、誰にもおなじみ sad だが、この英単語、もとはと言えば、「満たされている;満足している」という意味だった。
「満足」と聞いて真っ先に浮かぶ satisfy とも、語源的にはつながっている。
これがどうやら、「満たされている」→「重い,苦しい」→「うんざりしている」→「幸せでない」という意味の変化を経たようだ。
先人たちのアクロバティックな連想ゲームに、ツッコミどころは多々あるけれど、細かい話はさておくとしても、「満足感」を意味した言葉が「悲しさ」を示すようになるとは、なんとも考えさせられる。
そういえば日本語でも、「いっぱいいっぱい」といえば必ずネガティヴなニュアンスが伴うし、「腹八分目に医者いらず」という慣用句は、満腹になるまで食べずにおいて、少し控えめにしておくことが、最良の薬だと教えている。
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「満たされ過ぎると不幸につながる」
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...... どうしてだろう、満員電車の中つぶやくと、説得力が格別である。
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