マガジンのカバー画像

小説『望郷の形』(完結済)

18
この世界にうまく馴染めない私たちに向けて書きました。約2万字、うっすらSFです。
運営しているクリエイター

2023年1月の記事一覧

小説『望郷の形』あとがき

小説『望郷の形』、完結しました。お読みいただいた方は本当にありがとうございました。  我…

直凪
1年前
7

【小説】望郷の形(エピローグ)

〈最初へ〉 〈前へ〉  縦に長い直方体の台の上に敷き詰めた小石。その上に純白の卵をそっと…

直凪
1年前
9

【小説】望郷の形(14)

〈最初へ〉 〈前へ〉 「こんな時ですが、ご依頼の話をしましょうか」  肩を落としたシーさ…

直凪
1年前
3

【小説】望郷の形(13)

〈最初へ〉 〈前へ〉  出立は明日ということになった。  スバルは兄の部屋から動こうとせ…

直凪
1年前
3

【小説】望郷の形(12)

〈最初へ〉 〈前へ〉 「スバルさん」  シーさんが静かに呼びかけた。 「満潮時の道を渡っ…

直凪
1年前
6

【小説】望郷の形(11)

〈最初へ〉 〈前へ〉  ごろごろと岩の露出した山道をシーさんの先導で上る。  こうしてい…

直凪
1年前
6

【小説】望郷の形(10)

〈最初へ〉 〈前へ〉  眩い海岸線に沿って、島の中心よりもやや奥にある丘へ向かって歩く。城は丘の裏側にあると初日に聞いていたが、こちら側からはそれらしい建物が見えるどころか、行く手は人工物も無い野生の土地としか思われなかった。 「干潮の時は道ができるんです。濡れないように早く渡ってしまいましょう」  シーさんが指差した先には切り立った崖があり、その下は細長い砂浜になっていた。ここを通れば、険しい坂道を通らずとも丘を回り込んで反対側に出られるわけだ。 「あれは……」

【小説】望郷の形(9)

〈最初へ〉 〈前へ〉  ノックの音に目覚めてドアを開ける。訪ねてきたのはフリフリのエプロ…

直凪
1年前
5

【小説】望郷の形(8)

〈最初へ〉 〈前へ〉  草原に据えられたカフェテーブルを、てんでばらばらな格好の十数人が…

直凪
1年前
5

【小説】望郷の形(7)

〈最初へ〉 〈前へ〉  眠れない闇が重くて、夜明け前に抜け出した。  人工の灯りを持たな…

直凪
1年前
3